こんにちは、YAMA-GO編集部のりょうです。関西を拠点に、北アルプスを中心にULスタイルで山を楽しんでいます。このブログ「YAMA-GO」では、実際に使ったギアのレビューや選び方、山のノウハウなんかを発信しています。
屋久島や北海道、海外のトレッキングへ飛行機で行くとき、「トレッキングポールって機内に持ち込めるの?」と迷いますよね。空港の保安検査で止められて、愛用のポールを手放すのはできれば避けたいところです。
僕は関西から北アルプスへ通うことが多く、富士山も大阪発のバスツアーで登りました。飛行機の遠征は、車やバスとは荷物の制約がまるで違います。そこで今回は、国土交通省や航空会社、海外の保安当局の公式情報を確認して、登山者の目線で整理しました。
結論から言うと、先端に金属が付いた登山用ポールは機内持ち込み不可が原則で、預け入れが基本です。この記事では、没収されないための準備から梱包、国際線の違い、遠征に向くポールまでまとめて解説します。
- 登山用ポールが機内に持ち込めない理由と、先ゴムでは解決しない点
- 保安検査で止められないための預け方と、小型機の45cm上限
- 石突の保護からザックへの収め方までの梱包手順
- 国際線の国別ルールと、遠征に向くポールの形・現地レンタル
トレッキングポールは機内持ち込み不可が原則
トレッキングポールは、機内持ち込み不可・預け入れ可が原則です。国土交通省の一覧で、登山用ストックは「機内持込み×・お預け○」とされています。最終判断は航空会社と保安検査員なので、迷ったら預けると決めておくのが安心かなと思います。

ポールって、畳めばけっこう短くなるよね。小さくすれば機内に持って入れるんじゃないの?
僕もそう思っていたんですが、長さだけの話じゃないみたいですよ。まずは国の一覧を一緒に見てみましょう。
国交省一覧では登山用ストックは預け扱い
国土交通省は「機内への持込み又はお預け手荷物に制限がある品目の代表例」という一覧を公開しています。令和8年4月24日更新版での、杖・ストック類の扱いは次のとおりです。(出典:国土交通省『機内への持込み又はお預け手荷物に制限がある品目の代表例』)
| 品目 | 機内持込み | お預け | 一覧の備考(要約) |
|---|---|---|---|
| 登山用ストック | × | ○ | 畳んで60cm以下は持込可。ただし先端に尖った金属(キリ状)が付いたものは不可 |
| スキーストック | × | ○ | 登山用ストックと同じ |
| 金剛杖(巡礼・登山用) | × | ○ | ― |
| ステッキ | × | ○ | 60cm以下は持込可。体が不自由で本人が使うものは60cm超でも可 |
備考だけ読むと「60cm以下なら大丈夫そう」と思えますよね。ところが登山用ポールの多くは、石突に超硬合金(カーバイド)の金属チップが付いています。
このチップが、一覧の「先端に尖った金属」に当たります。つまり畳んで60cm以下でも、一般的な登山用ポールは持ち込めないと考えるのが自然です。
もうひとつ押さえたいのが、ルールが3層になっている点。国の一覧の上に航空会社の社内規則があり、最後に保安検査員の現場判断が乗ります。一覧自体も「材質・強度・形状で凶器になり得ると判断されれば持ち込めない場合がある」と明記しています。
出発前に確認する場所
①国土交通省の「制限がある品目の代表例」一覧。②予約した航空会社の手荷物ページ(LCCや離島路線は社内規則が独自のことも)。③それでも判断できなければ、航空会社への事前問い合わせ。一覧はあくまで「代表例」で、載っていない形状は現場判断になります。
杖との違いは先端、先ゴムを付けても不可
「杖は持ち込めるのに、なぜ登山用ポールはダメなの?」という疑問の答えは、先端に尖った金属が付いているかどうかです。旅行メディアでも「先端の尖った杖や金剛杖は持ち込めない」と紹介されることが多く、国の一覧と話が合っています。
登山用ストックにも例外があります。体が不自由でステッキ代わりに使い、先端に尖った金属が無いものは、60cmを超えても持ち込めるという記載です。歩行補助として日常的に使っている方は、この例外に当たるかを航空会社に確認してみてください。
よく誤解されるのが、先ゴム(保護キャップ)の扱いです。先ゴムは金属チップを覆うだけで、チップが「取り付けられている」状態は変わりません。先ゴムを付ければ持ち込める、という記載は一覧にありません。
