こんにちは、YAMA-GO編集部のりょうです。関西を拠点に、北アルプスを中心にULスタイルで山を楽しんでいます。このブログ「YAMA-GO」では、実際に使ったギアのレビューや選び方、山のノウハウなんかを発信しています。
トレッキングポールの選び方って正直迷いますよね。今回は、僕自身も最初に知りたかったトレッキングポールの長さと身長の関係について、まとめてみます。
山登りを始めて少し経つと、足腰の負担を減らすためにトレッキングポールが欲しくなると思います。でも、いざ買おうとすると、自分の身長に対してどの長さを選べばいいのか、計算式や目安が分からなくて悩んでしまいませんか。また、登りや下りでの正しい合わせ方、平地でのウォーキング用との違い、さらにはモンベルやシナノといったメーカーごとの特徴、コンパクトな折りたたみ式を選ぶ際の注意点など、気になることがたくさんあるはずです。
僕自身、最初は適当な長さで使っていて、逆に肩が凝ってしまったり、下りで膝が痛くなったりと失敗を繰り返してきました。ポールはただ持てばいいというわけではなく、正しく長さを合わせて初めて、推進力を生み出し、膝まわりの負担を分散してくれる頼もしい相棒になります(効果の感じ方には個人差があります)。
この記事では、僕の失敗談や実体験を交えながら、あなたの体格にぴったりのトレッキングポールの選び方をわかりやすく解説していきます。この記事を読めば、もうお店やネット通販でサイズ選びに迷うことはなくなりますよ。
- 身長からトレッキングポールの基準となる長さを計算する方法
- 登りや下りなど地形の変化に合わせた適切な長さの調整方法
- 折りたたみ式などポールの種類別の失敗しないサイズ選びのコツ
- モンベルやシナノの特徴と体格が極端な場合のポールの選び方
トレッキングポールの長さと身長の関係
トレッキングポールを効果的に使うためには、まず「自分の身長に合った基準の長さ」を知ることが一番大切です。ここでは、ポールの長さを決める基本の計算式や、山の地形に合わせた調整方法、そして用途や構造による選び方の違いについて、詳しく解説していきますね。
トレッキングポールの長さ計算式と目安
トレッキングポールの長さを決める時、感覚で合わせている人も多いかもしれませんが、実はメーカーも案内している目安の計算式があるんです。
一番基本となるのは、グリップを握って直立した時に、肘が直角(90度)になる高さです。ここから、ポールを斜め前に突くことを考慮して、0〜2cmほど短くした長さが理想的とされています。

肘が90度になる姿勢は、腕や背中の筋肉が一番効率よく力を発揮できるポジションなんですね。ポールが長すぎて肘が鋭角になると、手を高く持ち上げることになり、肩こりや腕の疲れの原因になってしまいます。逆に短すぎると、前かがみになって腰に負担がかかります。
登山・トレッキング用の基本計算式
身長(cm) × 0.68

例えば、身長170cmの人なら「170 × 0.68 = 115.6」なので、だいたい115cmくらいが平坦な場所での基準の長さになります。これはシナノなどのメーカーも「およその長さを推定する目安」として案内している数値なので、まずはこの計算式で出た数値をベースに、実際に履く登山靴を履いた状態で肘の角度を見ながら調整するのがおすすめですよ。
登り下りでのポールの長さの合わせ方

