こんにちは、YAMA-GO編集部のりょうです。関西を拠点に、北アルプスを中心にULスタイルで山を楽しんでいます。このブログ「YAMA-GO」では、実際に使ったギアのレビューや選び方、山のノウハウなんかを発信しています。
富士登山の持ち物って、調べれば調べるほど増えていきませんか。「必須」と書かれたリストを全部真に受けると荷物は膨らむし、かといって削りすぎて山頂の寒さに震えるのも怖い。正直けっこう迷いますよね。僕も山を始めたころは、何が本当に要るのか分からないまま、かなり適当に選んでいました。
そこでこの記事では、富士登山の持ち物を「必須・あると便利・不要」の3段階で並べ替えたうえで、それぞれを買うのか、借りるのか、手持ちで代用するのかまで一緒に整理していきます。2026年シーズンから五合目のゲートで装備が確認されるようになったので、「持っていないと登れない」ものも変わりました。出発前の最終チェックにそのまま使える形にしてあるので、順番に確認していってください。
- 必須・あると便利・不要の3段階で並べた富士登山の持ち物リスト
- 2026年のルールで持っていないと入山できない装備3点
- 買う・借りる・手持ちで代用するの分かれ目になる判断軸
- 日帰り・山小屋泊・女性で変わる持ち物の差と費用の目安
富士登山の持ち物リスト早見表
富士登山の持ち物は、「無いと入山も行動もできないもの」から順に押さえれば、あとは足し算で済みます。装備リストがどれも長く見えるのは、必須品と快適グッズが同じ並びに置かれているからなんですよね。まずは全体像を優先度と入手手段の2軸で見てしまいましょう。

優先度の最上位は好みではなく制度で決まっています。2026年シーズンは吉田ルート五合目で装備が確認され、揃っていないとゲートを通れません。
必須・便利・不要×買う借りる代用
基本は「必須・あると便利・不要」の3段階です。ただ、この3つに割り切ると、どうしても中間が潰れます。無くても登れるけれど失敗する確率がぐっと上がるもの、たとえば予備電池や日焼け止めがそこに入るからです。なので僕は、「必須」と「あると便利」のあいだに「強く推奨」を挟んだ、次の4段階で考えるのが実務的だなと思っています。
| 優先度 | 意味 | 代表的な持ち物 |
|---|---|---|
| 必須 | 無いと入山・行動ができない | 登山靴/上下セパレートの雨具/防寒具/ザック/ヘッドランプ/水/行動食/現金(100円玉)/ゴミ袋(ビニール袋) |
| 強く推奨 | 無くても登れるが失敗確率が大きく上がる | 予備電池/日焼け止め/サングラス/あご紐付きの帽子/吸汗速乾ウェア/靴下/トレッキングポール/常備薬/ザックカバー/地図・アプリ |
| あると便利 | 快適さ・衛生・トラブル対応 | グローブ/着替え/タオル・手ぬぐい/スパッツ/耳栓/酸素缶/ファーストエイド/マイナ保険証(資格確認書) |
| 不要・優先度低 | 重さに見合わない、または現地で買える | 寝袋(山小屋泊)/傘/非登山用ポンチョ/大型カメラ/凍らせた飲料/大量の水 |
そのうえで、同じ持ち物でも入手の仕方はぜんぜん違います。ここが荷物と財布の分かれ目です。ざっくり言うと、安全に直結するものは買うか借りる、それ以外は手持ちで代用するという切り分けになります。
| 持ち物 | 買う | 借りる | 手持ちで代用 |
|---|---|---|---|
| 登山靴 | 20,000〜30,000円が主力(5,000円〜の廉価帯もあり) | 1泊2日 4,000円前後 | 不可(スニーカーは滑る・足首を守れない) |
| レインウェア上下 | 初心者向け10,000円前後/本格的なもの20,000円前後 | 1泊2日 2,300〜5,000円 | 不可(ポンチョ・傘・撥水ウェアは浸水) |
| ザック(30L前後) | 15,000円前後(10,000〜50,000円) | 2,000円〜 | 不可(通勤・通学用は荷重が肩に集中) |
| 防寒具 | 3,000〜30,000円 | 2,500円〜 | 可(街着のフリース・ダウンでも成立) |
| ヘッドランプ | 3,000〜8,000円 | 1,500円〜 | 不可(スマホのライトは両手が塞がる) |
| 吸汗速乾ウェア・パンツ | 各2,000〜10,000円 | 1,500円〜 | 可(速乾ならスポーツ用で可。綿とジーンズは不可) |
| トレッキングポール | 3,000〜10,000円 | 1,000円〜 | 可(無くても登れるが下りの負担は増える) |
| 日焼け止め・サングラス・帽子 | 各1,000〜20,000円 | 一部可 | 不可に近い(紫外線対策に代わりが無い) |
表を眺めると分かりますが、代用が効かない列に並ぶのは登山靴・雨具・ザック・ヘッドランプで、これはそのまま「買うか借りるかの2択しかない装備」です。逆にウェア類や食料、小物は手持ちでかなり吸収できます。費用を削るなら、この後者から攻めるのが定石です。価格はあくまで一般的な目安で、モデルや時期によって上下します。
2026年ルールで入山できない3点