空港で「キャップを付けているから大丈夫」と説明しても、通る保証はないんですよね。先ゴムは、預け荷物の中で他の荷物を守る道具と割り切っておくのがいいかなと思います。
持ち込めるかどうかの判断を、確認の順に並べると次のようになります。
| 確認ポイント | 当てはまる例 | 扱いの目安 |
|---|---|---|
| 畳んだ長さが60cmを超える | 伸縮式は収納長55〜60cm前後が多く、61cmのモデルもある | 持ち込み不可→預け |
| 先端に尖った金属チップがある | 一般的な登山用ポールはほぼ該当 | 持ち込み不可→預け |
| 体が不自由で杖代わりに使い、先端に尖った金属が無い | 医療・歩行補助の用途 | 60cm超でも持ち込み可 |
| 上の条件を満たしても、検査員が凶器になり得ると判断 | 現場の判断 | 持ち込み不可 |
関連記事:先ゴムを付ける場面・外す場面の早見表
保安検査で没収されないための準備
没収を避けるいちばん確実な方法は、ポールを最初から預け荷物に入れておくことです。機内持ち込みのバッグに入れて検査で止められると、選べるのは「カウンターに戻って預ける」か「その場で放棄する」かの二択。戻る時間が無ければ、実質的に放棄しか残りません。

最初から預け荷物に入れて締切に余裕を持つ
ANAの案内では、保安検査で持ち込めない物が見つかった場合、手荷物カウンターで預けるか、保安検査場の放棄品箱に捨てるかを選びます。ポールは1本で数千円から3万円台まである道具なので、放棄はできれば避けたいですよね。
ここで効いてくるのが、預け入れの締切です。ANAは2026年9月から、羽田空港発の国内線で手荷物の預け入れを出発30分前に終了しています。羽田以外の空港は出発20分前まで。
検査場で止められてからカウンターへ戻ると、列に並び直す時間もかかります。締切を過ぎていれば、預ける選択肢そのものが消えるわけです。ポールを手荷物に入れたまま検査場へ向かうのは避けましょう。
検査で止められたら
まず係員に「預け入れに回したい」と伝え、手荷物カウンターへ戻って間に合うかを確認します。締切を過ぎている、または戻れない場合は、放棄品箱への廃棄になります。往路の空港に早めに着いておくことが、いちばんの保険です。
- ポールは自宅でザックや預け荷物の中に入れてから出発する
- 空港には預け締切より前に、余裕を持って着く
- 手荷物にナイフやガス缶が紛れていないか見直す
- 予約した航空会社の手荷物ページを前日までに確認する
屋久島便など小型機は持込上限45cmの盲点
「先端に金属が無いポールなら持ち込めるのでは?」と考えた方に知ってほしいのが、機体の大きさによる手荷物サイズの違いです。持ち込める条件のポールだとしても、ANAの100席未満の機材やJACの小型機では手荷物の最長辺が45cmまでに下がります。(出典:ANA『機内持ち込み手荷物(国内線)』)
| 機材 | 機内持ち込み手荷物の各辺 | 3辺の和 |
|---|---|---|
| ANA国内線 100席以上の機材 | 55×40×25cm以内 | 115cm以内 |
| ANA国内線 100席未満の機材 | 45×35×20cm以内 | 100cm以内 |
| JAC(ATR42-600・ATR72-600) | 45×35×20cm以内 | 100cm以内 |
屋久島空港に就航するJAC(日本エアコミューター)の機材は、いずれも100席未満のATR機です。JACは小型機のため収納スペースに限りがあるとしていて、検査機を通っても45×35×20cm以上の手荷物は預けになることがあります。
収納長60cm前後の伸縮式は、そもそも持ち込みバッグに収まりません。40cm前後の折りたたみ式なら長さは収まりますが、今度は先端の金属が問題になります。どちらにしても、小型機に乗る旅程なら預けてしまうのが早いですね。
鹿児島などで大型機から小型機へ乗り継ぐ場合、同じ予約の通し航空券なら、預け荷物を最終目的地までスルーで預けられることが多いです。別々に買った航空券などでは預けられない場合もあるので、出発空港のカウンターで確認しておきましょう。乗り継ぎ空港で荷物を受け取って再検査を受ける手間が省け、没収の心配も減ります。
預け入れの梱包はザックに収めるのが基本
預け入れるときは、ポールを裸で預けるより、先端を保護してザックの中に収めるのが基本です。航空会社は梱包を利用者側に求めていて、ANAも「ご心配なお手荷物には、お客様ご自身で十分な梱包を」と案内しています。
