こんにちは、YAMA-GO編集部のりょうです。関西を拠点に、北アルプスを中心にULスタイルで山を楽しんでいます。このブログ「YAMA-GO」では、実際に使ったギアのレビューや選び方、山のノウハウなんかを発信しています。
モンベルのレインウェアを比べようとすると、同じ名前なのに素材や重さが記事ごとに違っていて、正直けっこう迷いますよね。それもそのはずで、2025〜2026年にかけてモデルの素材が大きく入れ替わりました。ネットの比較記事には、旧モデルの数字が今もそのまま残っています。
この記事では、2026年10月時点の公式スペックで現行8モデルを1つの表に並べました。僕は全モデルを着比べたわけではありません。数字は公式情報、判断は北アルプスを歩いてきた実感をもとに整理しています。
旧モデル名との対応表や、用途別の選び分けもまとめました。自分に合う1着を絞り込む材料にしてもらえたらうれしいです。
- 用途別に見たモンベルのレインウェアの選び分け
- 現行8モデルの重さ・透湿性・価格の比較表
- 2025〜26年の再編で変わった旧モデルと新モデルの対応
- 冬の使用やワークマン・他ブランドと比べるときの注意点
モンベルのレインウェア比較の結論|最強は用途で変わる
結論から言うと、迷ったらストームクルーザー、軽さ重視ならトレントフライヤー、岩稜や厚着前提ならレイントレッカーという選び分けがおすすめです。「最強」を決める公式の指標はありません。重さ・蒸れにくさ・生地の強さで、1位のモデルがそれぞれ違うからです。

モンベルのレインウェアって、どれがいちばん強いの?山の上は雨も風もすごいから気になるんだよね。
僕もそれ、最初に知りたかったんですよ。でも並べてみると、比べる軸ごとに1位が入れ替わるみたいです。用途から順番に絞ってみましょう。
| 用途 | 候補モデル | 選ぶ理由 |
|---|---|---|
| 迷ったとき・縦走全般 | ストームクルーザー | 公式のフラッグシップ。価格と性能のバランスが取れている |
| 軽さ・運動量重視 | トレントフライヤー/バーサライト | 公式の軽量重視区分。透湿性の公表値も最上位 |
| 岩稜・厚手の中間着 | レイントレッカー | 表地50デニールのゴアテックス。ややゆとりのある形 |
| 日帰り・予算重視 | サンダーパス/レインハイカー | 公式のエントリー区分。上下で2万円前後 |
数字で見ると、価格が最も高いテンペストより、ストームクルーザーのほうが透湿性の公表値は高いです。高いモデルほどすべての性能が上、という関係にはなっていません。だからこそ、まず自分の山行で何を優先するかを決めるのが近道かなと思います。
迷ったらフラッグシップのストームクルーザー
ストームクルーザーは1982年に誕生した、モンベルのフラッグシップです。2025年春夏の第10世代で、素材がスーパー ドライテック3レイヤーに変わりました。22,000円で透湿性40,000、重さ254gという組み合わせは、現行モデルの中でもかなりバランスが取れています。
表地は30デニールのバリスティック ナイロンです。公式によると、同じ重さなら従来のナイロンの約2倍の引き裂き強度があります。ザックの負荷がかかる肩回りに縫い目がない設計なので、長時間背負う縦走でも安心感がありますね。
注意点は、公式ページにピットジップ(脇のベンチレーション)の記載がないことです。運動量が多い登りでは、前のジッパーを開けて換気する前提で考えておくといいかも。
モンベル ストームクルーザー ジャケット Men's
迷ったときの基準になるフラッグシップ。縦走から日帰りまで幅広く使える1着
価格目安:22,000円(Men's・税込・2026年10月時点の公式価格)
軽量なトレントフライヤーと最後まで迷う場合は、山行タイプ別に結論を出した比較記事を参考にしてください。
関連記事:トレントフライヤーとストームクルーザーどっち?山行別の結論
軽さ重視はトレントフライヤー、極薄は岩稜を避ける