2026年シーズンで一番大きい変化はここです。防寒具・上下セパレート式の雨具・登山に適した靴の3点は、持っていないと五合目のゲートを通れません。「推奨」ではなく「無いと登れない」に格上げされた、と理解しておいてください。(出典:富士登山オフィシャルサイト『【吉田ルート】富士山登山規制について(2026)』)
| 確認される3点 | 求められる条件 | 代わりが効かない理由 |
|---|---|---|
| 防寒具 | フリース、軽量ダウンなど | 山頂は夏でも0℃前後まで下がる |
| 雨具 | 上下セパレート式(ポンチョ・傘は不可) | 強風で機能せず、防風・保温の層も兼ねられない |
| 登山に適した靴 | ミドル〜ハイカットでソールが硬めのもの | 溶岩帯と砂礫で滑る、足首を守れない |
これは吉田ルート(山梨県側)五合目での装備確認の話です。静岡県側の3ルート(富士宮・御殿場・須走)には同じ形の装備チェックの記載はありませんが、代わりに「静岡県FUJI NAVI」アプリでの事前登録が入山の条件になります。手順はこの5ステップです。
- アプリをインストールする
- 事前学習を修了し、富士山テストに全問合格する
- 入山料4,000円を納付する
- 入山証(QRコード)を受け取る
- 当日、現地でQRコードを提示する
事前登録は2026年5月8日から始まっています。スマートフォンを持っていない場合などは五合目の現地で手続きすることもできますが、事前学習・書類の作成・入山料の納付で30分程度かかり、繁忙期は順番待ちも出ます。日程が決まった時点でアプリから済ませておくほうが、当日の時間をロスせずに済みます。
共通ルールも先に確認を
入山料は全ルート一律で1人1回4,000円、入山規制時間は午後2時〜翌午前3時でゲートが閉まります(山小屋宿泊者を除く)。吉田ルートは1日の登山者が4,000人に達しても閉鎖されます。金額や時間、運用は変わる可能性があるので、最新の内容は必ず富士登山オフィシャルサイトなどの公式情報でご確認ください。
怖いのは、五合目まで来てから気づくパターンです。100円ショップのカッパやスニーカーで来てしまうと、交通費と時間をかけたのに引き返すことになりかねません。持ち物リストの中で、この3点だけは出発の1週間前には手元にある状態にしておきたいところです。
最小限でも妥協できない装備の選び方
ねえ、荷物って軽いほうがいいんだよね? だったら雨具って薄いやつでよくない?
そこが難しいところなんですよ。富士山は樹木が無くて風をさえぎるものがないので、雨具がそのまま防風着になるんです。ここを薄くすると、軽さより先に安全が削れちゃうんですよね。
へえ、そうなんだ! じゃあ、どこなら削っていいの?
削っていい場所と、削っちゃいけない場所が結構はっきり分かれるんです。一緒に見ていきましょう。
軽量化を突き詰めていくと必ずぶつかるのが、「安全に効く装備は軽さより先に性能で選ぶ」という線引きです。僕はUL志向なので荷物は減らしたい派ですが、ただ軽くするのではなく、必要な安全性を残したうえで不要なものを見直す、という順番を守るようにしています。富士登山でその線の内側に入るのが、靴・雨具・ザック・ヘッドランプの4つです。

靴は硬めソール雨具はセパレート
登山靴は、防水(ゴアテックスなどの素材)で、ミドル〜ハイカット、ソールの剛性が高いものが推奨されています。富士山は溶岩の岩場と、下山道の火山砂礫(ザレ場)の両方を長時間歩くルートです。足首の保護とソールの硬さが、後半の疲労をかなり左右します。合計で10時間ほど歩く前提だと考えると、ここは効きどころだなと感じます。
靴で一番多い失敗は、新品を当日おろして靴擦れというものです。これは本当にもったいない。買うにしてもレンタルにしても、事前に履いて足に馴染ませる時間を作ってください。レンタルの場合もサイズ合わせに時間がかかるので、試着できる店舗受取のほうが有利とされています。
雨具は上下セパレート式の防水透湿素材が基本です。理由は雨のためだけじゃありません。富士山には風をさえぎる樹木が無いので、レインウェアが防風・防寒装備の主力になります。標高が100m上がるごとに気温は約0.6℃下がり、山頂と平地では約22℃の差。さらに風速が1m/s増えるごとに体感温度が約1℃下がると言われます。この条件で傘やポンチョは、機能しないというより危ないんですよね。
傘、ポンチョ、100円ショップのカッパ、ゴルフ用の撥水ウェア、ウインドブレーカーはいずれも浸水した実例が報告されています。2026年は装備チェックの対象でもあるので、雨具の妥協はそのまま入山できないリスクになります。
とはいえ、いきなり2万円の雨具を買うのが唯一の正解というわけでもありません。初心者向けなら10,000円程度から選択肢がありますし、レンタルなら1泊2日2,300〜5,000円ほど。大事なのは価格帯ではなく、上下セパレートで防水透湿の登山用であることです。
関連記事:富士登山はスニーカーで登れる?靴の条件と買わない選択肢
雨具はなぜセパレート一択なのか、ポンチョや100均カッパが使えない理由と選ぶ目安は、こちらで詳しく解説しています。
関連記事:富士登山のレインウェアの選び方(ポンチョがNGな理由)
ザックは30Lヘッドランプは予備電池
