こんにちは、YAMA-GO編集部のりょうです。関西を拠点に、北アルプスを中心にULスタイルで山を楽しんでいます。このブログ「YAMA-GO」では、実際に使ったギアのレビューや選び方、山のノウハウなんかを発信しています。
モンベルのレインウェアって、中に重ね着するぶん1サイズ上げたほうがいいのかな。そう迷って手が止まりますよね。僕も最初はかなり適当に選んでいたので、この迷いはよく分かります。先に結論を言うと、多くの人は普段どおりのサイズで大丈夫です。
モンベルのレインジャケットは、同じサイズの中間着より一回り太く作られています。ストームクルーザーなら胸囲で8.5cmぶんのゆとり。重ね着ぶんは、最初から製品側に入っているんですね。
この記事では公式の実寸を並べて、普段サイズでいい人とそうでない人の線引きをはっきりさせます。上下別サイズの組み方や、通販で失敗しないための手順まで具体的に見ていきましょう。
- モンベルのレインジャケットは同じMの中間着より8.5cm太く、重ね着ぶんは最初から入っている
- 1サイズ上げると胸囲だけでなく裄丈も3cm伸び、袖とフードが緩んで雨が入りやすくなる
- 厚手の中間着を入れたいときは1サイズアップより身幅だけ2サイズ広いRサイズが先
- 上下は別サイズが普通で、パンツの丈はサイズではなく股下記号の-S/-Lで合わせる
モンベルのレインウェアのサイズ感は普段どおり
結論から言うと、モンベルのレインウェアは中間着を1枚入れるくらいなら普段どおりのサイズで足ります。重ね着ぶんのゆとりが、すでに製品の寸法に織り込まれているからです。

「レインウェアは1サイズ大きめ」という言い方はブランド共通の一般論。モンベルの実寸にそのまま当てはめると、二重にゆとりを取ることになります。
レインウェアって、上から着るんだから大きめを買うものだと思ってた。違うの?
僕も最初はそう思っていたんですよ。でもサイズ表を並べてみたら、最初から重ね着ぶんが入っていました。どのくらい入っているのか、一緒に数字で確かめてみましょう。
もうひとつ大事なのが、サイズを身長で決めないこと。モンベルの基本ヌードサイズ表は身長と胸囲の両方を載せていますが、ジャケットで見るのは胸囲です。
身長のレンジは隣のサイズと重なるので、身長だけだとどちらにも当てはまってしまうんですよね。
まずはメジャーで胸囲を実測しましょう。バストポイントを水平にひと回りするのが、モンベルの公式の測り方です。
重ね着分は最初から8cm織り込み済み
同じ「M」で仕上がり胸囲を並べると、レインジャケットだけが飛び抜けて太いのが分かります。仕上がり寸法とは、製品を平置きで測った実寸のこと。ここを見ないと、重ね着ぶんが足りているかは判断できません。
| レイヤー | アイテム(メンズ M) | 胸囲 |
|---|---|---|
| ベース | WIC.T | 106cm |
| ミドル | クリマプラス100 ジャケット | 105.5cm |
| アウター | トレントフライヤー ジャケット | 110cm |
| アウター | ストームクルーザー ジャケット | 114cm |
| アウター | サンダーパス ジャケット | 116cm |
薄手のTシャツとフリースは、同じMならほぼ同じ胸囲。その上に着るストームクルーザーは8.5cm太いという関係になっています。
この数字が言っているのはシンプルなことです。モンベルは中に何か着る前提でシェルを作っている、ということ。だから中間着を1枚足したくらいでは、必要な胸囲はサイズ表の1段上まで飛びません。
ウィメンズはもっと余裕があります。ベースレイヤーのMが胸囲96cmなのに対し、ストームクルーザーのMは107cm。11cmの差は、薄手から中厚のフリースなら十分に飲み込める幅ですね。