軽さと動きやすさを重視するなら、トレントフライヤーが候補です。2026年春夏に刷新され、全面ストレッチのスーパー ドライテック3レイヤーになりました。重さは233gで、透湿性50,000は現行モデルの最上位です。
公式は「運動量の多いアクティビティにおすすめ」と説明しています。ウェアが体の動きに追随するので、急登や岩場で腕を大きく動かす場面で差が出そうです。
気をつけたいのはポケットです。公式は、構造上ポケットの内部が浸水する恐れがあると注記しています。スマホや貴重品は、防水ケースに入れておくのが無難です。
さらに軽さを求めるなら、143gのバーサライトがモンベルの最軽量モデルです。ただし表地は7デニールの極薄素材。公式も、鋭利な岩角や強い摩擦で破損する恐れがあると注意書きを載せています。
バーサライトは山を選ぶ
ポケットもなく、軽さに振り切ったモデルです。岩稜帯ややぶの多い山では、生地を傷めるリスクを頭に入れておきましょう。UL志向の僕としても、軽さは安全を残したうえで選ぶのが前提だと考えています。
モンベル トレントフライヤー ジャケット
全面ストレッチで動きやすい軽量モデル。運動量の多い山行で軽さと動きやすさを両立したい人に
価格目安:25,500円(Men's・税込・2026年10月時点の公式価格)
バーサライトで足りる山行と足りない山行の線引きは、ストームクルーザーとの比較記事で整理しています。
関連記事:ストームクルーザーとバーサライトの違い|軽さか耐久か
岩稜や厚着前提なら50Dのレイントレッカー
岩稜を歩くことが多い人や、厚手の中間着を重ねたい人には、レイントレッカーが合います。表地は50デニールのゴアテックス3レイヤーで、現行のゴアテックス系では最も厚い生地です。
公式の説明は「厚みのある中間着の上にも着用しやすい、ややゆとりのあるシルエット」。Mサイズの胸囲は116cmで、ストームクルーザーより2cm、トレントフライヤーより6cm広くなっています。晩秋にフリースの上から羽織るような使い方に向いていますね。
その分、重さは301gで、価格は29,200円です。ピットジップの記載もないので、暑い時期の登りでは蒸れやすさも考えておきたいところ。軽さより生地の安心感を取りたい人向けの1着かなと思います。
モンベル レイントレッカー ジャケット Men's
厚い表地のゴアテックスで、岩稜歩きや厚手の中間着を重ねる山行向け
価格目安:29,200円(Men's・税込・2026年10月時点の公式価格)
日帰りや街兼用ならサンダーパスかレインハイカー
低山の日帰りが中心なら、エントリー区分のサンダーパスかレインハイカーで足りることが多いです。耐水圧は上位モデルと同じ20,000mm以上で、生地の防水性の公表値は同じ水準です。
違いは主に蒸れにくさと重さです。透湿性はサンダーパスが15,000、レインハイカーが10,000で、ストームクルーザーの半分以下になります。行動時間が短い日帰りなら、この差を許容できる人も多いはずです。
サンダーパスは50デニールの3レイヤーで、公式は「耐久性に優れたモデル」と位置づけています。レインハイカーは2レイヤーのエントリーモデルです。どちらも上下で2万円前後なので、まず1着そろえたい人には現実的な選択肢ですね。
街や旅行と兼用するなら、ポケットの位置も比べておくと便利です。ストームクルーザーとトレントフライヤーは腰に2つ、テンペストは胸に2つ、バーサライトはポケットなし。普段使いでの出し入れのしやすさは、意外と差が出るポイントです。
モンベル サンダーパス ジャケット Men's
耐久性を重視したエントリーモデル。日帰りハイキング中心で予算を抑えたい人に
価格目安:13,600円(Men's・税込・2026年10月時点の公式価格)
現行8モデルの重さ・透湿性・価格を1表で比較
現行の登山用レインジャケット8モデルを、2026年10月時点の公式スペックで軽い順に並べました。耐水圧は全モデル20,000mm以上で共通なので、比べるポイントは重さ・透湿性・生地の厚さ・価格の4つです。(出典:モンベル公式オンラインストア『レインウエア(登山用)』)