ザックの中や側面に収めれば、ポールが別の個口になりません。ANA国内線の無料受託手荷物はエコノミーで1個23kgまで、JAL国内線は普通席で20kgまで。遠征ではザックそのものの重さも含めて、重量の枠を意識しておくと安心です。
先端キャップと収納袋で石突の穴あけを防ぐ
梱包でいちばん気をつけたいのが先端です。海外のハイカーからは、先端の保護を忘れて、石突がダッフルバッグを突き破ったという失敗例が報告されています。

僕なりに、手順を6つの工程に整理しました。
| 工程 | やること | 理由 |
|---|---|---|
| 1. 最短にする | 伸縮式はいちばん短く縮め、折りたたみ式はたたむ。2本はポールクリップなどでまとめる | 短いほどザックに収まりやすい |
| 2. 先端を守る | 先ゴムをかぶせ、さらに厚紙やテープで石突を包む | 荷物や袋に穴を開けない |
| 3. 小物を外す | 外せるバスケットは外して別袋へ | 引っかかりと紛失を防ぐ |
| 4. 袋に入れる | 専用の収納袋や純正ケース、硬い紙のポスターチューブ、塩ビ管に入れる | 曲げや衝撃から守る |
| 5. ザックに入れる | ザックの背面側・中心に沿わせ、周りを衣類で埋める | 片寄りと外からの力を防ぐ |
| 6. ザックごと包む | ハーネスとヒップベルトを締めて余ったベルトをまとめ、大きな袋やダッフルに入れる | ベルトコンベアでの引っかかり・破損を防ぐ |
収納袋は、メーカー純正の専用ケースと、汎用の筒状ケースの2系統で考えると選びやすいです。たとえばモンベルの純正品なら、トレッキングポール ケースが2,900円、折りたたみ式専用のフォールディングポール ケースが2,200円(いずれも税込・2026年9月時点)。
袋ひとつで、ポールの曲がりや他の荷物の傷のリスクを減らせます(強い衝撃まで防げるわけではありません)。遠征が多い方なら、持っておいて損はないかなと思います。
梱包材は、自分で用意して行く前提で考えてください。ANAグループは2021年10月末で、空港での手荷物梱包用ビニール袋の提供を終えています。
預け荷物は、開けて検査されることがある点も知っておきたいところです。ファスナーが壊れたザックをラップで巻いて預けたら、開披検査でラップごと切られ、中身がこぼれた状態で届いたという報告もあります。
特に米国では、TSA(運輸保安庁)が預け荷物を開けて検査することがあり、開けた場合は検査済みの通知が中に入れられます。ラップで固めるより、中身を袋ごとに分けて散らばらないようにしておくほうが確実ですね。
現地で荷物を開けたら、先ゴムとバスケットを付け直すのも忘れずに。たとえばLEKIの取扱説明書は、バスケットを外したままの使用を禁止しています。
アイゼン・ピッケル・ガス缶も同じ荷物で確認
ポールと一緒にザックへ入れがちな登山用品にも、飛行機のルールがあります。特にガスカートリッジと熊よけスプレーは、機内にも預け荷物にも入れられません。
| 品目 | 機内持込み | お預け | 備考 |
|---|---|---|---|
| ピッケル | × | ○ | 「先端が著しく尖っている物」の扱い |
| アイゼン | × | ○ | ― |
| 登山用ガスカートリッジ | × | × | 現地で購入する |
| バーナー本体 | ○ | ○ | ガスが残っていないもの |
| ナイフ・ツールナイフ | × | ○ | 預け荷物へ |
| 喫煙用ライター | ○ | × | 使い捨て・ガス充填式など小型かつ携帯型のもの1個を身につけて機内へ(オイルタンク式など機内・預けとも不可の種類もある) |
| メタルマッチ・火打石 | ○ | ○ | ― |
| 熊よけスプレー | × | × | 航空法上の危険物 |
冬の遠征でピッケルやアイゼンを持つなら、どちらも預け荷物です。アイゼンは爪で他の荷物や袋を傷めるので、アイゼンケースや爪カバーに入れてから詰めます。ピッケルも、ピック・ブレードと石突にカバーを付けておくと安心。
ガス缶は、行程の中に現地調達を組み込んでおきましょう。北海道の山へ飛行機で行くなら、熊よけスプレーも現地での購入かレンタルが前提になります。
国際線トレッキングポールは国ごとに扱いが違う
国際線では、トレッキングポールの扱いが国の保安当局と航空会社ごとに違います。日本を出る便は国の一覧どおり預けが基本でも、帰りの便や乗り継ぎ空港では相手国の基準で検査されます。