モデルによる幅はありますが、レインジャケットは同じサイズの中間着よりメンズで4.5〜10.5cm、ウィメンズで6〜13cm大きく作られています。
1サイズ上げる例外はどんな人か
とはいえ、普段サイズのままだと窮屈になる人もいます。当てはまるのは次の3つのどれかで、それ以外の人はサイズを上げる理由がほとんどありません。
- 厚手のフリースやインサレーションを、行動中もずっと中に着る予定の人
- 胸囲がサイズ表の境目に乗っている人
- ゆとりの少ないモデルを選ぼうとしている人
2つめは、モンベルのサイズ設計そのものが理由です。メンズは1サイズあたり胸囲4〜6cm刻みで、隣のサイズとの境目に乗る人が多い。ウィメンズはさらに細かく3〜6cm刻みです。
刻みが細かいということは、少しの体格差でサイズが割れるということ。境目にいる自覚がある人は、この後の章のモデル差も合わせて見てください。
3つめは少し説明が要ります。トレントフライヤーのMは胸囲110cmで、中間着との差は4.5cmしかありません。ウィメンズのバーサライトとピークシェルも同じ傾向で、差は6cmです。
もともとゆとりの薄いモデルに厚い中間着を入れると、さすがに余裕が足りなくなります。
ただ、当てはまったからといってすぐ1サイズ上げるのは早いんですよね。サイズを上げると胸囲以外の寸法も一緒に動きます。まず副作用を知って、そのうえで打ち手を選びましょう。
1サイズ大きめで増えるのは胸囲だけじゃない

1サイズ上げて増えるのは、胸囲だけではありません。袖の長さも襟まわりも一緒に伸びます。この副作用を知らずに大きめを選ぶと、雨と風の入口を自分で作ることになります。

ストームクルーザー ジャケットで、MからLに上げたときの変化量を並べてみます。
| 項目 | メンズ M→L | ウィメンズ M→L |
|---|---|---|
| 胸囲 | +6cm | +4cm |
| 裾囲 | +6cm | +4cm |
| 着丈 | +2cm | +2cm |
| 裄丈 | +3cm | +2.5cm |
| 衿付囲 | +2cm | +1.5cm |
広げたいのは胸まわりだけなのに、袖と襟と裾が付いてきます。この「ついでに伸びる分」が、山では地味に効いてきますよ。
裄丈と衿付囲が伸びて雨が入る
サイズを上げて実際に困るのは、袖・襟・裾の3カ所です。どれも雨と風の入口なので、緩めて得することがありません。
裄丈が3cm伸びると、袖が手の甲にかぶります。グローブとの重ね方が決まらず、ストックを持つ手に雨が伝ってくる。手首は濡れると一気に冷えるところです。
衿付囲が2cm増えると、フードと頭のあいだに隙間ができます。振り向いてもフードが一緒に回らず、視界を確保するたびに顔が濡れる。フードは頭に沿っているから機能する、と考えたほうがいいですね。
裾囲が6cm増えれば、風が下から巻き込んで生地がばたつきます。強風の稜線では体感温度が下がりますし、音と揺れで行動そのものが煩わしくなります。
僕が初めて富士山に登ったとき、レインウェアの出番は雨ではなく防風でした。8合目でも5度以下で、山頂のご来光待ちは本当に寒かったです。
あのときは長袖にパーカー、防寒着を重ねた上からレインウェアを羽織って耐えていました。風を通さないから助かったので、隙間ができる方向の選び方は避けたいなと思っています。
逆に小さすぎる場合は、腕を上げると裾が上がる、ザックを背負うと肩が突っ張る、という形で出ます。どちらの失敗も胸囲だけ見て決めたときに起きるので、胸囲・裄丈・着丈・衿付囲は別々に確認したいところです。
身幅だけ広げるRサイズという別解
厚手の中間着を入れたい人の打ち手は、1サイズアップではありません。先に検討したいのはRサイズ(M-R/L-R)です。着丈は元のサイズのままで、身幅を2サイズ分広げた展開ですね。
