こんにちは、YAMA-GO編集部のりょうです。関西を拠点に、北アルプスを中心にULスタイルで山を楽しんでいます。このブログ「YAMA-GO」では、実際に使ったギアのレビューや選び方、山のノウハウなんかを発信しています。
モンベルのレインウェアを選ぶとき、定番のストームクルーザーと最軽量のバーサライトで迷う人は多いですよね。重さは半分近いのに、値段は軽いほうが高い。どこに差があるのか、パッと見では分かりにくいかなと思います。
僕は2018年8月の槍ヶ岳で、山頂の強風と雨、6時間45分の雨の下山を経験しました。そのときに感じたのは、雨具の差は「雨が漏れるか」より、長い雨と風と寒さの中で出るということです。
この記事では、2025年の素材刷新後の公式スペックで2モデルの違いを整理します。そのうえで、どの山行ならバーサライトで足りて、どこから足りないのかを具体的な条件で線引きします。
- ストームクルーザーとバーサライトの重さ・生地・透湿性・装備の違い
- 2025年のスーパードライテック化で変わった現行情報と旧情報の見分け方
- 長雨・強風・低温・ザックの擦れでバーサライトが足りなくなる条件
- 1着目と2着目の選び分けと、バーサライトに合わせるパンツの選び方
結論は1着目ストームクルーザー、2着目にバーサライト
先に結論です。一般的な登山の1着目ならストームクルーザー、日帰りの軽量化やトレラン、ウィンドシェル兼用の2着目ならバーサライトが、僕のおすすめの考え方です。

理由はシンプルで、2モデルの防水性能の公表値は同じだからです。違いは表地の厚さで、ストームクルーザーは30デニール、バーサライトは7デニール。この差が、重さと耐久性のトレードオフをそのまま生んでいます。
1着で雨の日も風の日も、テント泊も岩稜もこなしたいなら、厚い生地の余裕が効きます。一方で、すでに1着目を持っていて「もっと軽い雨具がほしい」なら、バーサライトの軽さと小ささが生きてきます。
| あなたの状況 | 選ぶなら | ひとこと |
|---|---|---|
| 初めてのレインウェア・1着で全部まかなう | ストームクルーザー | 全天候・全山行の基準機 |
| テント泊縦走や岩稜を歩く | ストームクルーザー | 擦れと岩角に余裕がある |
| 日帰り・樹林帯中心で軽くしたい | バーサライト | 常備しても負担が小さい |
| トレラン・スピードハイク | バーサライト | 軽さ・小ささ・透湿性の公表値 |
| 1着目があり、予備や防風用がほしい | バーサライト | 2着目として持ち分ける |
軽い道具は魅力的ですが、軽さだけで1着目を決めると後悔しやすいかもしれません。UL志向の僕でも、ここは「必要な安全性を残して軽くする」場面だと考えています。以下で、その根拠をひとつずつ確かめていきます。
1着目をストームクルーザーにするか迷う場合は、少し軽いトレントフライヤーとの違いも比べておくと選びやすくなります。
関連記事:トレントフライヤーとストームクルーザーの比較
バーサライトはもうウインドストッパーではない
現行のバーサライトは、ウインドストッパー素材ではありません。2025年からストームクルーザーと同じスーパー ドライテック3レイヤーに変わり、素材の格で比べる構図はなくなりました。
バーサライトって、ウインドストッパーの軽いレインウェアだよね?ネットでそう読んだよ。
僕も最初はそう思っていました。でも、今の公式ページを見ると話が違うみたいですよ。一緒に確かめてみましょう。
2025年のモンベルのレインウェア再編で、ウインドストッパー素材のレインウェアはラインアップから消えました。バーサライトもスーパー ドライテック3レイヤーへ移り、表地は10デニールから7デニールに薄くなっています。
ストームクルーザーも同じタイミングで変わりました。2025年春夏の第10世代から、ゴアテックスではなくスーパー ドライテック3レイヤーです。旧ゴアテックス版は生産終了で、公式は後継を「テンペスト ジャケット」と表示しています。(出典:モンベル公式『ストームクルーザー ジャケット Men's』)