| モデル | 素材 | 表地 | 透湿性(g/m²・24hrs) | 平均重量 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| バーサライト | スーパー ドライテック3L | 7D | 50,000 | 143g | 24,000円 |
| ピークシェル | ゴアテックス3L | 15D | 20,000 | 185g | 32,000円 |
| トレントフライヤー | スーパー ドライテック3L | 15D | 50,000 | 233g | 25,500円 |
| テンペスト | ゴアテックス3L | 20D | 20,000 | 247g | 35,200円 |
| ストームクルーザー | スーパー ドライテック3L | 30D | 40,000 | 254g | 22,000円 |
| レインハイカー | ドライテック2L | 70D | 10,000 | 257g | 11,900円 |
| レイントレッカー | ゴアテックス3L | 50D | 20,000 | 301g | 29,200円 |
| サンダーパス | ドライテック3L | 50D | 15,000 | 313g | 13,600円 |
透湿性は全モデル同じ試験法(JIS L-1099 B-1法)の参考値なので、この表の中なら数字を並べて比べられます。重さは表地の厚さとおおむね連動していて、薄い生地ほど軽くなります。例外はレインハイカーで、表地は70デニールといちばん厚いものの、2レイヤーで重さは257gです。
ピットジップを公式の特長に載せているのは、テンペストとピークシェルの2モデルだけです
表で見落としやすいのが、価格と透湿性の関係です。ゴアテックス系の3モデルは価格が高めですが、製品ページの透湿性はいずれも20,000でした。高いモデルほど蒸れにくい、とは単純に言えないのが悩ましいところですよね。
同じゴアテックス3レイヤーでも、表地は15デニールから50デニールまで幅があります。素材の名前だけでなく、表地の厚さと重さをセットで見ると、モデルごとの性格がつかみやすくなりますよ。
モンベルのレインウェアはいくらまで出せば十分か
僕の考えでは、ジャケット単体なら22,000円のストームクルーザーで多くの人は十分です。これより上の価格は、性能の底上げというより、特定の強みに払う差額になります。
| 価格帯(Men's) | モデル | その価格で得られるもの |
|---|---|---|
| 11,900〜13,600円 | レインハイカー/サンダーパス | 安さと厚い生地。透湿性は控えめ |
| 22,000円 | ストームクルーザー | 透湿性・重さ・強度のバランスの基準点 |
| 24,000〜25,500円 | バーサライト/トレントフライヤー | さらなる軽さ、全面ストレッチ |
| 29,200円 | レイントレッカー | 厚い表地のゴアテックスとゆとりある形 |
| 32,000〜35,200円 | ピークシェル/テンペスト | ゴアテックスとピットジップ |
レインウェアは上下で考えるのが基本です。モンベルは上下を別売りしているので、代表的な組み合わせの合計を並べてみました。
| ジャケット+パンツ | 合計価格 | 合計重量 |
|---|---|---|
| レインハイカー+レインハイカー パンツ | 19,700円 | 437g |
| サンダーパス+サンダーパス パンツ | 23,200円 | 530g |
| ストームクルーザー+ドライテック レインパンツ | 36,000円 | 448g |
| バーサライト+ドライテック U.L.レインパンツ | 40,500円 | 259g |
| トレントフライヤー+ドライテック ストレッチレインパンツ | 41,500円 | 398g |
| レイントレッカー+GORE-TEX レインパンツ | 50,700円 | 479g |
| ピークシェル+GORE-TEX レインパンツ | 53,500円 | 363g |