ザックの容量は、30L前後が日帰りにも山小屋泊にも使える分岐点とされています。日帰りなら20〜30L、山小屋泊なら30〜40Lが目安で、その両方に重なるのが30L前後というわけです。1つで両方カバーしたいなら、ここを選んでおくと迷いが減ります。
選ぶときはウエストベルト付きを条件にしてください。肩だけで背負うのと、腰で荷重を受けるのとでは、長時間行動での消耗がまるで違います。通勤・通学用のリュックが代用にならないと言われるのは、この荷重分散の構造が違うからです。ザック本体の重さは登山メーカーの30Lで1kg以上、しっかりした作りだと1.5kg程度。ここも総重量に効いてきます。
あと、容量ギリギリまで詰め込むのはおすすめしません。内圧で行動食が潰れますし、下の荷物を取り出すのに上を全部出す羽目になります。多少の余裕は、快適さのためというより行動の効率のために要ります。
ヘッドランプは、ご来光を狙うなら文句なしに必須です。そして日帰りでも必ず持ってください。下山が予定より遅れることは普通にあります。スマートフォンのライトでの代用は非推奨で、理由は明快です。両手が塞がる、照射範囲が狭い、そして緊急連絡用のバッテリーを削ってしまう。この3つはどれも安全側の話です。
予備電池は必須級
高山の低温下では電池の消耗が早まります。最低1セットは予備を持ってください。予備電池は500〜2,000円ほどで、現地で調達しづらいわりに、切れたときの困り方が大きい持ち物です。明るさを競うより、足元を広く照らせる配光や明るさ調整ができるかを見るほうが、実際の歩きやすさにつながります。
リストの中でもヘッドランプは「自分は日中しか歩かないから省けるのでは」と迷いやすい一点です。使わずに済む計画はありますが、持たない計画は別の話でした。
関連記事:富士山にヘッドライトはいらない?不要な条件と必要になる場面
水は担がず現金は多めに持つ
ここは富士山ならではの割り切りどころです。結論から言うと、水は担がずに現金で買い、その現金は多めに、しかも100円玉で持つのが合理的です。富士山には山小屋がたくさんあり、飲み物も行動食も買えます。水よりお金のほうがずっと軽い、というのがこの章の全部と言ってもいいくらいです。

1日に必要な水分の目安は1.5〜2L。ただし全部を背負う必要はありません。富士登山オフィシャルサイトも飲水1〜2Lを必須装備に挙げたうえで、「荷物を重くする飲水は、無理に大量に持たず、山小屋で買い足すことで軽量化ができます」としています。水は最も重い荷物で、2Lで約2kgありますからね。担ぐのは1L前後(500mlのペットボトル2本)を基準にして、足りなくなったら山小屋で買い足す。これが現実的なところだと思います。ただし営業時間外や、8合目以上の開設期間から外れる時間帯には買えません。行動計画によっては、最初から多めに持つ判断も要ります。高山病の予防には水分をこまめに摂ることが推奨されているので、飲む量を減らすのではなく、担ぐ量を減らすという発想です。(出典:富士登山オフィシャルサイト『富士登山の前に必ず知っておくこと』)
| 場所 | 500mlペットボトルの価格 |
|---|---|
| 平地 | 150円 |
| 5合目 | 200円 |
| 6合目 | 300円 |
| 7合目 | 400円 |
| 8合目 | 500円 |
| 山頂 | 500円前後 |
標高が上がるほど高くなりますが、それでも2kgを10時間背負い続ける体力の消耗と天秤にかければ、買うほうが安いという判断になります。注意点は、8合目以上は山小屋の開設期間が短いこと。日帰りや早朝・深夜の行動だと営業時間外にあたることもあるので、行動計画に合わせて事前に確認しておいてください。ちなみに、凍らせた飲料を持っていく人がいますが、気温が低くて溶けず、冷たすぎて飲めないという失敗例が定番です。
山ではクレジットカードが使えない場面が多く、現金が前提です。日帰りで1.5万円、1泊2日で3万円程度を目安に挙げる整理があります(総滞在費の1.5倍という考え方)。金額は目安なので、行程や買い物の予定に合わせて調整してください。
行動食は何をどれだけ持つか
行動食はジップロックの大サイズに収まる量が一つの目安です。足りなければ山小屋で買い足せるので、担ぎすぎる必要はありません。1回の富士登山で消費するカロリーは約3,000〜4,000kcal(行動時間で変わります)と言われますが、これを全部背負って登るという意味ではありません。
選ぶ基準は、炭水化物(糖質)が十分に摂れること、保存が利くこと、水なしで食べやすいこと、消化の負担が少ないこと。この4つです。標高が上がると食欲が落ちることもあるので、口に入れやすさは思っている以上に効きます。
| 行動食 | 特徴 |
|---|---|
| ようかん | 水なしで食べやすく糖分が十分 |
| かりんとう | 高カロリーのわりに軽い |
| チョコレート | 定番。夏は溶けやすい |
| 飴 | 手軽で、口の乾き対策にもなる |
| ナッツ | 高カロリー。脂質で持続する |
| エネルギーゼリー | 食欲が落ちたときでも摂れる |
| ドライフルーツ | 糖質補給ができて軽い |
| おにぎり・パン | 山小屋でも購入できる |