平坦な場所での基準長が分かったら、次は山の中での実践的な使い方です。山道は登ったり下ったりと常に傾斜が変わるので、地形に合わせてポールの長さをこまめに変えることが、疲れを残さない最大のコツになります。
登り斜面の場合
登りでは、地面が足元より高くなるため、平地と同じ長さだと手が肩より高く上がってしまいます。これだと心拍数が上がりやすくなり、腕もすぐに疲れてしまいます。
なので、登りでは基準の長さから0〜5cmほど短く設定しましょう。足の少し前方に突いて、上半身の引き込む力で足の踏み出しをサポートするイメージです。
下り斜面の場合
逆に下りでは、着地の衝撃から膝を守ることがポールの最大の役割になります。地面が遠くなる分、ポールを長くしないと前かがみになって転倒のリスクが高まります。
下りでは、基準の長さから5〜10cmほど長く設定してください。着地と同時にポールを突くことで、体重を両手と両足に分散させることができます。下り歩行でポールを使うと膝関節にかかる力が減ったとする研究報告もあり、あの嫌な「膝が笑う」状態を防ぎやすくなりますよ(効果の感じ方には個人差があります)。
※長さ調節時の絶対注意※
ポールを長く伸ばす際、シャフトに印字されている「STOP」や「DANGER」のマークが見えるところまで伸ばすのは絶対にやめてください。強度が落ちて、体重をかけた瞬間に折れる危険があります。下りで十分な長さを出せない場合は、ポールのサイズ自体が合っていない可能性があります。
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路面に合わせて調整したいのは長さだけではありません。土や木道、凍結路で先端キャップをどう扱うかは、こちらで路面別に整理しています。
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ウォーキング用ポールの長さの目安

登山用ではなく、公園や舗装路でのウォーキングに使うポールは、歩き方によって目安になる長さが変わってきます。
ウォーキング用の場合は、「身長(cm) × 0.65」前後が一つの目安です。資料によって身長×0.63〜0.68と幅があり、体の前寄りに軽く突く使い方ほど短め、後方に強く押し出して推進力を得る使い方ほど長めになります。なお、日本ノルディックフィットネス協会(JNFA)はノルディックウォーキング用ポールの目安を登山用と同じ「身長×0.68」としているので、ノルディックウォーキングの技術で歩くなら短くしすぎないよう注意してくださいね。
平地でのウォーキングでは、ポールを体の前ではなく「足元よりやや後方」に突き、腕を後ろへ振ることで推進力を得ます。腕を窮屈にせずスムーズに振り抜けることを優先して短めにするなら、身長170cmの人でだいたい110cmくらいが目安。逆に、後方へしっかり押し出して進むノルディックウォーキングの技術で歩くなら、115cm前後(身長×0.68)の方がしっくりくることもあります。実際に振ってみて、肩や腕が窮屈にならない長さを探してみてくださいね。
折りたたみ式ポールの長さの選び方

最近は、UL(ウルトラライト)スタイルやトレイルランニングの人気もあって、テントのポールのようにコンパクトに折りたためるタイプ(Zポールなど)を使う人が増えました。僕も収納時の短さに惹かれて愛用しています。
ただ、この折りたたみ式はサイズ選びが非常にシビアなんです。一般的な伸縮式(テレスコピックタイプ)は無段階で広く長さを変えられますが、折りたたみ式は「長さが固定」のものや、長さを変えられても「15〜20cm程度の幅しかない」ものがほとんどです。
購入する前に、自分の基準長(身長×0.68)をしっかり計算し、さらに下りでの延長分(+5〜10cm)が、そのポールの調節範囲内にしっかり収まっているかを絶対に確認してください。ここを間違えると、山で全く使い物にならない悲しい思いをすることになります。
トレッキングポールのアンチショック機能に関しての有無も迷うところです。
この機能に関しては別ページで解説していますので、そちらも参考に読んでみて下さい。
身長別の長さ早見表【145〜185cm】
「計算式は分かったけど、結局自分は何cmを選べばいいの?」という方のために、身長5cm刻みの早見表を作りました。登山用の基準長(身長×0.68)とウォーキング用(身長×0.65)、そして下り斜面での目安をまとめて確認できます。
| 身長 | 登山用の基準長(×0.68) | ウォーキング用(×0.65) | 下りでの目安(基準+5〜10cm) |
|---|---|---|---|
| 145cm | 98.6cm | 94.3cm | 約104〜109cm |
| 150cm | 102.0cm | 97.5cm | 約107〜112cm |
| 155cm | 105.4cm | 100.8cm | 約110〜115cm |
| 160cm | 108.8cm | 104.0cm | 約114〜119cm |
| 165cm | 112.2cm | 107.3cm | 約117〜122cm |
| 170cm | 115.6cm | 110.5cm | 約121〜126cm |
| 175cm | 119.0cm | 113.8cm | 約124〜129cm |
| 180cm | 122.4cm | 117.0cm | 約127〜132cm |
| 185cm | 125.8cm | 120.3cm | 約131〜136cm |
表の数値は、メーカーが案内している目安の計算式から出した机上の数値です。端数は近い数字に丸めてかまいません。腕の長さや歩き方の癖でベストな長さは前後するので、最後はグリップを握って肘が90度になるかで微調整してください。
サイズ展開のあるポールを選ぶとき
身長175cm以上の方は、下りで+10cmしてもMAX長に余裕があるロングモデルが安心です。150cm前後の方は、軽くて使用サイズの下限が短いショートモデルや女性用モデルが候補になります。調節幅の狭い折りたたみ式は、この表の「下りでの目安」までカバーできるかを購入前にチェックしてください。
トレッキングポールの長さは身長で決まる