| よく見かける旧情報 | 現行の公式情報 |
|---|---|
| バーサライトはウインドストッパー(2レイヤー・10デニール) | スーパー ドライテック3レイヤー・7デニール |
| バーサライトは134g・透湿性43,000 | 143g・透湿性50,000 |
| バーサライトは168g | さらに前のドライテック時代(2017年頃)の値 |
| バーサライトは18,700円前後で安い | 24,000円でストームクルーザーより高い |
| ストームクルーザーはゴアテックス | スーパー ドライテック3レイヤー・30デニール |
スーパー ドライテックは、モンベル独自の防水透湿素材です。公式の素材ページでは、透湿性のレンジを20,000〜60,000g/m²・24hrsとしています。ネットで見かける「スーパードライテック 60,000」はこの上限の値で、どちらのモデルの数値でもありません。
つまり今の2モデルは、同じ素材の系統で、同じ耐水圧の表記です。違いは「表地の厚さと、それに伴う重さ・耐久性」「ポケットやサイズ展開などの装備」「透湿性の公表値」の3つに整理されています。
ブログや比較記事の「134g」「ウインドストッパー」「ゴアテックス」は旧世代の情報です。購入前は公式ページの現行スペックで確認してください。
ストームクルーザーとバーサライトの違いを数値で比較
公式スペックで並べると、差は重さ111g・収納0.4L・価格2,000円・表地の厚さ・透湿性の公表値・ポケットとサイズ展開に集約されます。防水の公表値は同じです。

| 比較軸(Men's) | ストームクルーザー | バーサライト |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 22,000円 | 24,000円 |
| 素材 | スーパー ドライテック3レイヤー | スーパー ドライテック3レイヤー |
| 表地 | 30デニール バリスティック ナイロン | 7デニール バリスティック エアライト ナイロン |
| 耐水圧 | 20,000mm以上 | 20,000mm以上 |
| 透湿性(JIS L-1099B-1法) | 40,000g/m²・24hrs | 50,000g/m²・24hrs |
| 平均重量 | 254g | 143g |
| 収納サイズ | 8×8×15cm(1L) | 7×7×11cm(0.6L) |
| ポケット | 腰にジッパー付き2個 | なし |
| 袖口 | アルパインカフ+袖口の接着加工 | アルパインカフ |
| サイズ展開 | XS〜XXL+M-R・L-R(8サイズ) | S〜XL(4サイズ) |
フードはどちらもトライアクスルフードとロールアップフードで、同じ機構です。脇のピットジップは、どちらの公式ページにも記載がありません。数値はモンベル公式の2026年10月時点の表記なので、購入前に最新の値を確認してくださいね。
バーサライトの重さ143g、収納と価格の差
平均重量はストームクルーザーが254g、バーサライトが143gです。差は111gで、バーサライトはストームクルーザーの約56%の重さになります。
111gは、ザックに入れっぱなしにする装備としては無視できない差かなと思います。雨具は降らなくても毎回持っていくものなので、軽さの恩恵を山行のたびに受けられます。
収納サイズは、ストームクルーザーが1L、バーサライトが0.6Lです。容積で0.4L小さく、トレラン用のベストやサコッシュ寄りの小さな収納にも入れやすいサイズ感です。
意外なのは価格で、軽いバーサライトのほうが2,000円高いんです。旧ウインドストッパー版は安い軽量モデルという印象がありましたが、現行は逆転しています。「軽い=安い入門機」ではない点は覚えておきたいところです。