摂り方のコツは「1時間で何kcal」と目安を決めて、空腹になる前に早め早めに口に入れることです。お腹が空いてから食べるのでは、もう遅い場面があります。経験者アンケートでも飲食物で挙がった1位は「水分」で回答の2割超、次いでチョコレート、飴、スポーツドリンクと続いていました。凝ったものより、すぐ口に入る糖質が支持されている、という結果かなと思います。
ようかんやナッツを実際にどこで買うかは、前日のコンビニでほぼ片づきます。1日分のカゴの中身を金額つきで並べた記事はこちらです。
関連記事:コンビニでそろえる行動食の選び方と1日分の中身
関連記事:行動食のおすすめ4品
トイレの100円玉は何枚必要か
先に答えを言うと、1,000円分(100円玉10枚)を持っていけば、日帰りでも山小屋泊でもだいたい足ります。心配なら1,500円分(15枚)。ここは重さがほぼ関係ない持ち物なので、多めに倒していい場所です。
富士山のトイレはチップ制で、1回200円(山頂は300円)が目安です。情報源によって100〜300円程度の幅があります。問題は金額そのものより、両替機が無く、お釣りも出ないことです。1,000円札しか持っていないと、目の前にトイレがあるのに使えないという事態になります。日帰りでも2〜3回は使うことになるので、100円玉は出発前に財布に入れておいてください。
| 考え方 | 用意する100円玉 |
|---|---|
| 最小限 | 6枚程度(600円) |
| 一般的な推奨 | 10枚以上(1,000円分以上) |
| 余裕を見る | 15枚程度(1,500円分) |
| 多めに見る | 20〜30枚程度 |
実務的なコツとして、山小屋で買い物をするときにお釣りをなるべく100円玉でもらう、という手があります。現地で100円玉を補充していけるので、心配なら覚えておくと便利です。
あわせて携帯トイレも触れておきます。ルートによって重要度がはっきり変わる持ち物で、御殿場ルートは5合目から7合目まで山小屋もトイレも無いのが大きな難点です。須走・御殿場ルートはトイレの数自体が少ないので、携帯トイレの優先度が上がります。山梨県側では五合目総合管理センターで希望者に無料配布されています(使用後は自分で持ち帰ります)。ゴミと同じで、使ったものは全部持ち帰るのが前提です。だからビニール袋も、地味ですが必須級の持ち物になります。
携帯トイレと同じで、ルートを変えると優先度がひっくり返る持ち物があります。登るルートが決まったら、この3つは並べ替えてください。
| 持ち物 | 吉田・富士宮ルート | 須走・御殿場ルート |
|---|---|---|
| スパッツ(ゲイター) | あると便利 | ほぼ必須(砂走りで砂・小石が靴に入る) |
| トイレットペーパー | 不要(トイレに備え付けあり) | 推奨(山小屋の間隔が空く) |
| マスク | 下山道の砂埃対策 | 砂埃がより激しい |
スパッツは1,000円ほどから買えて(メーカー製は4,000円〜)、レンタルなら500円〜。須走・御殿場を選ぶなら、これは「あると便利」ではなく用意する側に回してください。砂が靴に入り続けると、それだけで下山が苦行になります。マスクは花粉対策用で十分です。晴天が続くと下山道の砂塵はかなりのもので、吉田ルートでも1枚あると違いますよ。
関連記事:登山の水は何リットル必要?計算式と1.5Lで足りた実測
僕が富士山で感じた持ち物の過不足
ここまでリストの話をしてきましたが、実際に登ってみると「増やしてよかったもの」より「減らしてよかったもの」のほうが体に効いたというのが、僕の実感です。富士山は3〜4kgのザックを背負って合計10時間ほど歩く山だとされています。この「10時間」という数字が、持ち物の議論を全部支配していると言ってもいいくらいなんですよね。
僕は普段からUL志向で、ザックの中身は削れるだけ削る方針です。ただ、富士山に関しては「軽ければ正義」で押し切れない事情がありました。樹木が無いので風をよけられず、山頂の8月の平均気温は6.4℃、最低気温は0℃近くまで下がることがある。北アルプスなら樹林帯に逃げ込んで風をやり過ごせますが、富士山にはその逃げ場がありません。それが分かった時点で、僕は雨具を「雨のときに出すもの」ではなく最初から防風着として着る前提の装備に置き直して、重ね着の組み方を考え直しました。逃げ場が無い環境では、防寒と雨具を削った分がそのまま安全のマージンから引かれます。だから僕の中では、富士山は安全装備は残して、水と食料と小物で軽くする山、という整理になっています。
もうひとつ、登る前の想像とずれたのが下りです。登りでどれだけペースを抑えて脚を温存しても、砂礫の下山道が長くて、結局そこで削られる。富士山の持ち物を考えるときに「下山までを込みで軽くする」という発想になったのは、この感覚が理由です。
実際、荷物の目安は情報源によって幅があって、ザック全体で3〜4kgとするものもあれば、基本装備を入れて5〜6kg程度とするものもあります。その一方で、準備してみたら13kgになったという他の登山者の報告もあります。意識しないと本当に膨らむんですよ。カメラを入れて、着替えを足して、水を2L入れて……と積み上げていくと、あっという間です。僕が最後に抜いたのも、結局は水と「念のため」で入れた小物でした。パッキングが終わったら一度背負ってみて、重いと感じたら水と「あると便利」の列から抜いていく。この順番だけは崩さないほうが安全です。理由は、軽くしたい欲が安全装備に向かってしまうと、取り返しがつかないからです。