国によってルールが違うの? 山の天気より読みにくそうだね。
本当にそうなんですよ。行きで通ったから帰りも大丈夫、とは言えないみたいです。国ごとに確かめてみましょう。
米国・英国・カナダ・NZの持込可否を比較
2026年10月時点で、各国の公式ページを確認した内容を表にまとめました。

| 国・主体 | 機内持込み | 預け | 条件の要点 |
|---|---|---|---|
| 日本(国土交通省) | 原則不可 | 可 | 畳んで60cm以下でも、先端に尖った金属があれば不可 |
| 米国(TSA) | 先端が鈍いものは可 | 可 | 先端が尖ったものは不可。最終判断は検査場の係官 |
| 英国 | 不可 | 可 | 手荷物は不可、預けは可 |
| カナダ(CATSA) | 条件付きで可 | 可 | 尖った先端が6cmを超えるものは不可 |
| ニュージーランド(CAA) | 条件付きで可 | 可 | アルミ・カーボン製の軽いポールで、頭上の棚に入るもの |
| EU | 品目名での明記なし | ― | 空港・検査員の判断で止められた報告が多い |
表を見ると、米国やカナダ、ニュージーランドは条件付きで機内に持ち込めそうに見えます。ただ、その条件を満たすかどうかは、結局その場の係官が判断するんですよね。(出典:カナダ航空運送保安庁(CATSA)『Hiking sticks/poles』)
米国のTSAは、2024年11月27日に一時「先端が鈍ければ機内可」と掲載しました。翌28日には預け必須の表記に戻し、広報は掲載を「事故」と説明しています。(出典:米国運輸保安庁(TSA)『Hiking Poles』)
公式の表記ですら、短期間で揺れることがある実例です。出発の直前に公式ページを見直す習慣をつけておくと安心です。
航空会社の規則が加わるケースもあります。たとえばフィンランド航空は、折りたたみ式ポールが55×40×23cmに収まれば機内可で、それ以外は預けです。別に梱包すると手荷物1個に数えられ、枠を超えれば超過料金がかかります。
欧州の巡礼路の玄関口になる空港などでは、機内に持ち込もうとしたポールを止められた報告が多く見られます。通れたという報告もありますが、一貫していません。「通れた人がいる」は、自分が通れる根拠にはならないと考えておきましょう。
復路と乗り継ぎ空港の基準で往復とも預ける
海外遠征で避けたいのは、往路は日本で預けたのに、帰りの現地空港で機内に入れようとして没収されるパターンです。往復とも預ける前提でパッキングしておくと、国ごとの違いに振り回されずに済みます。
乗り継ぎがある旅程では、経由国の保安検査の基準も適用されます。どこか1か所でも厳しい空港を通るなら、そこに合わせるのが現実的です。
預け荷物ならではのリスクもあります。ポールを入れた荷物だけが乗り継ぎで届かず、現地でポールを買い直したという報告がありました(後から請求して補償されたそうです)。
乗り継ぎ時間に余裕を持ち、ポールが無くても初日を歩ける計画にしておくと慌てずに済みます。旅程を組む段階で、到着初日は軽めの行程にしておくのもひとつの手かなと思います。
海外遠征の追加チェック
ガスカートリッジは国際線でも機内・預けとも不可なので、現地の登山用品店で買う前提で行程を組みます。ニュージーランドやオーストラリアは、入国時の検疫でアウトドア用品の土汚れの確認が厳しいとされます。ポールの先端やバスケットの泥は落としておき、詳しくは各国の入国当局の案内で確認してください。
飛行機遠征に向くのは3段折りたたみのポール
飛行機で遠征するなら、収納長が40cm前後になる3段折りたたみのポールが扱いやすいです。預け荷物の中で場所を取らず、ザックの中にも収めやすいからです。
伸縮式と折りたたみ式では、たたんだときの長さがかなり違います。メーカー公式の数値(2026年9月時点・税込)を並べると、次のとおりです。
| 製品 | 方式 | 収納長 | 使用長 | 価格(1本) |
|---|---|---|---|---|
| モンベル アルパインポール | 伸縮式 | 60cm | 105〜130cm | 8,000円 |
| モンベル アルパイン カーボンポール | 伸縮式 | 59cm | 105〜130cm | 10,120円 |
| モンベル アルパイン フォールディングポール 120 | 折りたたみ+長さ調節 | 39cm | 100〜120cm | 12,300円 |