公式の説明は「身幅は2サイズアップで腰回りやバストがつっぱりづらく、二の腕にもゆとりを持たせています」。実寸で確かめても、定義どおりの数字になっています。(出典:モンベル公式オンラインストア『ぴったりの大きさが見つかる! 豊富なサイズラインアップ』)
| サイズ(メンズ) | 胸囲 | 裾囲 | 着丈 | 裄丈 |
|---|---|---|---|---|
| M | 114cm | 109cm | 72cm | 87cm |
| L | 120cm | 115cm | 74cm | 90cm |
| XL | 126cm | 121cm | 76cm | 93cm |
| M-R | 126cm | 121cm | 72cm | 87cm |
M-Rの胸囲と裾囲はXLと同じで、着丈と裄丈はMのまま。MからM-Rなら、袖丈を伸ばさずに胸囲を12cm足せます。ウィメンズのM-Rも同じ考え方で、胸囲は8cm増えます。
ただし、変わるのが身幅だけというわけではありません。M-Rの衿付囲はMの56.5cmから58.5cmへ2cm増えてL相当になりますし、L-Rの裄丈は88cmでLの90cmとは一致しません。Rサイズを選ぶときも、衿付囲と裄丈は商品ページの実数値で確かめてください。
ここが「とりあえず大きめを買う」との決定的な違いです。要るのは胴回りのゆとりであって、長い袖ではないんですよね。
注意点もあります。登山用レインウェアでRサイズがあるのは、メンズもウィメンズもストームクルーザーだけ。バーサライト、サンダーパス、トレントフライヤー、ピークシェル、テンペスト、レイントレッカーにはありません。
1サイズアップを検討するのは、Rサイズが無いモデルを選んだときからで十分だと思います。ただしMからM-Rは胸囲が12cm増えるので、そこまでのゆとりが要らない人には1サイズアップのほうが合う場合もあります。厚着したいという目的に対して、いちばん素直な手から順に試しましょう。
モンベル ストームクルーザー ジャケット
登山用レインウェアで唯一、身幅だけを広げたRサイズ(M-R/L-R)が選べるモデル。XSからXXLまで展開も広く、体格が端に寄る人でも合わせやすいです
価格目安:22,000円(メンズ・2026年8月時点の公式価格)
厚手の中間着を前提にするならまずRサイズ。Rが無いモデルを選んだときや、M-Rの胸囲+12cmでは大きすぎるときに1サイズアップを検討しましょう。
同じMでも胸囲は6cm、レディースは7cm差
同じ「M」でも、モデルが変わればサイズ感は変わります。モデルを替えることは、実質1サイズ替えるのとほぼ同じなんです。

メンズの胸囲は、いちばんタイトなモデルといちばんゆったりしたモデルで6cm離れています。これはストームクルーザーの1サイズ分とちょうど同じ幅。ウィメンズはさらに顕著で、その差は7cmあります。
| 着用感 | メンズ M 胸囲 | 該当モデル | ウィメンズ M 胸囲 | 該当モデル |
|---|---|---|---|---|
| もっともタイト | 110cm | トレントフライヤー | 102cm | バーサライト・ピークシェル |
| 標準 | 114〜114.5cm | ストームクルーザー・ピークシェル・テンペスト・バーサライト | 107cm | ストームクルーザー |
| もっともゆったり | 116cm | サンダーパス・レイントレッカー | 109cm | サンダーパス |
面白いのは、変わるのが胴回りだけという点です。着丈・裄丈・衿付囲はモデル間でほぼ共通で、メンズMなら着丈72cm・裄丈87cm・衿付囲56.5cm。
袖の長さや丈はモデルを替えても動かない。そう覚えておくと、モデル選びとサイズ選びを切り分けて考えられます。