削ってはいけないのは、装備チェックの3点(靴・雨具・防寒具)とヘッドランプ・予備電池。これらは現地調達も代用も効きません。それ以外は、山小屋という「売店つきのエスケープ」がある山なので、思っているより軽くできます。
あってよかったのは酸素缶とポール
面白いのが、経験者に「持って行って良かったもの・あると便利だったもの」を聞いたアンケートの結果です。一般的な必携リストでは「あると便利」に置かれがちなアイテムが、実際に登った人の実感では上位に来ています。
| 区分 | 1位 | 2位以降 |
|---|---|---|
| 備品編(回答76人) | 酸素缶 11人(14.5%) | カイロ 7人(9.2%)/ウェットティッシュ・サングラス 各5人(6.6%)/歯磨きシート 4人(5.3%) |
| 飲食物編(回答34人) | 水分 7人(20.6%) | チョコレート 4人(11.8%)/飴・スポーツドリンク 各3人(8.8%) |
| レンタル可能品編(回答52人) | トレッキングポール・防寒着 各12人(23.1%) | ハイドレーション・高性能レインウェア 各7人(13.5%) |
備品の1位が酸素缶というのは、高山病の話と地続きです。富士登山者のうち急性高山病の症状を経験する割合は3〜4割とされ(約49%とする情報源もあり幅があります)、標高3,000m以上では発症率が約40%という数字もあります。酸素缶は一時的に楽に感じることがある程度の位置づけで、これで高山病が治るものではありません。米国CDCも、携帯用の小さな酸素缶は一時的な緩和にはなっても、入っている酸素の量が少なく(多くて5L程度)持続的な改善には足りないとしています。本筋の対策はゆっくり登る、こまめに水分を摂る、五合目で高度に慣らす時間を取ることです。山小屋でも買えますが割高になるので、持つなら麓で。1,500〜3,000円ほどです。(出典:米国CDC『Yellow Book: High-Altitude Travel & Altitude Illness』)
そしてレンタル部門でトレッキングポールが防寒着と同率トップというのは、僕にはとても納得感がありました。富士山は下山道が長く、膝へのダメージが蓄積します。北アルプスでも長い下りのある山では、ポールがあるかないかで翌日の脚の残り方が違うなと感じる場面が多かったです。I字型2本が基本で、金剛杖1本では補助の効果が劣るとされています。使うときは先端キャップの装着がルールです。
備品編2位のカイロ(9.2%)が効いてくるのも、理由があります。ご来光を狙うと、深夜1〜2時に気温0〜5℃・強風という条件で行動と待機をすることになるからです。貼るタイプで揉まずに使えるものを複数枚、というのが定番。ただしカイロは万能ではありません。強風下だったり防寒着そのものが貧弱だと効果は薄く、あくまで防寒装備があってこその+αです。
同じ時間帯で効くのが、防水防寒グローブとネックウォーマーです。グローブは薄手のインナーだけでは足りない場面があると指摘されていて、岩場での手の保護も兼ねます。ネックウォーマーはタオルや手ぬぐいで部分的に代用できますが、首元が開いていると防寒着の性能が抜けていきます。そしてここでもレインウェアが働きます。ご来光待ちは風で体温を奪われる時間なので、雨が降っていなくても防風着として重ねるのが基本です。日の出後は紫外線が一気に来るので、サングラスも出番があります。
逆に不要とされたもの
寝袋(山小屋には布団があります)、傘(強風で使えません)、非登山用の雨具、大型カメラ、凍らせた飲料、大量の水。このあたりは繰り返し「持って行かなくてよかった」に挙がります。カメラはスマートフォンで代替する判断が一般的です。
もう一つ、地味ですが忘れると痛いのが保険証です。従来の健康保険証は2025年12月1日で終了しているので、いま持っていくのはマイナ保険証(健康保険証利用登録をしたマイナンバーカード)か、資格確認書になります。「資格情報のお知らせ」だけでは受診できず、マイナンバーカードとセットでの提示が必要です。保険の資格を示せないと、窓口でいったん全額を立て替えることになりがちです。財布に入れっぱなしの人が多いと思いますが、山用の小さい財布に入れ替えるときに抜け落ちがちなので、出発前に確認してみてください。
関連記事:富士登山の高山病対策
関連記事:登山のファーストエイドキットの中身|日帰りで最低限持つ物
日帰り・山小屋泊・女性で変わる持ち物
同じ富士山でも、日帰りと山小屋泊では持ち物が変わります。ざっくり言えば日帰りは防寒と電池を厚くする、山小屋泊は着替えと耳栓を足すという差です。そしてもう一つ、2026年は制度そのものが選択に絡んできます。

| スタイル | 内容 | ザック容量の目安 |
|---|---|---|
| 日帰り | 朝から登り、日中に山頂、明るいうちに下山。体力があってご来光にこだわらない人向け | 20〜30L |