ここからは、少し応用編です。アウトドアメーカーごとの設計思想の違いや、身長が極端に高い・低い場合、または家族でポールをシェアしたい場合など、特別なケースでのサイズ選びについて掘り下げていきましょう。
メーカーや体格別の各論に入る前に、お店やネット通販でそのまま使える「長さ選びの最終チェックリスト」を置いておきますね。候補のポールが見つかったら、この5つを順番に確認してみてください。
- 基準長(身長×0.68)が、そのポールの調節範囲に無理なく収まっているか
- 下りで使う「基準長+5〜10cm」がMAX長を超えていないか(STOP/DANGERの印まで伸ばして使うのはNG)
- 登りで短くした長さにも対応できるか(急登が多いならメーカー表記の「使用サイズ」の下限もチェック。収納サイズは携行時の寸法なので別物です)
- 夫婦や家族で兼用するなら、背の高い方の下りの長さまでカバーできるか
- 2つのサイズで迷ったら、軽くて短い方(強度面で有利)を選んでいるか
モンベルのポール長さ選びのポイント
日本の山の定番、モンベルのトレッキングポールは、少し変わった設計をしています。一般的な3段ポールは上下2箇所のロックで長さを変えますが、モンベルの多くは「上と中の接合部」だけで長さを調節する設計になっているんです。
これの何が良いかというと、ポールの重心が手元(グリップ)に近くなるんです。重心が手元にあると「スイングウェイトが軽い」と感じられ、ポールを前に振り出す時の腕の疲れが全然違います。
長時間の縦走などでは、この軽さがじわじわと効いてきます。長さの数値だけでなく、こういったメーカーごとの「疲労を減らす工夫」も知っておくと、ギア選びがもっと楽しくなりますよ。
シナノが推奨する長さ目安と合わせ方
日本の老舗ポールメーカーであるシナノは、日本人の体格に合わせた細やかなサイズ展開が魅力です。計算式も「身長×0.68」を推奨しています。
シナノのガイドラインで特に参考になるのが、「自分の基準長が、製品のサイズ展開の境界線(どっちのサイズも選べそうな微妙なライン)になったらどうするか?」という疑問への答えです。
メモ
迷った場合は、「少しでも軽量で、かつ短いサイズの製品」を選ぶことが推奨されています。
同じ材質なら、ポールは短い方が曲がる力に対して強くなり、折れにくくなるからです。ただ、軽さを求めて極端に短いものを選ぶのはNGです。あくまで自分の身長の目安値を基準にしてくださいね。
低身長向けのトレッキングポール選び
身長が150cm前後、あるいはそれ以下の小柄な方の場合、ポールの「重さ」が標準体格の人以上に負担になりやすいです。数グラムの違いが、後々大きな肩の疲れになってきます。
そのため、低身長の方は「女性用(ウィメンズ)モデル」や「ショートモデル」を積極的に選ぶことをおすすめします。これらは使われている素材の量が少ないため、物理的に軽くなっています。
また、登りではポールを短くして使うことになるので、購入前にメーカー表記の「使用サイズ(調節範囲)」の下限を確認しておきましょう。ここで注意したいのが、スペック表の「収納サイズ」は歩く時に使える長さではないということ。例えばモンベルのトレールポール カムロックは、収納サイズ60cmに対して使用サイズは105〜130cmです。収納サイズはザックに括り付ける時の携行寸法なので、急な登りで短く使えるかどうかは必ず使用サイズの下限で見てくださいね。
高身長向けトレッキングポールの長さ
逆に身長が180cmを超えるような高身長の方の場合、注意すべきは「下り斜面で十分に長くできるか」です。
高身長の人は基準の長さが元々長いので、下りでさらに「+10cm」長くしようとした時に、ポールの使用サイズの上限(MAX長)を超えてしまうことがあります。先ほども言いましたが、シャフトのSTOP/DANGER表示が見えるところまで伸ばして使うと、設計上の強度を保てず折れや曲がりの原因になるとメーカーも注意喚起しています。MAX長いっぱいで使うのも調整の余裕が無くなるので、できれば避けたいところです。
ですので、高身長の方は、まず自分の基準長(身長×0.68)に下りの延長分(+5〜10cm)を足した長さを出し、それが製品の使用サイズの上限に余裕をもって収まるかを確認してください。例えば身長180cmなら基準長は122.4cm、下りの目安は約127〜132cmなので、MAX長130cmのモデルでは+10cmを取り切れません。この場合はMAX135〜140cm前後まで対応する「ロングモデル」を候補にすると安心ですよ。
夫婦で兼用する場合の長さの合わせ方