| テンペスト+GORE-TEX レインパンツ | 56,700円 | 425g |
最安のレインハイカー上下と最高のテンペスト上下では、価格に約2.9倍の開きがあります。上を見るときりがない、というのが正直な感想です。
予算を抑えたいなら、サンダーパス上下の23,200円から始めるのも1つの手かなと思います。ただし上下で530gと、この表では最も重い組み合わせです。軽さも欲しいなら、ストームクルーザー上下まで予算を伸ばす価値はあると感じます。
価格はモデルチェンジで変わることがあります。購入前には、最新の価格を公式オンラインストアでご確認ください。
スーパードライテックとゴアテックスどっちがいい
結論としては、数字と価格のバランスならスーパー ドライテック、保証やピットジップの安心ならゴアテックスです。どちらも生地の耐水圧の公表値は20,000mm以上で同じです。
| 比較項目 | スーパー ドライテック | ゴアテックス |
|---|---|---|
| 素材の出どころ | モンベルの自社素材 | ゴア社の素材 |
| 透湿性(製品ページ値) | 40,000〜50,000 | 20,000 |
| 該当モデル | ストームクルーザー/トレントフライヤー/バーサライト | テンペスト/ピークシェル/レイントレッカー |
| 保証・修理 | モンベル自身の修理受付 | GORE-TEX の製品保証あり(対象タグ付き製品) |
| 価格帯(Men's) | 22,000〜25,500円 | 29,200〜35,200円 |
透湿性の数字だけ見ると、スーパー ドライテックが2倍以上に見えます。ただ、この試験法は膜が水分を吸って運ぶタイプの素材で、高い数値が出やすいとされています。モンベルはスーパー ドライテックの膜の構造を公表していません。「数値が倍なら体感も倍蒸れにくい」とは言えないわけです。
ゴアテックスには「GUARANTEED TO KEEP YOU DRY」という製品保証があります。対象はこの文言の黒いダイヤ型タグが付いた製品で、申請には購入証明が必要です。ただし期間は「製品として有効に使用できる限り」で、撥水の低下や耐用年数の超過は対象外。永久保証ではない点は誤解されやすいので注意してください。(出典:GORE-TEX『Guarantee & Returns』)
僕なら、脇から物理的に換気したい人や、素材ブランドの保証を重視する人にゴアテックスをすすめます。それ以外なら、スーパー ドライテックのストームクルーザーで困る場面は少ないかなと思います。
旧モデルと新モデルの対応表|2025〜26年の再編
2025〜2026年の再編では、同じモデル名のまま素材が入れ替わったため、旧モデルの数字で現行品を選ぶとズレが出ます。「モンベルがゴアテックスをやめた」というのも不正確で、モデルごとに逆方向の入れ替えが同時に起きました。

名前は同じなのに中身が違うって、ややこしいね。どれがどれになったの?
ほんとにややこしいですよね。名前だけで追いかけると混乱しやすいので、まずは表で整理してみましょう。
| 旧モデル(旧仕様) | 何が起きたか | 現行で見るべきモデル |
|---|---|---|
| ストームクルーザー(ゴアテックス・20D) | 2025年にスーパー ドライテック(30D)へ変更 | ストームクルーザー(現行)。ゴアを求めるならテンペスト |
| スーパー ドライテック ピークシェル(7D) | 生産終了 | トレントフライヤー(公式が後継と表示) |
| ― | ゴアテックス3L(15D)の新モデルに同じ名前が付いた | ピークシェル(現行) |
| トレントフライヤー(スーパー ドライテック・15D・186g) | 2026年に全面ストレッチのスーパー ドライテックへ刷新(ゴアテックス版はそれ以前に終了) | トレントフライヤー(現行) |
| バーサライト(ウインドストッパー・134g) | 2025年にスーパー ドライテック(7D)へ変更 | バーサライト(現行・143g) |