レディースを選ぶ人には、もうひとつ注意点があります。モンベルのウィメンズは2013年秋冬の新商品から適応身体寸法とサイズ展開が変わり、公式に2種類のサイズ規格が混在すると告知されています。(出典:モンベル公式『Women's(女性用)モデルのサイズ規格について』)
旧規格の商品が残っている可能性があるので、レディースは必ず買う商品のページのサイズ表を開いてください。
ストームクルーザーとバーサライトのサイズ感
メンズなら、この2つのサイズ感はほぼ同じと考えて大丈夫です。ところがウィメンズだと5cm差で、着用感の順位が入れ替わります。
メンズのMはストームクルーザーが胸囲114cm、バーサライトが114.5cm。誤差といっていい範囲ですね。ところがウィメンズのMは、ストームクルーザーが107cmでバーサライトは102cmです。
メンズの感覚でレディースのモデルを選ぶと、思ったより狭いという結果になりがち。モデル名ではなく、胸囲の実数値で比べるのが確実です。
もうひとつの違いが、サイズ展開の幅です。同じブランドでもモデルによって選べる範囲がかなり違います。
| 展開(メンズ) | 該当モデル |
|---|---|
| XSから選べる | ストームクルーザーのみ |
| ゆったり幅(M-R・L-R)がある | ストームクルーザーのみ |
| S〜XLのみ | バーサライト |
| XXLがある | ストームクルーザー・ピークシェル・テンペスト・トレントフライヤー・サンダーパス・レイントレッカー |
バーサライトは4サイズしかないので、体格が端に寄る人はサイズ感を語る前に選択肢から外れます。小柄な人や身幅だけ広げたい人は、実質ストームクルーザー一択ですね。
ウィメンズも傾向は同じで、ストームクルーザーが7サイズ。バーサライト・ピークシェル・サンダーパスは5サイズの展開です。
関連記事:スーパードライテックとゴアテックスを比較|透湿量と寿命で選ぶ
軽さを優先するならサイズは上げない
軽さで選んだモデルのサイズを上げるのは、もったいない選択です。増えた生地は、そのまま重さとばたつきになります。
平均重量はバーサライトが143g、ストームクルーザーが254g、サンダーパスが313g。ザックに入れて歩くと、この差ははっきり体感できます。僕はULスタイルで山に入るので、軽さの価値はよく分かるつもりです。
ただ、軽さのために選んだモデルでサイズを上げると、その利点を自分で相殺することになります。バーサライトは7デニールの極薄生地を使い、ポケットまで削って軽さを追求したモデル。そこに余分なゆとりを足すのは、方向が逆ですよね。
軽さを取るなら、中間着のほうを薄手で組むほうが素直です。ウィメンズのバーサライトはMで胸囲102cm、中間着との差は6cmしかありません。厚手のフリースを前提にするなら、そもそも別のモデルを見たほうが早いです。
「動きやすさが欲しいからサイズを上げる」も、モンベルでは第一手になりません。動きやすさは、サイズではなくパターンと素材で作られているからです。
公式の説明では、サンダーパスは腕上げがしやすいパターン、ピークシェルは運動性を高める独自のパターンを採用。トレントフライヤーはストレッチ素材で、着用時に突っ張り感が出ないとされています。
そのトレントフライヤーは、胸囲がいちばんタイトなモデル。それでも突っ張らない設計になっているので、タイト=動きにくいという単純な話ではないんです。
僕自身、モンベルではバーサライトパック15という105gのザックを使っています。軽い道具は正義だと感じる場面が多いですが、それは必要な機能を残したうえでの話。サイズも同じで、削るところと残すところは分けて考えたいところです。
上下で別サイズになるのはふつう
上下でサイズが割れても、何もおかしくありません。モンベルの登山用レインウェアは上下別売りが標準で、公式も上下でサイズを変える組み合わせを想定しています。

上と下でサイズが違うのって、なんだか中途半端じゃない?