Women'sはストームクルーザーが225g・21,000円、バーサライトが128g・22,900円。差は97gで、男女とも「軽いほうが少し高い」関係は同じです。
表地は7Dと30D、生地の厚さと引き裂き強度の差
表地はストームクルーザーが30デニール、バーサライトが7デニールです。両モデルの本質的な違いはこの表地の厚さで、重さの差もこの表地が大きく効いています(ポケットの有無など装備の差も加わります)。
デニールは、糸9,000mあたりの重さをグラムで表した単位です。糸の重さで見ると約4倍の差になります。ただし、厚みや強度も同じ倍率で違うという意味ではありません。
ストームクルーザーの表地は、モンベル公式ガイドで「従来のナイロンと比べて同重量であれば約2倍の引き裂き強度」と説明されています。厚い生地に、強い糸を組み合わせた作りです。
バーサライトの表地も、バリスティック エアライト ナイロンという高強度系の糸です。それでも7デニールは極薄で、公式は「通常の使用には十分な強度」としつつ、破損への注意書きを添えています。(出典:モンベル公式『バーサライト ジャケット Men's』)
公式の注意書き
バーサライトの公式ページには「極薄素材のため、過酷な条件下や鋭利な岩角、強い摩擦・衝撃で破損する恐れがある」という趣旨の注意があります。ストームクルーザーの公式ページに、この種の注意書きはありません。
なお、モンベルは2モデルとも引き裂き強度や摩耗強度の数値を公表していません。「何倍丈夫か」を数字で言える公式資料はなく、言えるのは30デニールと7デニールという事実までです。
透湿性5万と4万の差は山でどう効くか
透湿性はバーサライトが50,000、ストームクルーザーが40,000g/m²・24hrsです。同じメーカーの同じ試験法なので比べられ、バーサライトが1.25倍の値になります。
ただ、この数字は生地が通せる「最大」の値を測る試験のものです。差が効くのは、汗を多くかくトレランやスピードハイクのように、体の内側の湿気が多い場面だと考えています。
実際の山では、生地の内と外で温度や湿度の差がないと水蒸気は動きません。雨の日や湿度の高い日は、どちらも公称値どおりには抜けないと見ておくのが現実的です。
2モデルともピットジップはないので、蒸れ対策は共通です。前のジッパーを少し開ける、袖口をゆるめる、フードを外すといった操作で調整します。透湿性の数字だけで「蒸れない」と期待しすぎないほうがいいかもしれません。
ポケット無しとサイズ展開の差も見落とさない
バーサライトにはポケットが一切ありません。ストームクルーザーは、ザックのハーネスと干渉しにくい腰の位置に、ジッパー付きのポケットが2個あります。
雨の中で、レインウェアの上から地図やスマホ、行動食を出す運用はバーサライトではできません。ザックのウエストベルトのポケットや、サコッシュを別に用意する前提になります。
僕が槍ヶ岳で使ったミレーのサースフェー30+5は、ウエストベルトの両側にポケットがありました。片側は広げられて、大きめのスマホも出し入れしやすかったです。こういうザックなら、ポケット無しの不便はかなり補えると感じます。
サイズ展開も差があります。ストームクルーザーはXS〜XXLに、ゆったりめのM-R・L-Rを加えた8サイズ。バーサライトはS〜XLの4サイズです(Women'sはXS〜XL)。
XSやXXL、ゆったりサイズが必要な体型なら、Men'sではストームクルーザーにしか合うサイズがありません。ほかに、袖口の接着加工はストームクルーザーだけ、フロントジッパーの反射テープはバーサライトだけ、という細かな違いもあります。
ほかの現行モデルも含めて、重さ・透湿性・価格を1表で比べたい場合はこちら。
関連記事:モンベルのレインウェア比較
バーサライトジャケットは登山の雨に耐えられるか
新品の状態なら、バーサライトも山岳用として雨に耐える設計です。ただし、長雨・強風・低温・ザックの擦れが重なるほど、ストームクルーザーとの差が表に出てきます。
防水の数字が同じなら、どっちを着ても雨の日は同じじゃないの?