| 山小屋泊 | 1日目に山小屋へ、仮眠と食事を取って2日目に山頂。高度に慣らす時間が取れる | 30〜40L |
| 弾丸登山 | 夜中に出発し休憩や仮眠を取らずに山頂を目指す。2026年のゲート規制で、山小屋を予約しない夜間出発は実質できない | — |
現役ガイドの見解として「体力があってご来光にこだわらないなら日帰りでも可能。初めての人や不安がある人は山小屋泊の方が安心」という整理がされています。加えて制度上の差が大きくて、五合目ゲートは14時〜翌3時に閉鎖され、吉田ルートでは1日の登山者が4,000人に達しても閉まりますが、山小屋の宿泊予約者はこの時間規制・人数制限の対象外です。つまり山小屋泊は、持ち物だけでなく入山できる時間帯そのものを変えます。宿泊料金は1泊2食付きで11,000〜18,000円前後、素泊まりで8,000〜12,500円が目安。予約は4月中旬〜6月初旬に始まり、人気の枠は早く埋まります。
山小屋に泊まる場合は、日帰りの持ち物に次の6つを足し引きしてください。どれも「山小屋の水と睡眠環境は限られている」という一点から出てきます。
- 着替え(下着・Tシャツ・靴下):実質必須。汗で濡れた衣類のまま寝ると体を冷やす
- 耳栓:大部屋のいびき対策。仮眠の質がそのまま翌日の行動に響く。紐で2つがつながったタイプは片方の紛失を防げる
- アイマスク:部屋の照明対策。タオルで代用可
- ウェットティッシュ・歯磨きシート:水が使えない前提の衛生対策。歯磨き粉は環境負荷への配慮から使わないほうがよいとされる
- インナーシーツ:小屋の方針によるので事前確認を。持参を呼びかける小屋もある
- 寝袋:不要。山小屋には布団があり、テント泊より暖かい
日帰りは防寒と電池を厚くする
日帰りで厚くすべきは、防寒具・ヘッドランプと予備電池・行動食の3つです。理由は単純で、山小屋という避難場所と補給拠点を使わずに、行動しっぱなしになるからです。
防寒は、暖を取れる場所が無い前提で考えます。泊まりなら山小屋で体を温め直せますが、日帰りはそれができません。行動食も同じで、食事のために小屋に入る時間を取らないなら、その分を歩きながらの補給でまかなうことになります。水も、山小屋の営業時間外にあたる時間帯があることを頭に入れておいてください。8合目以上は開設期間が短いので、なおさらです。
そして電池。日帰りでも下山が遅れることは十分あり得るので、ヘッドランプと予備電池は「使わずに済んだらラッキー」の装備として必ず入れます。低温下では消耗が早まるので、最低1セットです。連続行動時間が長い分、軽量化の効きも大きいスタイルなので、水と小物を削って、その分を防寒と電池に回す。これが日帰りの配分の考え方です。
夏でも富士山の山頂は5℃前後まで冷え込むため、防寒はベース・ミドル・アウターのレイヤリングで考えるのが基本です。何をどう重ねるかは服装ガイドで具体的に解説しています。
関連記事:富士登山の服装(3層レイヤリング)の選び方
ここでの日帰りは、夜通し歩く弾丸登山とは別物です。装備を厚くしても弾丸が危険な理由と、いまの規制でどう扱われているかはこちらにまとめています。
関連記事:富士山の弾丸登山はなぜ危険?山小屋泊で2回登った実体験で解説
関連記事:登山用モバイルバッテリーの容量目安|日帰り〜テント泊で何mAh必要か
女性が追加で用意したい3点
女性が追加で用意したいのは、耐水性の高い日焼け止め・携帯用サニタリーケース・汗拭きシートの3点です。どれも「快適さのため」に見えて、実はそれぞれ理由がはっきりしています。
- 日焼け止め:山頂付近の紫外線は東京の約2倍とされ、標高3,000m級ではUV-Bが平地より30〜36%増加します。木陰が無く汗で流れるので塗り直しが前提。SPF30以上・PA++以上で耐水性の高いものが推奨されます(SPF50+を推す情報源もあります)
- 携帯用サニタリーケース:使用済みの生理用品は山に捨てる場所が無く、トイレにも捨てられません。持ち帰りが前提になるため、密閉できるケースが要ります
- 汗拭きシート・ウェットティッシュ:山小屋では水が限られます。衛生面の備えとして実用性が高く、経験者アンケートでもウェットティッシュは備品編の上位に入っていました
「化粧品は忘れても日焼け止めだけは忘れないでください」と語られるくらい、ここは優先度が高いところです。生理痛がひどい場合は普段使っている鎮痛剤を持参し、一緒に登るメンバーに事前に伝えておくことが大切だとされています。体調の相談は無理をしない判断につながるので、言いにくくても共有しておいたほうが安心かなと思います。
レンタルを使う場合の注意もあります。肌着類(Tシャツ・下着・靴下)はレンタル対象外のことが多く、自前で用意が必要です。レンタル各社は男性用・女性用でセットを分けているので、申し込み時に確認してください。下山後に温泉へ寄るなら、着替えとサンダル、温泉セットも荷物に加わります。ただしこれは車に置いておけるものなので、山に担ぐ必要はありません。
全部買うと10万円レンタルなら2万円