僕も最初は揃えるものだと思っていました。でも公式のガイドが、サイズを変える組み合わせをはっきり認めているんですよ。体は上下で別々の形をしていますしね。
公式のレインウエアガイドは「ジャケットとパンツでサイズを変えたり、上は視認性の高い色、下は汚れの目立たない色にしたり」と書いています。上は軽量モデル、下は生地の厚いモデル、という組み方もありです。(出典:モンベル公式『レインウエアガイド』)
そもそも上下で見る寸法が違います。ジャケットは胸囲、パンツは胴囲と股の高さ。基本ヌードサイズの適応範囲も、別々に設定されています。
| サイズ(メンズ) | 胸囲 | 胴囲 | 股の高さ |
|---|---|---|---|
| S | 86-90cm | 72-76cm | 71-76cm |
| M | 90-95cm | 76-81cm | 74-79cm |
| L | 95-101cm | 81-87cm | 77-82cm |
| XL | 101-107cm | 87-93cm | 80-85cm |
たとえば胸囲96cm・胴囲79cmの人。表に当てはめると上はL、下はMになります。この体型は珍しくありません。
ここで上に合わせて下もLにすると、レインパンツのウエストが5cm余ります。余ったウエストは、ヒップベルトの下でずり落ちる方向に効いてしまうんですよね。
ちなみに「ストームクルーザーの上下をそろえる」という買い方は、現行のラインアップでは成立しません。ストームクルーザーはジャケットのみの展開で、同じ素材のパンツは「スーパー ドライテック レインパンツ」という別の名前で売られています。
裾の長さは登山靴を履いた状態で決める
レインパンツの丈は、登山靴を履いた状態で決めるのが基本です。裸足やスニーカーで合わせた丈は、本番では必ず短く感じます。
丈が短すぎると、足を高く上げたときに裾がずり上がります。登山靴の履き口が出て、そこから雨水が靴の中へ入る。逆に長すぎれば、岩場や階段で自分の裾を踏みます。
目安としてよく言われるのは、素足で立って床に着くか着かないか程度の長さ。靴を履いた状態で履き口を覆い続けられるか、という見方でもいいと思います。
ザックのヒップベルトを締めると、ウェアが腰で固定されます。屈伸や段差では裾が引き上げられるので、静止した状態では少し余裕を見ておきたいところです。
モンベルのレインパンツには、裾のゴムで丈を詰める「サムエシステム」が付いています。引き出したゴムを180度ねじって輪をつくり、つま先をくぐらせて足首で留める仕組みです。
登山靴を履いたままでも操作できるのがポイント。だから判断はこうなります。迷ったら長め(-L側)を選んで、サムエシステムで詰める。長すぎには対処法がありますが、短すぎには打つ手がありません。
僕は山と道の5ポケットライトパンツという登山パンツを、身長166cm・体重59kgでSサイズを履いています。裾丈は足首の曲がるあたりで、公式のサイズ表どおりに選んで問題はありませんでした。
ただテーパードがかかっていて、裾が登山靴の中に入り込むんですよね。靴に被せて履きたい人なら、ワンサイズ上のほうが好みに合うはずです。丈の感じ方は、靴と合わせて初めて決まるなと実感しました。
レインパンツは股下が短めに出る
いつもの登山パンツと同じMを選ぶと、丈が思ったより短く感じます。スーパー ドライテック レインパンツのMは、ストレッチ ライトパンツのMより股下が5.5cm短いからです。
| アイテム(メンズ M) | ウエスト | ヒップ | 股下 |
|---|---|---|---|
| ストレッチ ライトパンツ(登山パンツ) | 84cm | 104.5cm | 81cm |
| スーパー ドライテック レインパンツ | 78cm | 107cm | 75.5cm |
| サンダーパス パンツ | 78cm | 107cm | 78cm |