| シナノ フォールダーUL | 折りたたみ・長さ固定 | 39〜42cm | 105/110/115cm | 14,300円 |
伸縮式は収納時でも60cm前後あり、ザックに入れるとはみ出しがちです。折りたたみ式なら40cm前後まで短くなり、モンベルも「デイパックにも収められるほどの収納サイズ」と説明しています。
段数の考え方も同じです。海外の旅行会社は、2段式は荷物に収まりにくく、ザックから飛び出して公共交通で邪魔になるとして3段式を勧めています。
ULでも遠征は軽さより割れにくいアルミ
僕はULスタイルなので、普段なら少しでも軽いカーボンに惹かれます。それでも飛行機の遠征に限っては、軽さより割れにくさを優先してアルミを選ぶのが現実的かなと考えています。
先ほどの海外旅行会社は、岩の隙間に挟まってねじれたとき、カーボンは折れたり裂けたりしやすいと指摘しています。遠征ではアルミを好むとしていて、数グラム重いぶん価格も安め。預け荷物は積み込みで衝撃を受けやすいので、割れにくさが素直に効いてきます。
ULは、ただ軽くすることではなく、必要な安全性を残して不要なものを見直すこと。旅先でポールが折れて、代わりがすぐ手に入らない状況を想像してみてください。遠征では、数グラムの差より信頼性を取りたいところです。
折りたたみ式の注意点は、長さ固定のモデルだと地形に合わせて調整できないことです。たとえばシナノのフォールダーULは、105cmが身長155〜160cm、110cmが161〜166cm、115cmが167〜172cmの目安です。
長さ固定なら、身長に合ったサイズを選ぶのが前提になります。登りと下りで長さを変えたい方は、長さ調節付きの折りたたみ式が候補ですね。
遠征用に1セットを別に用意するなら、通販で手に入る低価格帯のポールも候補になります。ただし伸縮式には最少61cmと、60cmを超えるモデルもあるので、収納長は製品ごとに確認してください。
たとえばDABADAの3段折りたたみ式は、遠征用の1セットとして検討しやすい価格帯です。DABADAのポールには、キャップやバスケット、収納袋が付属すると販売ページに記載があります。素材や収納長は複数の仕様があるので、購入前に販売ページで確かめてください。
DABADA 3段折りたたみ式 トレッキングポール 2本セット(アルミ・カーボン 215g/最少35cm)
預け荷物に収めやすい3段折りたたみ式。遠征用の1セットとして検討しやすい低価格帯の候補です(素材・収納長は販売ページで確認を)
屋久島は現地レンタルで持って行かない手も
梱包や締切の心配をまるごと無くしたいなら、現地でレンタルして飛行機には載せないという選択肢もあります。屋久島には、空港前や安房地区の店舗、ネット予約で個別に借りられる店、宿へ届けてくれる店など、登山用品のレンタル店が複数あります。
ツアーの参加者にダブルストックを貸し出すガイド会社もあります。ただ、ザック・レインウェア・登山靴の基本セットにポールが含まれない店もあるので、ポール単品で借りられるかは予約時に確認しておきましょう。
| 現地レンタルの内容 | |
|---|---|
| メリット | 飛行機で運ぶための梱包や、預け荷物での紛失・破損の心配が無い。空港の預け締切を気にしなくてよい |
| デメリット | 長さやグリップの形を選べない。在庫切れの可能性がある。受け取り・返却の時間に縛られる |
宅配便で、宿や登山口の近くへ先に送る方法もあります。航空会社や空港の宅配サービスもあり、往路の荷物が減るうえ空港での預け締切も気にせずに済みます(宅配の受付期限と到着日は確認が必要です)。北海道や海外でも、現地の登山用品店やガイド会社で借りる手は同じように使えます。
ひとつだけ伝えたいのは、「持って行かない」と「使わない」は別だということ。僕は初めての富士登山に、ポールを持たずに行きました。8合目からの砂利の下りでブレーキをかけ続け、両足に5か所の水ぶくれを作っています。
あのとき心から「ポールがあれば」と後悔しました。荷物を減らすためにポールそのものを省くと、下りで後悔しやすいです。
縄文杉コースのように木道や階段が長く続く道では、木道を守るため先ゴムの装着が求められる文脈もあります。レンタルでも自前でも、現地では先ゴムを付けて歩く準備をしておくと安心です。
トレッキングポールと飛行機のよくある質問
LCCや離島路線でも、トレッキングポールの扱いは同じですか?