| レインダンサー(ゴアテックス・50D) | 現行一覧から消え、旧品番ページも削除 | 仕様が近いのはレイントレッカー(公式の後継表示はなし) |
| ストームクルーザー パンツ | ジャケットと別名のパンツに整理 | ドライテック レインパンツ/GORE-TEX レインパンツ |
ネットでよく見る「トレントフライヤー約186g」「バーサライト134g」は、どちらも旧世代の値です。「ゴアテックスの透湿性44,000」も、さらに前のゴアテックス版トレントフライヤーの公式値でした。比較記事を読むときは、その数字がいつのモデルのものかを確かめるのがおすすめです。
2026年春夏には、サンダーパスとレインハイカーの撥水もPFASフリーに変わったと専門誌が報じています。これで主要なレインウエアがそろってPFASフリーになりました。素材だけでなく撥水加工も、ここ2年で大きく変わったわけです。
ストームクルーザーのゴア版の後継はテンペスト
旧ゴアテックス版ストームクルーザーの公式ページは、後継を「テンペスト」と表示しています。ゴアテックスのストームクルーザーが欲しかった人の受け皿はテンペストと考えると分かりやすいです。(出典:モンベル公式『ストームクルーザー ジャケット Men's(#1128615)』)
テンペストはゴアテックス3レイヤーで、表地は旧ゴア版と同じ20デニールです。そこに脇のピットジップと、ジッパー付きの胸ポケット2つが加わりました。公式は「運動量が多い場面で活躍」する高機能モデルと説明しています。
重さは247g、価格は35,200円で、現行モデルの中では最も高い1着です。ゴアテックスと換気のしやすさ、両方を取りたい人のための選択肢と言えます。
一方で、現行のストームクルーザーも名前を引き継いでいます。仕上がり寸法と254gという重さは旧ゴア版と同じで、変わったのは素材と表地(20D→30D)です。サイズ感が変わらないので、旧モデルからの買い替えでもサイズ選びに迷いにくいのは助かりますね。
モンベル テンペスト ジャケット Men's
ゴアテックスとピットジップを求める人向けの高機能モデル。旧ゴア版ストームクルーザーの後継として公式が表示
価格目安:35,200円(Men's・税込・2026年10月時点の公式価格)
レインダンサーに近い現行モデルはレイントレッカー
定番だったレインダンサーは現行の一覧から消え、旧品番の公式ページも削除されています。素材・表地・シルエット・収納寸法が共通するのはレイントレッカーです。
| 項目 | 旧レインダンサー | 現行レイントレッカー |
|---|---|---|
| 素材 | ゴアテックス3レイヤー | ゴアテックス3レイヤー |
| 表地 | 50デニール | 50デニール |
| シルエット | ややゆとりあり | ややゆとりあり |
| 収納サイズ | 8×8×17cm(紹介記事より) | 8×8×17cm |
| 平均重量(Men's) | 約335g | 301g |
| 価格(ジャケット) | 18,480円(2021年の専門誌記事時点) | 29,200円 |
ただし、公式が「後継」と明記した表示は確認できませんでした。あくまで仕様が近い現行モデルとして見てください。
「ストームクルーザーとレインダンサーの違い」で調べている人は、今なら「ストームクルーザーとレイントレッカー」に置き換えて比べるのが近いかなと思います。軽さと価格のストームクルーザー、厚い生地とゆとりのレイントレッカー、という構図は当時とよく似ています。
重さは約34g軽くなった一方で、価格は1万円以上上がりました。ゆとりのある形と厚い表地が気に入っていた人には、今も選ぶ価値があるモデルです。
モンベルのレインウェアは冬に使える?雪山は別
雪のない晩秋や早春なら防寒の外側として使えますが、雪山はアルパインウエアの領分です。モンベル自身も、雪山用のシェルをレインウェアとは別のカテゴリーで販売しています。
山の上は夏でも寒いのに、冬になったらレインウェアじゃ足りないのかな?