ヒップは登山パンツより2.5cm大きい。上から重ねてはくぶんのゆとりですね。それなのに股下は短い、という組み合わせになっています。
同じレインパンツでもモデル差があります。サンダーパス パンツのMは股下78cmで、スーパー ドライテック レインパンツより2.5cm長い。丈は「モデル×サイズ×股下記号」の3つで決まるので、商品ページの実数値を必ず見てください。
その股下記号が、丈合わせの主役です。-Sは同じウエストのまま股下が6cm短く、-Lは6cm長い。公式はこの展開を「最大14サイズ」と説明しています。
| 目的 | 選ぶサイズ | ウエスト | 股下 |
|---|---|---|---|
| 標準 | M | 78cm | 75.5cm |
| 丈を6cm短くしたい | M-S | 78cm | 69.5cm |
| 丈を6cm長くしたい | M-L | 78cm | 81.5cm |
| 丈が長いのでサイズを下げた場合 | XS | 72cm | 69.3cm |
表のいちばん下が落とし穴です。M-SとXSの股下はほぼ同じなのに、ウエストは6cm違います。
丈が長いという理由でサイズを下げると、胴回りまで6cm細くなる。レインパンツでいちばん多いサイズミスは、たぶんこれです。丈を動かしたいときは、サイズではなく記号で調整しましょう。
ウィメンズも考え方は同じですが、増分が一定ではありません。-Sは一律で6cm短くなるのに、L-Lの股下はLより3cm長いだけ。レディースは特に、記号ではなく実数値で確認してください。
僕が買う前に必ず確かめるサイズ感
最後は、買う前の確かめ方です。試着は本番の装備一式でやる。これだけで、店で合っていたのに山で突っ張る、という失敗はかなり減らせます。

レインウェアは晴れた日に単体で羽織るものではありません。僕が初めて富士山に登ったときも、5合目では暑いくらいでした。それが山頂のご来光待ちでは、着られるものを全部重ねた上からレインウェアを羽織っていたわけです。
同じ1着が、条件のまったく違う場面で使われる。だから試着の条件も、本番に寄せる必要があります。
- 実際に山で中に着る中間着(フリースやインサレーション)を着た状態で羽織る
- 登山靴、またはそれに近い厚みの靴を履いた状態でパンツの丈を見る
- ザックを背負い、ヒップベルトとショルダーストラップを本番と同じ強さで締める
近くに店が無い、あるいは在庫が無い場合は通販になりますよね。僕が通販で買うときに踏む手順はこうです。
- 胸囲(バスト)・胴囲・股の高さをメジャーで実測する
- 基本ヌードサイズ表で、上下それぞれのサイズを出す(割れてよい)
- 買うモデルの仕上がり寸法を見て、同じサイズでもモデル差があることを確認する
- 手持ちの似た服(フリースや持っているシェル)を平置きで測り、仕上がり寸法と直接比べる
- 届いたら中間着を着てザックを背負い、屋内で確認する
4番目は公式も勧めている方法です。仕上がり寸法は「すでにお持ちの類似の衣服と当社製品を比較する際の参考に」と案内されています。頭の中でサイズ感を想像するより、手元の服を測るほうがずっと確実ですよ。
ザックを背負ったまま見る4カ所
ザックを背負ったら、見るのは袖・着丈・肩まわり・フードの4カ所です。どれもサイズを上げて大きくは変わらない場所なので、ここでの違和感はサイズアップでは解決しません。
| 確認する動き | 見るところ | 1サイズ上げたときの増分 |
|---|---|---|
| 腕を前と頭上に上げる | 袖口が手首より上に上がらないか | 裄丈+3cm |
| 前傾する・屈む | 背中や腰が出ないか | 着丈+2cm |
| 肩と脇の突っ張り | ショルダーストラップの下が窮屈でないか | 胸囲+6cm |
| フードをかぶって左右上下を向く | フードが顔と一緒に回るか | 衿付囲+2cm |
裄丈は、腕を下ろした状態で後ろ襟ぐりの中央から袖口まで測った値です。腕を前に出せば、実際の袖丈はその分だけ短くなります。