僕もそこが気になっていました。漏れるかどうかより、山の条件しだいで差が出るみたいです。順番に見ていきましょう。
2モデルとも、縫い目はシームテープで処理され、フロントは止水ジッパーです。公式もバーサライトを「山岳用レインウエアに必要な機能を備え」たモデルと説明しています。差が出るのは防水膜そのものではなく、表地が傷んだ後と、悪条件での余裕のほうです。
防水は同じでも長雨と強風で差が出る理由
雨の強さだけで、どちらかが先に浸水するという公式の根拠はありません。差が出るのは、雨が長く続き、風と寒さが重なったときの余裕です。
レインウェアを着ていても濡れる主な原因は、首元や袖口からの浸水、汗の結露、はっ水の低下の3つとされています。この3つは生地の厚さより、フードや袖口の調整と、はっ水の手入れで決まる部分です。
そのうえで、長雨では表地が水を吸って、重く冷たく感じやすくなります。表地が厚いか薄いかで体感は変わるはずですが、公式はこれを数値にしていません。袖口の接着加工で浸水や保水を抑える仕様は、ストームクルーザーにだけあります。
風も無視できません。トムラウシ山遭難事故の調査報告書は、風速10m/sに逆らって歩くと消費エネルギーが5割以上増えるデータを引いています。強い風の中を歩くだけで、体力がどんどん削られるということです。(出典:日本山岳ガイド協会『トムラウシ山遭難事故調査報告書』)
強風の稜線では、体に合っていない雨具ほど風でばたつきやすくなります。バーサライトのサイズ展開はS〜XLの4つです。XS・XXLやゆったり幅(M-R・L-R)が必要な体型なら、8サイズから選べるストームクルーザーのほうが合わせやすいです。
気温も大事な条件です。夏山でも、稜線では10℃を下回ることがあります。同じ報告書は、気温10℃でも風速8.9m/sなら、裸の肌に対する冷え方は0℃相当になるという表を示しています(衣類を着ていればそのまま当てはまるわけではない、とも注記しています)。
雨具は防寒具ではない
同じ報告書は「雨具は防寒具ではない」と明記しています。薄い服1枚の上に雨具を着ていると、強風で体温を急速に奪われます。厚手のストームクルーザーでも防寒着の代わりにはならないので、フリースやダウンを別に持ってください。
僕自身、2018年8月の槍ヶ岳では、山頂が強風と雨で長居できませんでした。下山は終日の雨で、歩いた時間は6時間45分。夏なのに寒くて、フリースかインナーダウンがほしいと本気で思いました。
このときは友人のジャケットを借りてしのいでいます。山頂は夏でも5℃くらいになると、身をもって知りました。長雨・強風・低温が重なる日は、雨具の厚さ以前に防寒着と撤退判断が大切です。
7Dはなぜザックの擦れと岩角に弱いのか
7デニールは糸が細く、生地そのものが極薄だからです。弱いのは、同じ場所が長時間こすれ続ける摩擦と、鋭い岩角への引っかけで、公式の注意書きもまさにこの2点を挙げています。
ザックを背負うと、肩ベルトと腰ベルトはずっと同じ場所に乗ったままです。荷物が重いほど、歩く時間が長いほど、生地にかかる摩擦は大きくなります。雨具を着ている時間が長い日は、その摩擦がまるごとレインウェアにかかります。
岩稜や鎖場、ヤブ漕ぎでは、岩角や枝に生地が引っかかる場面が増えます。旧10デニール版の海外の長期レビューでも、ヤブや岩、重い荷物の運搬は問題になる場面として挙げられていました。7デニールの現行版は、それより薄い生地です。
表地に穴が開けば、そこから雨が入る可能性があります。「新品のときの防水性能」と「傷んだ後の防水性能」は別物で、差が出るのは傷んだ後だと考えておくと分かりやすいかなと思います。
一方のストームクルーザーは、30デニールのバリスティック ナイロンで、生地に余裕があります。どちらのモデルも、肩に縫い目が来ないK-Mono CUTの裁断で、ハーネスの当たりへの配慮は共通です。
UL目線で見るバーサライトで足りる山・足りない山
UL目線で線を引くと、日帰り・樹林帯中心・トレラン・2着目ならバーサライトで足り、重荷のテント泊縦走や岩稜ならストームクルーザーです。分かれ目は、擦れと悪天候にさらされる時間の長さです。