費用の結論はシンプルです。一式を新しく買うと少なくとも10万円程度、レンタルなら1〜2万円程度。この差は大きいので、初めての富士登山ならレンタルを軸に組み立てるのが現実的だと思います。ただし、安全に直結する靴・雨具・防寒着は「安いから」ではなく「条件を満たすか」で選ぶ、という前提は崩さないでください。

| 装備 | 購入の目安 | レンタルの目安(1泊2日) |
|---|---|---|
| 登山靴 | 20,000〜30,000円 | 4,000〜4,818円 |
| ザック | 15,000円前後 | 2,000円〜 |
| レインウェア | 20,000円前後 | 2,295〜5,000円 |
| 防寒着 | 20,000〜30,000円 | 2,500円〜 |
| ウェア類(シャツ・パンツ・靴下等) | 20,000〜30,000円 | 各500〜1,500円〜 |
| 小物(ヘッドランプ・ポール・サングラス等) | 20,000〜30,000円 | 各300〜1,500円〜 |
| 合計の目安 | 10万円程度〜(高価なブランドで揃えると25万円程度の例も) | フルセットで10,000〜20,000円 |
レンタルはセットで借りるのが基本になります。登山靴を含む「まるごと6点セット」で12,150〜13,500円ほど、防寒着を含む7点セットで14,400〜16,000円ほどが目安です(受取店舗を使う割引で1割程度安くなる場合があります)。7点セットの典型的な中身は、雨具上下・フリース・ザック・トレッキングシューズ・ヘッドランプ・ストック・ショートスパッツ。装備チェックの3点(防寒具・上下セパレート雨具・登山靴)は、主要なレンタル会社ならセットで一通り揃います。ただし同じ会社でも、登山靴を含まないセットや防寒着が付かないセット(6点セットなど)があるので、申し込む前にこの3点が含まれているかは必ず確認してください。
レンタルの申し込みは早めに
配送レンタルの申し込み期限は登山予定日の4日前が下限で、1週間前以上が推奨されています。入金確認後、登山日の3日前に届くのが一般的です。送料は1往復1,000円程度で、レンタル料金が10,000円以上なら往復送料無料になる会社もあります。キャンセル規定は会社ごとに違う(前日まで無料の会社もあれば、3日前を過ぎると50%かかる会社もあります)ので、申し込み前に必ずご確認ください。
では全部レンタルが正解かというと、そこは登る頻度で変わります。1回しか登らないなら、初期費用を抑えるという意味では全レンタルが基本線になります(手持ちの防寒着やスポーツウェアがあるなら、足りない分だけ借りるほうが安く済むこともあります。送料や補償料も込みで比べてみてください)。今後も夏山に行くつもりなら、まず靴とレインウェアを買って、残りをレンタルする折衷が成立します。この2つは自分の足と体に合っている価値が特に大きく、複数回使えば元も取れていくからです。購入の優先順位として挙げられる上位は、①雨具 ②ザック ③登山靴 ④ヘッドランプ ⑤防寒着 の順。どれも天候変化・視界・足元の安定という安全要素に対応しています。
費用を削る主戦場は、ウェア類・食料・小物です。ここは手持ちや安価な品で代用できる余地が大きい。逆に、削っても数千円しか浮かないのに事故や入山不可に直結する装備を削るのは、割に合わないんですよね。下着など直接肌に触れるものと、日焼け止め・行動食は、レンタルを使っても結局自前になります(シャツ・パンツ・靴下は貸し出している会社もありますが、下着は基本的に対象外です)。この分は最初から予算に入れておいてください。
紹介した価格・ルール・営業状況はいずれも一般的な目安で、時期や会社、シーズンによって変わります。入山料や規制、開山期間などの最新情報は富士登山オフィシャルサイトや各県・各社の公式サイトで必ずご確認ください。体調や持病に不安がある場合は、事前に医師などの専門家にご相談のうえ、無理をしない計画を立ててください。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
富士登山の持ち物リストでよくある質問
富士登山の持ち物を最小限にすると、荷物は何kgくらいになりますか?
情報源によって幅があり、ザック全体で3〜4kgを目安とするものもあれば、基本装備を入れて5〜6kg程度とするものもあります(食料と水の量で前後します)。下着・シャツ・靴下は各1セット、水は1L前後(500mlのペットボトル2本)を持って足りない分は山小屋で買い足す、行動食はジップロック大サイズに収まる量にする。この3つで、だいぶ絞れます。ただし装備チェックの3点(靴・雨具・防寒具)とヘッドランプ・予備電池だけは、最小限にする対象に入れないでください。現地調達も代用も効きません。
手持ちのリュックやスニーカーで富士山に登れますか?
おすすめできません。通勤・通学用のリュックは荷重分散の構造が違い、ウエストベルトが無いと肩に負担が集中します。スニーカーは溶岩帯や砂礫で滑りやすく足首も守れないうえ、2026年は吉田ルート五合目の装備確認で「登山に適した靴」として認められない可能性があります。一方で防寒着は街着のフリースやダウンでも成立しますし、パンツや速乾シャツはスポーツ用で代用できます(綿とジーンズは避けてください)。
富士登山の装備レンタルは、いつまでに申し込めばいいですか?
