こんにちは、YAMA-GO編集部のりょうです。関西を拠点に、北アルプスを中心にULスタイルで山を楽しんでいます。このブログ「YAMA-GO」では、実際に使ったギアのレビューや選び方、山のノウハウなんかを発信しています。
トレッキングポールを買うと、先端に黒いゴムが付いていますよね。「これ、山でも付けたままでいいの?」と迷う方は多いと思います。外すと滑りにくいと聞く一方で、付けないと登山道を傷めるとも聞く。正直、どちらが正しいのか分かりにくいところです。
僕は初めての富士登山にポールを持っていかず、砂利の下りで足を痛めて後悔しました。それ以来、ポールの使い方は人より少し気にしているほうかもしれません。
この記事では、メーカー各社の取扱説明や長野県・利尻山などの公的ルールを確かめながら、先ゴムを付ける場面と外す場面を路面別に整理しました。結論から言うと、基本は付けて歩き、雪や凍結路など石突きを効かせたい場面だけ外すのが現実的な使い方です。
- 先ゴムは基本付けたまま、雪や凍結路では外すという判断の軸
- 土・木道・岩場・移動中など路面別の付け外し早見表
- 先ゴムが外れる・すぐ削れる時の原因と山での対処
- 予備の持ち方と互換品番・内径の確かめ方
先ゴムは必要?答えは路面と同行者で付け外し
先ゴムは「付けっぱなし」でも「外しっぱなし」でもなく、路面と周りの人に合わせて付け外しする道具です。雪のない登山道や人の多い場所では付け、雪や凍結路で滑りが怖い場面では外す。これがメーカーと公的ルールに共通する考え方です。

ポールの先っぽの黒いゴム、山では外すものだと思ってたよ。付けたままでいいの?
僕も最初はどっちなんだろうと迷いました。メーカーの説明を見ると、実は両方書いてあるみたいですよ。
両方? じゃあ、どんなときに付けて、どんなときに外すのか一緒に見ていこう!
シナノ・LEKI・ブラックダイヤモンドの3社は、どこも「基本は付ける」と「滑りやすい状況では外す」の両方を案内しています。利尻山の協議会も「路面状況によってキャップの着脱を判断」と書いています。
長野県のルールも、装着を求める対象を「雪のない登山道」に限っています。つまり先ゴムは、最初から付け外しする前提の道具なんですね。
先ゴムの基本の考え方
付けるのが基本で、外すのは例外。外したら、雪が消えた・木道に出た・車道や駅に出た時点で付け直す。
付けたまま歩いてよい?基本は付けたまま歩く
付けたまま歩いて問題ありません。むしろ雪のない登山道では、付けたまま歩くのが標準です。環境省も国立公園の利用マナーとして「保護キャップをつけましょう」と呼びかけています。
先ゴムを付ける理由は、4つに分けると分かりやすいです。守る相手ごとに整理すると、次のようになります。
| 理由 | 守るもの | 具体例 |
|---|---|---|
| 自然 | 木道・木の根・登山道 | 金属の先端が木道や土を削るのを防ぐ |
| 人 | すれ違う人・後ろの人 | 移動中やすれ違いで石突きが当たる事故を防ぐ |
| 物 | 岩・ほかの荷物 | 岩のひっかき傷や、携行時に荷物を傷つけるのを防ぐ |
| 音 | 周りの静けさ | 岩を突くカチカチ音を抑える |
「付けると滑るのでは」と心配な方もいますよね。シナノは先ゴムにも滑り止めの効果があると書いています。AMC(アパラチアン・マウンテン・クラブ)も、通常の条件なら十分なグリップがあるという立場です。
乾いた土の道なら、付けたままで困る場面は多くないはず。外すのは、次の章で紹介する「石突きを効かせたい路面」だけで十分です。
先ゴムと石突きの役割はどう違う?