メンズMの裄丈87cmを1サイズ上げても90cm。増えるのは3cmだけです。ここで足りないと感じるなら、そもそも合っていないと考えたほうがいいですね。
着丈も同じで、MとLの差は2cmしかありません。ヒップベルトで生地が腰に固定されるので、屈むと着丈は引き上げられます。
サイズを上げて解決しようとするより、屈んだときに背中が出ないかをその場で確かめるほうが早い。肩と脇が窮屈なら、必要なのはサイズアップではなく身幅の追加です。ここでRサイズが効いてきます。
フードは、中間着のフードやヘルメットを併用する予定があるなら、その状態で確認してください。首まわりに隙間が増えるほど、フードは顔の動きに追随しなくなります。
僕は残雪期の涸沢へ向かう樹林帯を、レインジャケットを着たまま大型ザックを背負って歩いていました。ショルダーストラップの下がどうなっているかは、自分では見えないんですよね。だから店では、締めた状態で腕を回してみるようにしています。
US規格は1サイズ大きめ・交換は8日
最後に、通販でやりがちな取り違えを2つ。US(海外)サイズのラインと、返品交換の8日という期限です。
モンベルには海外サイズのラインがあります。アメリカの標準サイズがベースで、公式の説明は「おおよそ1サイズ大きめのサイズ設計」。同じ文字サイズどうしで約1サイズ上なので、重ね着のために文字サイズもひとつ上げてUSラインを選ぶと、実質2サイズ上になります。
| ストームクルーザー ジャケット Women's | 日本サイズ M | USサイズ M | 日本サイズ L |
|---|---|---|---|
| 適応バスト | 80-86cm | 91-97cm | 84-90cm |
| 胸囲 | 107cm | 112cm | 111cm |
| 裄丈 | 81.5cm | 86cm | 84cm |
USのMは、日本サイズのLより大きいという位置づけ。見分け方は簡単で、商品名の頭に「US」が付いているかどうかです。USラインはS〜XLの展開で、XSはありません。
廃番モデルを前提にした情報にも気をつけたいところ。「レインダンサー」や「ストームクルーザー パンツ」は、現行の登山用レインウエア一覧にはありません。古い記事の数値を、そのまま今のモデルに当てはめないようにしましょう。
もうひとつが返品交換の条件です。期限は商品が届いてから8日以内で、一度使用した商品は返品できません。商品タグとパッケージも必要になります。(出典:モンベル公式オンラインストア『ご利用ガイド(返品・交換について)』)
つまり山で一度使ってからでは交換できない、ということ。届いたその日に、中間着を着て屋内で確認するのが安全です。
交換の往復には2週間近くかかると見ておくと安心。山行の直前に注文すると、サイズ違いをリカバリーできなくなります。
送料の条件も知っておくと迷いません。サイズが合わなかった場合の返送料は自己負担で、交換品の発送送料は交換商品の合計が11,000円未満なら550円、11,000円以上なら無料。モンベルクラブ会員(年会費1,500円)は金額にかかわらず無料です。
この11,000円は最初の注文額ではなく、交換で新たに発送してもらう商品の合計で判定されます。上下をまとめて交換するようなときだけ無料側に届く、という条件ですね。店舗が近くにあるなら、オンライン注文を店舗受け取りにする手もあります。受け取りは送料無料で、期間はモンベルストア入荷日から14日以内です。
同じMでも胸囲が6cm違うモデル同士は、やはり現物で比べるのがいちばん確実。試せる環境があるなら、使わない手はありません。
なお、価格や返品交換の規定は変わることがあります。ここに書いた数値はあくまで目安として、購入前に必ず公式サイトで最新の案内とサイズ表をご確認ください。体型やケガの事情で判断に迷うときは、店頭のスタッフや専門家に相談すると安心です。
モンベルのレインウェアのサイズ感でよくある質問
ほかのブランドと同じ文字サイズを選べばいいですか?