| 山行タイプ | 向くモデル | 効いてくる条件 |
|---|---|---|
| 日帰り・低山・ハイキング | バーサライト | 着る時間が短く、111gと0.4Lの差が効く |
| 小屋泊縦走(2〜3日) | ストームクルーザー寄り | 連日の着用・稜線の風・ポケット・袖口処理 |
| テント泊縦走(重荷) | ストームクルーザー | ザックの擦れの時間と荷重が最大 |
| 岩稜・ヤブ | ストームクルーザー | 鋭い岩角への注意書きに当たる |
| トレラン・スピードハイク | バーサライト | 軽さ・収納・透湿性の公表値 |
| 旅行・街との兼用 | どちらも可 | ポケット無しをどう補うか |
ULは「なんでも軽くする」ではなく、必要な安全性を残して不要なものを見直す考え方です。雨具は削れない安全装備なので、軽くするなら「同じ機能のまま軽い製品に置き換える」範囲にとどめるのが基本ですよね。
北アルプスのテント泊縦走や岩稜はストームクルーザー
北アルプスのテント泊縦走や岩稜を歩くなら、ストームクルーザーを選ぶのが安心です。重いザックの擦れ、鋭い岩角、稜線の強風と、バーサライトが苦手な条件が一度にそろうからです。
テント泊のザックは重く、一日中背負います。雨の日はその間ずっとレインウェアを着ているので、肩と腰の擦れは山行の中でいちばん大きくなります。公式が「強い摩擦」で破損に注意を促している条件そのものです。
僕も2021年10月に穂高岳山荘でテント泊したときは、大型ザックを背負って岩稜を歩きました。あの荷重で岩場を越えていく行程なら、111g重くても30デニールの余裕を取りたいと感じます。
小屋泊の縦走でも、2〜3日続けて着る日があり、腰ポケットや袖口の接着加工の差が効いてきます。地図やスマホを雨の中でさっと出したい人にも、ストームクルーザーのほうが扱いやすいはずです。
モンベル ストームクルーザー ジャケット Men's
テント泊縦走や岩稜も1着でこなしたい人向けの、30デニールの全天候型レインウェア
価格目安:22,000円(税込・2026年10月時点の公式価格)
トレイルランニングと日帰りはバーサライトで足りる
トレイルランニングや日帰り登山なら、バーサライトで足りる場面が多いと考えています。143g・0.6Lなら、念のため常に持っていっても負担が小さいからです。
日帰りや樹林帯中心の山では、雨具を着る時間が短く、ザックも軽めです。擦れの負担が小さいぶん、7デニールの弱点が表に出にくくなります。モンベル英国の公式サイトも、用途をハイキングからランニング、サイクリングまでと説明しています。
トレランの大会では、防水透湿膜・フード・縫い目の処理を備えたジャケットを必携とする規定が一般的です。たとえばHiroshima Ultra-Trail by UTMB 2027の規定は、透湿膜・一体型フード・シール済みの縫い目などを求めています。
バーサライトは、スーパー ドライテック3レイヤー、シームテープ処理、トライアクスルフードを備えます。仕様のうえでは、この種の規定の要素をそろえています。ただ、要項は大会ごとに違うので、出場前に最新の規定を確認してくださいね。
日帰りでも、レインウェアは上下で持つのが基本です。モンベルの登山装備ガイドも、上下セットでの持参を必須としています。ジャケットだけ軽くして、パンツを省くのはおすすめしません。
モンベル バーサライト ジャケット Men's
日帰り・トレラン・2着目用に、143gの軽さで雨具を常備したい人向け。岩角や強い擦れには注意
価格目安:24,000円(税込・2026年10月時点の公式価格)
ウィンドシェル兼用・予備の2着目として持つ
すでに1着目を持っている人には、バーサライトを防風着と雨具を兼ねる2着目にする使い方が成り立ちます。雨が弱く風が強い場面で防風着として着て、本降りになってもそのまま使えます。
比較の目安として、モンベルのEXライト ウインド ジャケットは45gで、はっ水加工のみです。防水ではないので、本降りではレインウェアへの着替えが必要です。バーサライトは約3倍の重さですが、雨にも対応できます。