配送レンタルは登山予定日の4日前が申し込みの下限で、1週間前以上が推奨されています。入金確認後、登山日の3日前に郵送で届くのが一般的です。直前になってしまった場合は、新宿・河口湖・五合目などの店舗受取を選ぶと対応しやすく、「手ぶら割」で1割ほど安くなる場合もあります。登山靴はサイズ合わせに時間がかかるので、試着できる店舗受取のほうが有利ですよ。
携帯トイレは本当に必要ですか?
ルート次第で必要度がかなり変わります。御殿場ルートは5合目から7合目まで山小屋もトイレも無く、須走ルートもトイレが少ないので、この2ルートでは重要度が上がります。吉田・富士宮ルートでも、混雑時やもしものときの保険として持っておくと安心です。山梨県側では五合目総合管理センターで希望者に無料配布されています。使用後は必ず持ち帰って処理してください。
酸素缶は買っておいたほうがいいですか?
経験者アンケートで「持って行って良かったもの」の備品部門1位(14.5%)に挙がってはいます。ただ、これは登った人の実感であって、医学的な効果の裏づけではありません。米国CDCは、携帯用の小さな酸素缶について、一時的に楽に感じることはあっても酸素の量が少なく持続的な改善には足りないとしています。高山病を治すものではないので、症状が出たときに酸素缶を頼りに登り続けるのはやめてください。本来の対策は、前日にしっかり寝る、五合目で1時間ほど高度に慣らす、会話ができるペースで登る、水分をこまめに摂ることです。症状が出たら下るのが基本で、標高を下げれば改善します。山小屋でも買えますが割高になるので、持つなら麓で用意してください(1,500〜3,000円ほど)。
装備費のめどが立ったら、入山料・山小屋代・交通費まで含めた総予算も先に見積もっておくと安心です。
関連記事:富士登山の費用総額はいくら?内訳と予算別プランを徹底解説
富士登山の持ち物は必須3点とレンタル活用で決める
結局、迷ったらどうすればいいの?
靴と雨具と防寒具だけは先に確保して、あとは借りるか手持ちで回す。この順番で考えると、だいぶ迷いが減ると思いますよ。
富士登山の持ち物は、優先度と入手手段の2軸で考えると一気にすっきりします。全部買えば10万円級ですが、初回はレンタルを軸にすれば1〜2万円程度に収まる。そのうえで安全に直結する装備だけは妥協しない、というのが僕の立場です。最後に要点をまとめておくので、出発前のチェックに使ってください。

- 2026年は防寒具・上下セパレート雨具・登山に適した靴の3点が無いと入山できない(吉田ルート五合目で確認・静岡県側はアプリ事前登録が必要)
- 代用が効かないのは靴・雨具・ザック・ヘッドランプ+予備電池。ここは買うか借りるかの2択
- ザックは30L前後が日帰りにも山小屋泊にも使える分岐点。ウエストベルト付きを選ぶ
- 水は担がず山小屋で買う(手持ちは多くても1L程度)。そのぶん現金は多めに、100円玉は1,000円分が目安
- 経験者が挙げた「あってよかった」は酸素缶(備品1位)とトレッキングポール・防寒着(レンタル品1位)
- 日帰りは防寒・ヘッドランプ・予備電池・行動食を厚く、山小屋泊は着替えと耳栓を足す
- 女性は耐水性の高い日焼け止め・携帯用サニタリーケース・汗拭きシートを追加。肌着類はレンタル対象外
- 全部買うと10万円程度、レンタルなら1〜2万円程度。今後も登るなら靴と雨具から買う折衷が現実的
最後に、出発前日の点検用のチェックリストも置いておきます。上の要点が「読み終えたあとの総括」なら、こちらはザックを閉じる前に1つずつ潰していく用です。ここが埋まっていれば、少なくとも装備不足で引き返すリスクはかなり減らせます(入山枠や時間規制、天候による通行止めは別の話なので、そちらは当日までに確認してください)。
- 装備チェックの3点(防寒具・上下セパレート雨具・登山に適した靴)が手元にある
- 登山靴は事前に履き慣らした(新品を当日おろさない)
- ヘッドランプ+予備電池1セットを入れた
- ザックは30L前後・ウエストベルト付き。背負って重すぎないか確認した
- 入山料4,000円の事前登録は済ませた(静岡県側はFUJI NAVIのQRコードを表示できる)
- 100円玉10枚(1,000円分)を用意した。現金は日帰り1.5万円/1泊2日3万円が目安
- 水は1L前後(500mlのペットボトル2本)、行動食はジップロック大サイズ1つに収めた
- マイナ保険証(または資格確認書)、ビニール袋2〜3枚、日焼け止めを入れた
荷物が重いと、登りは我慢できても下りで効いてきます。パッキングが終わったら一度背負ってみて、迷ったら「あると便利」の列から抜いてみてください。ここに挙げた金額やルールはあくまで目安なので、最新の情報は必ず公式サイトでご確認のうえ、無理のない計画で楽しんできてくださいね。
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