ブランドごとに刻み方が違うので、文字サイズを合わせるのはおすすめしません。モンベルは1サイズあたり胸囲4〜6cm刻みですが、たとえばノースフェイスの日本サイズは8cm幅で隣り合うサイズが重なります。胸囲92cmの人はモンベルならMに落ち着く一方、ノースフェイスの日本サイズではSとMの両方に入ります。文字ではなく、実測した胸囲と各社の公式サイズ表で突き合わせてください。
レディースはメンズと同じ感覚で選べますか?
同じ感覚では選べません。モンベルのウィメンズは2013年秋冬の新商品から適応身体寸法とサイズ展開が変わり、公式に2種類の規格が混在すると告知されています。適応バストもXS 74-80cm、S 77-83cm、M 80-86cm、L 84-90cm、XL 88-94cmと刻みが細かく、境目に乗る人が多いです。必ず買う商品のページのサイズ表を開いて、モデルごとの胸囲の実数値で比べてくださいね。
ストームクルーザーの上下セットは買えますか?
現行のラインアップでは買えません。ストームクルーザーはジャケットのみの展開で、同じスーパー ドライテック(30デニール)を使ったパンツは「スーパー ドライテック レインパンツ」という別の商品名で並んでいます。かつての定番だったレインダンサーも、現在の登山用レインウエア一覧にはありません。上下は別々に選ぶ前提で、予算も上下合計で組み直すのがおすすめです。
「M-R」と「M-W」は何が違うのですか?
Rはリラックスサイズで、着丈は元のサイズのまま身幅を2サイズ上げた展開です。Wはウィメンズの一部のジャケットやパーカに用意されたゆったりサイズで、2018年9月に導入されました。登山用レインウェアで選べるのはRのほうで、しかもストームクルーザーだけの展開です。厚手の中間着を入れたい人は、まずここを見てみるといいと思います。
旧モデルのゴアテックス版を中古で買う場合、サイズ表はどれを見ればいいですか?
現行のサイズ表をそのまま使って大丈夫です。ストームクルーザーは素材がゴアテックスからスーパー ドライテックに替わりましたが、共通するサイズの仕上がり寸法は完全に一致しています。差分はサイズ展開のほうで、メンズは現行でXXLが、ウィメンズは現行でM-R・L-Rが加わっています。ただし中古は保管状態や付属品に個体差があるので、防水性能の劣化も含めて販売元に確認してから決めてください。
モンベルのレインウェアは普段サイズが基本
大きめを買わなくていいっていうのは、ちょっと意外だったなあ。
僕も数字を並べるまでは同じ気持ちでした。ゆとりは最初から入っていて、足りない分は身幅だけ足す。そう考えると迷いが減りますよね。
モンベルのレインウェアのサイズ感は、実寸を並べてみると意外なほどはっきりしています。要点をまとめます。

- レインジャケットは同じサイズの中間着より一回り太く、重ね着ぶんは最初から入っている
- 1サイズ上げると裄丈や衿付囲、裾囲も一緒に伸びて、袖と襟と裾が緩む
- 厚手の中間着を入れたいならRサイズ(M-R/L-R)が先で、Rが無いモデルでのみ1サイズアップ
- 同じMでもモデルで胸囲は6cm、レディースは7cm違うので、モデル名でなく実数値で比べる
- 上下は別サイズでよく、パンツの丈はサイズではなく股下記号の-S/-Lで合わせる
- 通販は届いた日に中間着を着て確認し、合わなければ8日以内・未使用で交換する
サイズ選びに絶対の正解はありませんが、判断の材料は公式の数値としてそろっています。身長ではなく胸囲、モデル名ではなく仕上がり寸法。この2つを押さえるだけでも、大きく外すことは減るはずです。
なお、寸法や価格、返品交換の規定は改定されることがあります。購入を決める前に、必ず公式サイトで最新のサイズ表と案内をご確認ください。よい1着に出会えますように。
モンベル以外のブランドも比較したい方はこちら。
関連記事:他ブランドも含めた登山用レインウェアおすすめランキングを見る