ウィンドシェルとバーサライトを別々に持つより、バーサライト1着で兼ねれば荷物が1つ減ります。ただし、防水透湿膜があるぶん、はっ水だけのウィンドシェルより蒸れやすい点は覚えておきたいところ。防風用に頻繁に着れば、7デニールをザックで擦る時間も増えます。
富士登山では、僕のレインウェアは雨ではなく、ご来光待ちの防風に活躍しました。8合目でも5℃以下の寒さで、山頂ではヒートテックとパーカー、防寒着の上にレインウェアを重ねるフル装備でした。雨具は、雨が降らない日も風よけとして働く装備だと実感しています。
旧ゴアテックス版を含め、すでにストームクルーザーを持っているなら、2着目の目的を先に決めるのがおすすめです。軽さを取りたいならバーサライト、雨に使わず風だけ防げればいいなら、はっ水のみのウィンドシェルという分け方になります。
バーサライトパンツは無い?上下の組み合わせ方
現行のモンベルに「バーサライト パンツ」という名前の製品はありません。バーサライトと同じ7デニール生地のパンツは「ドライテック U.L.レインパンツ」です。旧ウインドストッパー版のバーサライト パンツは、現行品ではありません。
ジャケットだけ軽くして、パンツは持っていかなくてもいいの?
そこは僕も削らないようにしています。パンツをどう組み合わせるか、一緒に考えてみましょう。
| パンツ(Men's) | 表地 | 平均重量 | 収納 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| ドライテック U.L.レインパンツ | 7デニール | 116g | 0.4L | 16,500円 |
| ドライテック レインパンツ | 30デニール | 194g | 0.6L | 14,000円 |
| ドライテック ストレッチレインパンツ | 15デニール | 165g | 0.6L | 16,000円 |
U.L.レインパンツはサイドジッパー付きで、ローカットの靴なら履いたまま着脱できます。カラーはブラックのみで、ジャケットと同じく極薄素材の破損注意があります。3本とも、裾の内側の摩耗強度を上げる仕様と、丈を調節できる仕組みを備えています。
| 上下の組み合わせ(Men's) | 価格合計 | 重量合計 | 収納合計 |
|---|---|---|---|
| バーサライト+U.L.レインパンツ | 40,500円 | 259g | 1.0L |
| バーサライト+ドライテック レインパンツ | 38,000円 | 337g | 1.2L |
| ストームクルーザー+U.L.レインパンツ | 38,500円 | 370g | 1.4L |
| ストームクルーザー+ドライテック レインパンツ | 36,000円 | 448g | 1.6L |
上下とも最軽量でそろえると、ストームクルーザー上下より189g軽く、4,500円高くなります。軽さを最優先するなら、この組み合わせがいちばんです。
見落としがちなのが、下半身のほうが擦れやすいことです。岩に座る、お尻で滑る、ザックの腰ベルトが当たる。ジャケットだけ軽量にして、パンツは30デニールという組み合わせなら、重さと耐久性の中間を取れます。
長野県のガイドラインや富士登山オフィシャルサイトは、上下セパレートの雨具を必須としています。ジャケットを軽くしても、パンツを省けば下半身が濡れます。軽量化するなら上下で考えるのが、結局いちばん安全かなと思います。
モンベル ドライテック U.L.レインパンツ Men's
バーサライトと同じ7デニール生地。上下を最軽量でそろえたい人向け
価格目安:16,500円(税込・2026年10月時点の公式価格)
モンベル ドライテック レインパンツ Men's
擦れやすい下半身は30デニールで守りたい人向け。どちらのジャケットとも合わせやすい
価格目安:14,000円(税込・2026年10月時点の公式価格)
ストームクルーザーとバーサライトの違いに関するよくある質問
旧ウインドストッパー版のバーサライトを持っています。現行品に買い替えるべきですか?