「たまにしか行かないから、夫婦で1組のポールを使い回したい」というケースもよくありますよね。例えば、身長175cmの夫と155cmの妻で兼用する場合、どちらのサイズに合わせて買えばいいのでしょうか。
この場合、安全面を考えると「身長の高い方(この場合は175cmの夫)の基準長と、下りでの延長分をカバーできる長めのサイズ」を選ぶのが正解です。
背の高い人が短すぎるポールを無理に使うと、姿勢が崩れて転倒したり、限界を超えて伸ばしてポールが折れたりする危険があるからです。背の低い人が長いポールを使う分には、重さは少し増えますが、短く調節すれば問題なく使えます。兼用する場合は「大は小を兼ねる」で選んでみてください。
まとめ:トレッキングポールの長さと身長

いかがでしたでしょうか。トレッキングポールは、長さと身長のバランスをしっかり計算して選ぶことで、膝まわりの負担を分散しやすくなり、山歩きがぐっと快適になります(効果の感じ方には個人差があります)。
今回のポイントを最後におさらいしておきますね。
- 登山用ポールの基準長は「身長×0.68」。肘が90度になるのが理想。
- 登りは少し短く、下りは+5〜10cm長くして地形に合わせる。
- 折りたたみ式は調節幅が狭いので、事前のサイズ計算を念入りに。
- 迷ったら「大は小を兼ねる(兼用の時)」や「短い方(強度の観点)」など、状況に合わせて選ぶ。
もちろん、骨格や歩き方の癖によって個人差がありますので、今回ご紹介した数値は「あくまで一般的な目安」として参考にしてください。最終的なフィッティングは、実際に登山靴を履いた状態でお店で試してみるか、専門店でアドバイスをもらうのが一番確実かなと思います。
自分の身長にぴったりのトレッキングポールを見つけて、膝を気にすることなく、もっと遠くの山へ出かけてみませんか?僕もまた新しいギアを試したら、このブログで報告しますね!それでは、安全で楽しい山旅を!
使わない区間でポールをザックへしまう方法はこちらです。
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