気になりますよね。公式の説明を読むと、雪があるかどうかで線が引かれているみたいです。順番に見ていきましょう。
公式がアルパインウエアとの違いに挙げるのは、雪面での滑りにくさ、アイゼンやピッケルへの耐久性、フードや襟の設計の3点です。滑りにくさはアンチグリース加工によるもので、滑落時の加速をできるだけ防ぐための工夫。この加工はレインウェアには入っていません。
意外なのは、生地の厚さが違いに挙げられていないことです。アルパイン系のフレネイパーカは40デニールで、レインウェアのサンダーパス(50デニール)より薄いくらいです。厚い生地のレインウェアなら雪山もいける、とは判断できないので注意してください。
公式のソフトシェル解説も「無雪期のアクティビティではレインウエア、雪山ではアルパインウエアを必ず携行する」と案内しています。レインウエアガイドにも、冬季・積雪期での使用についての記述はありませんでした。
一方で、雪のない時期の防風・防寒としては頼りになります。僕は初めての富士山で、コロンビアのレインウェアをご来光待ちの防寒として着ました。8合目あたりでも5度以下で、風を通さないレインウェアは山頂で待つのに必須だと感じましたね。
槍ヶ岳の下山では終日雨に降られ、雨の中を6時間45分歩きました。このときは防寒着が足りず、フリースかインナーダウンが欲しかったのが正直なところです。レインウェアは風と雨を止める層なので、寒い時期は中に着る保温着とセットで考えてください。
厚手の中間着を重ねるなら、胸囲にゆとりのあるレイントレッカーやサンダーパスが寸法上は有利です。積雪期の山に行く予定があるなら、レインウェアではなくアルパインウエアと比べて選ぶのが安全かなと思います。
パンツ名・サイドジッパー・細身で後悔しやすい点
スペック表だけで選ぶと、パンツが見つからない・靴のまま脱げない・中間着が窮屈という3つの後悔が起きやすいです。どれも購入前に公式ページで確かめられるので、ここで押さえておきましょう。
まず、「ストームクルーザー パンツ」という商品は現行の一覧にありません。ストームクルーザーと同じ30デニールの素材のパンツは、「ドライテック レインパンツ」という別名で売られています。バーサライトと同じ7デニールのパンツも、「ドライテック U.L.レインパンツ」という名前です。
パンツの表示名からは「スーパー」が外れましたが、素材はスーパー ドライテック3レイヤーのままです。名前の違いだけで別物と判断しないようにしてください。
| パンツ(Men's) | 価格 | 平均重量 | 靴を履いたままの着脱 |
|---|---|---|---|
| ドライテック レインパンツ | 14,000円 | 194g | 可(ロングサイドジッパー) |
| GORE-TEX レインパンツ | 21,500円 | 178g | 可(ロングサイドジッパー) |
| ドライテック U.L.レインパンツ | 16,500円 | 116g | ローカットの靴なら可 |
| ドライテック ストレッチレインパンツ | 16,000円 | 165g | 不可(サイドジッパー) |
| サンダーパス パンツ | 9,600円 | 217g | 不可(サイドジッパー) |
| レインハイカー パンツ | 7,800円 | 180g | 不可(サイドジッパー) |
雨が降り出してから登山靴を脱いでパンツをはくのは、足場の悪い登山道だとかなり大変ですよね。靴を履いたまま着脱したいなら、ロングサイドジッパーかフルジップ版を選ぶのが安心です。フルジップ版はGORE-TEX、ドライテック、サンダーパスの3種類が用意されています。
次に、トレントフライヤーは細身です。Mサイズの胸囲は110cmで、ストームクルーザーより4cm、レイントレッカーより6cm小さくなっています。厚手のフリースを中に着る予定なら、試着するかワンサイズ上も検討してみてください。
ほかにも、バーサライトにはポケットがありません。地図やスマホをこまめに出し入れしたい人には、不便に感じるかもしれません。
もう1つは撥水の手入れです。現行モデルの撥水はPFASフリーで、皮脂など油汚れに弱い面があると指摘されています。撥水が落ちると表地が濡れて蒸れやすくなるので、こまめな洗濯とはっ水剤でのケアを前提にしておきましょう。
モンベル ドライテック レインパンツ Men's
ストームクルーザーと同じ素材のパンツ。ロングサイドジッパーで靴を履いたまま着脱できる
価格目安:14,000円(Men's・税込・2026年10月時点の公式価格)
ワークマンや他ブランドとは数字を直接比べられない
モンベルと他ブランドのカタログ値は、試験法や公表のしかたが違うため、数字だけで優劣は決められません。比べるなら、まず同じ試験法で測った数字かどうかを確かめるのが前提です。
たとえばワークマンのイナレム ストレッチレインスーツは、上下5,500円と手に取りやすい価格です。耐水圧20,000mm・透湿度25,000と公表されていますが、試験法と重さは公式ページに書かれていません。同じ物差しで測った数字かどうか、買う側からは確かめようがないんですよね。
重さは比較サイトの実測で、上下550g前後とされています。モンベルのストームクルーザー上下より重めですが、公式値ではない点は差し引いて見てください。
試験法の違いは、思っている以上に数字を動かします。ファイントラックは同じ生地の透湿性を、B-1法で30,000、A-1法で6,000と併記しています。同じ生地でも試験法を変えるだけで約5倍の差が出るわけです。
ファイントラックのエバーブレス フォトンのように、透湿性をA-1法で公表するメーカーもあります。ゴア自身は、RETという別の指標を中心に使っています。RETは数値が小さいほど蒸れにくい指標なので、大小の向きも逆です。
モンベル同士なら同じ試験法なので、この記事の比較表はそのまま使えます。他ブランドまで含めて選びたい人は、重さや価格、動きやすさなど数字以外の軸も合わせて比べてみてください。
レインウェアは安全に関わる装備です。最終的には実店舗で試着し、気になる点はスタッフなど専門家に相談したうえで決めるのがおすすめです。
モンベルのレインウェア比較でよくある質問
モンベルのレインウェアの2026年の新作は何ですか?