国土交通省の一覧は共通の基準ですが、航空会社の社内規則で一覧より厳しく制限される場合があります。LCCや離島路線は独自の規則を持つこともあり、ANAの国内線ページもJAC・天草エアラインの運航便は取り扱いが異なるとしています。予約した航空会社の手荷物ページで個別に確認し、迷ったら最初から預けるのが無難です。
ポールを預けると、追加料金はかかりますか?
ザックやスーツケースの中に収めれば、ポールは別の個口にならず、通常の無料受託手荷物の範囲で預けられることが多いです。目安はANA国内線がエコノミーで1個23kgまで・3辺合計158cm以内、JAL国内線が普通席で20kgまで。ポールだけ別に梱包すると1個に数える航空会社もあるので、まとめて1つにしておくと安心です。運賃や路線で条件が変わるため、正確な情報は各航空会社の公式サイトをご確認ください。
空港までの電車や新幹線では、ポールをどう持てばいいですか?
JR東日本・JR東海とも、無料で持ち込める手回り品は3辺の合計250cm以内(長さ2mまで)・重さ30kg以内を2個までです。縮めたトレッキングポールなら、この寸法に収まります。シナノは電車・バスでの移動中は先ゴムの装着が義務としているので、先ゴムを付けてザックに収めておきましょう。
預けた荷物が届かない、ポールが壊れていたときはどうすればいいですか?
荷物の受け取りの段階で、航空会社に申し出るのが基本です。海外では、ポールを入れた荷物が乗り継ぎで届かず、現地で買い直した費用を後から請求して補償されたという報告もあります。ただし梱包は利用者側に求められているので、先端の保護と袋分けをしておくのが前提。補償の条件は航空会社ごとに違うため、出発前に公式の案内を確認しておくと安心です。
宅配便で先に送るのと、飛行機で預けるのはどちらがいいですか?
空港での締切や梱包の手間を減らしたいなら、宿や登山口近くへの宅配が楽です。航空会社や空港の宅配サービスもあります。一方で、到着日の指定や受け取り先の確認が必要なので、旅程に余裕がないときは預け入れのほうがシンプル。どちらを選んでも、石突の保護はしっかりしておきましょう。
トレッキングポールの飛行機移動は預け入れが基本

結局、ポールは最初から預けちゃうのがいちばん安心なんだね。
そうですね。そのうえで、行き先と航空会社の規則だけは出発前に確かめておきたいです。
トレッキングポールは、先端の金属チップがある限り機内持ち込み不可が原則で、預け入れが基本です。先ゴムを付けても条件は変わらず、最終判断は航空会社と保安検査員にあります。
- 国の一覧で登山用ストックは機内持込み×・お預け○。先ゴムを付ければ持ち込める、という記載は無い
- 検査で止められたら預けるか放棄の二択。最初から預け荷物に入れ、締切に余裕を持つ
- 屋久島線のJAC機やANAの100席未満の機材は、機内持ち込み手荷物の最長辺が45cmまで
- 梱包は先端保護→袋→ザックの中→ザックごと袋。梱包材は自分で用意する
- 国際線は国ごとに扱いが違う。復路と乗り継ぎも考えて往復とも預ける
- 遠征には3段折りたたみ・割れにくいアルミが候補。現地レンタルや宅配も選択肢
ルールは改定されることもあるので、出発前に国土交通省と予約した航空会社の公式ページを確認するのを習慣にしてください。正確な情報は公式サイトをご確認いただき、判断に迷うときは航空会社へ事前に相談するのがいちばん確実です。準備を整えて、遠征の山を安全に楽しんでくださいね。