傷みがなく、はっ水も保てているなら、急いで買い替える必要はないと僕は考えています。現行版は3レイヤー構造で表地が7デニールに変わりましたが、旧版が使えなくなったわけではありません。表地の破れや、洗ってもはっ水が戻らない状態なら、買い替えを検討するタイミングです。
スーパードライテックの2モデルは、どう手入れすればいいですか?
どちらもはっ水剤にPFASを使っていない素材なので、こまめに洗濯するのが基本です。公式は、乾燥機やアイロンの熱ではっ水性が回復すると案内しています。洗濯表示は2モデル共通で、タンブル乾燥は低温(排気60℃まで)、アイロンは当て布で120℃までです。詳しくは製品の洗濯表示と公式サイトを確認してください。
女性用(Women's)の重さやサイズは違いますか?
Women'sはストームクルーザーが225g・21,000円、バーサライトが128g・22,900円です。重さの差は97gで、軽いほうが少し高い関係はMen'sと同じです。バーサライトのWomen'sはXS〜XLの5サイズ展開なので、小柄な人も選びやすくなっています。
富士登山にバーサライトを持っていっても大丈夫ですか?
上下セパレートで持つなら、仕様のうえでは雨具として使えます。富士登山オフィシャルサイトは、上下セパレートの雨具を必須装備に挙げています。ただ、僕が登ったときは8合目でも5℃以下で、ご来光待ちは本当に寒かったです。雨具は防寒具ではないので、フリースやダウンなどの防寒着を必ず別に持ってください。
ストームクルーザーとバーサライトの中間のモデルはありますか?
モンベルでは、トレントフライヤー ジャケットが中間にあたります。表地は15デニールで、透湿性は50,000、重さは233g、価格は25,500円です。重さはストームクルーザーに近く、全面ストレッチと腰ポケット2個を備えています。価格や仕様は変わることがあるので、最新情報は公式サイトで確認してくださいね。
ストームクルーザーとバーサライトの違いと選び方まとめ
防水の数字は同じでも、生地の厚さで向いている山が変わるんだね。
そうなんです。僕も調べてみて、1着目と2着目で分けて考えるとすっきりしました。
ストームクルーザーとバーサライトは、2025年から同じスーパー ドライテック3レイヤーになりました。違いの中心は表地の厚さで、軽さを取るか、擦れや岩角への余裕を取るかの選択です。

- 一般的な登山の1着目は、30デニールで全天候に対応するストームクルーザー
- 日帰り・トレラン・ウィンドシェル兼用の2着目は、143gのバーサライト
- 差は重さ111g・収納0.4L・価格2,000円(軽いバーサライトのほうが高い)
- 長雨・強風・低温・重荷の擦れが重なるほど、厚い生地の余裕が効く
- バーサライト パンツは現行になく、同じ生地はドライテック U.L.レインパンツ
- 雨具は上下で持ち、防寒着は別に用意する
絶対にこれが正解という話ではなく、自分の山行で雨具を着る時間と、ザックの重さで決めるのがいちばんだと思います。ここで紹介した数値は、2026年10月時点の公式表記をもとにした一般的な目安です。
正確な情報は公式サイトをご確認ください。ルートや天候、装備の最終的な判断に迷ったときは、山岳ガイドや登山用品店のスタッフなど専門家にご相談ください。無理をせず、引き返す判断も装備のひとつとして持っておきましょう。