2026年春夏はトレントフライヤーが刷新され、全面ストレッチのスーパー ドライテック3レイヤーになりました。あわせて、ペアになるドライテック ストレッチレインパンツが新設されています。サンダーパスとレインハイカーの撥水がPFASフリーになったとも報じられています。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
ピークシェルの重さはどれくらいですか?
現行のピークシェル ジャケット(ゴアテックス3レイヤー・15デニール)は、Men'sの平均重量が185gです。生産終了したスーパー ドライテック版のピークシェルは168gでした。同じ名前で素材が違うので、ネットで重さを調べるときは年式に注意してください。
レインウェアはジャケットだけ買えば足りますか?
モンベル公式は「晴れていてもレインウエアは上下セットで必ず持参」と案内しています。富士登山オフィシャルサイトも、上下セパレートタイプの雨具を必須装備に挙げています。下半身が濡れると体が冷えやすいので、パンツもセットでそろえるのがおすすめです。
ジャケットとパンツでモデルや色、サイズを変えてもいいですか?
大丈夫です。公式のレインウエアガイドも「上は視認性の高い色、下は汚れの目立たない色」など、上下で変える組み合わせを認めています。上は軽さ、下は耐久性を重視するといった選び方もできます。
撥水が落ちてきたら買い替えるべきですか?
撥水が落ちただけなら、防水の膜まで機能を失ったとは限りません。ただ表地が濡れると透湿性が落ちて蒸れやすくなるので、洗濯とはっ水剤でのケアを試してみてください。ケアしても内側に水が染みてくるなら、膜やシームテープの劣化を疑って点検や修理を検討しましょう。モンベルのO.D.メンテナンスのはっ水剤は、PFASを含まない処方です。
まとめ:モンベルのレインウェアは用途で選ぶ

結局、モンベルのレインウェアに「これが最強」っていう1着はなかったんだね。
そうなんですよ。でも用途を決めると、候補はちゃんと絞れました。最後に要点を振り返っておきましょう。
モンベルのレインウェアは、2025〜2026年の再編で同じ名前のまま中身が変わったモデルが多くあります。比べるときは、現行の公式スペックで並べ直すのがいちばん確実です。
- 迷ったらストームクルーザー。22,000円で透湿性・重さ・強度のバランスが取れている
- 軽さと動きやすさ重視ならトレントフライヤー。極薄のバーサライトは岩稜を避ける
- 岩稜や厚手の中間着を重ねるなら、50デニールのゴアテックスを使うレイントレッカー
- 日帰り中心で予算を抑えたいなら、サンダーパスかレインハイカー
- 旧ゴア版ストームクルーザーの後継はテンペスト。レインダンサーに近いのはレイントレッカー
- 雪山はレインウェアではなくアルパインウエアと比べて選ぶ
- パンツの別名、サイドジッパー、トレントフライヤーの細身は購入前に確認する
数字はあくまで公式が公表する参考値で、着心地や蒸れ方は体格や山行によって変わります。正確な情報は公式サイトをご確認ください。最終的な判断は、実店舗のスタッフなど専門家にご相談ください。