石突きはポール先端の金属部分で、地面に刺さって「効かせる」のが役割。先ゴムはその石突きにかぶせて、地面や周りを「守る」のが役割です。
石突きには超硬合金(カーバイド)が使われています。ブラックダイヤモンドは、カーバイドの先端を「固い地面や氷に有効」と説明しています。
一方の先ゴムは、メーカーによって呼び名がばらばらです。交換品を探すときに迷いやすいので、主な呼び名をまとめておきます。
| メーカー | 先ゴムの呼び名 |
|---|---|
| モンベル | ポイントプロテクター |
| ブラックダイヤモンド | ティッププロテクター/テックティップラバー |
| LEKI(キャラバン) | スリップレスラバー |
| 汎用品・DABADA など | ラバーキャップ/ウォーキングキャップ |
「先ゴム」で探して見つからないときは、メーカーごとの呼び名で探すと早いですよ。
石突きは「効かせる」、先ゴムは「守る」。役割が逆なので、路面に合わせて使い分けます
路面別に先ゴムを付ける場面・外す場面の早見表
迷ったら、雪がなく人や木道がある場所は付ける、雪や氷で石突きを効かせたい場所は外すと覚えておけば大きく外しません。メーカーや公的ルールの記述をもとに、路面・状況ごとに整理するとこうなります。

| 路面・状況 | 先ゴム | 理由 |
|---|---|---|
| 乾いた土の登山道 | 付ける | 登山道の侵食を防ぐ |
| 木道・木の階段・木橋 | 付ける | 木道を傷つけない |
| 木の根が張り出した道 | 付ける | 木の根を傷つけない |
| 舗装路・林道・車道 | 付ける | 硬い路面での使用を前提にした作り |
| 人の多い道・すれ違い | 付ける | 石突きによる事故を防ぐ |
| 電車・バス・駅 | 付ける | メーカーが装着を求めている |
| ザックに外付けする時 | 付ける | 先端が人やザックカバーに当たる |
| 雨で濡れた急斜面・ザレ場 | 状況で外す | 滑りにくさを優先して判断 |
| 積雪・凍結路 | 外す | 石突きを雪や氷に効かせる |
| ぬかるみ・軟らかい土 | 突く位置に注意 | ポール自体が路面を傷めやすい |
| 岩場・鎖場・岩稜 | ポールをしまう | 両手を使う場所では邪魔になる |
この表は、あくまで一般的な目安として使ってください。同じ山でも季節や天気で路面は変わります。最終的には、その日の足元を見て判断するのが前提です。
場所による補正もあります。国立公園や長野県の山、利尻山、立山のように装着を呼びかけている山域では、雪がない限り付けるのが基準と考えておくと安心です。
土・木道・舗装路は付ける
乾いた土の道、木道、舗装路の3つは、迷わず付けたままで大丈夫です。どれも先ゴムを外すメリットがほとんどない路面だからです。
土の道では、金属の先端が路面に小さな穴をあけ、侵食を進めてしまいます。実際に計測した研究もあるので、次の章で紹介しますね。
木道や木の根も、石突きで突くと表面が削れます。シナノは先ゴムの目的を「木道や、登山道内の木の根を傷つけてしまうのを防ぐ」と説明しています。
2021年5月に上高地から涸沢へ歩いたときも、明神までの道には苔むした岩と木の根が露出していました。残雪期でも下のほうは雪がなく、こういう道こそ先ゴムが活きる場面だなと思います。
登山口までの車道や林道も同じ考え方です。ブラックダイヤモンドのラバーティップや汎用キャップは、硬い舗装路での使用を前提に作られています。車道を歩く区間では、付けたままにしておきましょう。
すれ違い・電車移動・ザック外付けは必ず付ける
人の近くにポールの先端がある場面では、路面に関係なく必ず付けると決めておくのがおすすめです。尖った石突きは、思った以上に人に近い位置を通ります。
シナノは先ゴムに「移動中の石突による事故防止効果」があるとし、電車・バスでの移動中は装着が義務としています。LEKI の取扱説明書も、移動時の携行では必ず装着するよう求めています。
見落としやすいのが、ザックにポールを外付けして歩く場面です。サイドポケットに石突きを上向きで差すと、先端が後ろの人やザックカバーに当たりやすくなります。
細い登山道でのすれ違いも要注意。外付けしたポールが、すれ違う相手の目の高さをかすめる位置に来ると示した検証もあります。外付けするなら先ゴムは付けたまま、が基本ですね。
飛行機で運ぶとき
国土交通省の一覧では、登山用ストックは機内持ち込み不可・預け入れ可です。畳んで60cm以下なら持ち込める例外もありますが、先端に尖った金属が付いたものは対象外です。航空会社ごとに規則が違うので、正確な情報は利用する航空会社の公式サイトでご確認ください。
雪・凍結路は外す、泥道やザレ場は状況判断
積雪や凍結した道では、先ゴムを外して石突きを使います。雪や氷の上では、ゴムより金属の先端のほうが食い込んで効くからです。
シナノは「積雪期などで登山道が滑りやすくなっている状況では、安全のために先ゴムを外して石突の使用がおすすめ」と案内しています。外し方は、真っすぐ引っ張ってシャフトから引き抜くだけです。
2021年5月の残雪期の涸沢では、夏道が完全に雪に埋まっていて、登山靴にチェーンスパイクを付けて歩きました。こういう雪の斜面は、まさに先ゴムを外す側の路面です。
判断が分かれるのは、雨で濡れた土の急斜面やザレ場(細かい砂礫の斜面)です。LEKI は「安全性を優先し、取り外して使用することも状況に応じてご判断ください」としています。滑りが怖いと感じたら外す、くらいの感覚でいいかなと思います。
ぬかるみや軟らかい土は、少し別の考え方が要ります。AMC は、こうした路面ではポールが路面を傷めやすいとして、使用自体を避けるよう勧めています。突く位置を選ぶか、その区間だけ使わないという選択肢もあります。
外した先ゴムは、ポケットや小物入れなど置き場所を決めてからしまいましょう。雪が消えたり木道に出たりしたら、その時点で付け直します
岩場で滑る?北アルプスの岩稜ではポールをしまう
岩場で滑るのが怖いなら、先ゴムを外すよりポールそのものをザックにしまうほうが先です。シナノは、岩場・岩稜帯・狭い稜線・片側が切れ落ちた場所ではポールを使わないよう案内しています。
モンベルも、両手を使う場所ではポールから手を離し、可能ならバックパックに収納するよう勧めています。鎖やはしごが出てくる場所では、ポールは手の自由を奪う道具になってしまいます。
そもそも純粋な岩の上は、どんな先端でもよく効くわけではないそうです。長距離ハイカーの Andrew Skurka もそう指摘していて、カーバイドが効くのは土と岩が混じった路面や氷とされています。
乾いた岩の上なら、岩を傷つけないよう先ゴムを付けたままで歩く場面が多いですね。アパラチアン・トレイル保全協会も、岩のひっかき傷やカチカチ音を避けるためにラバーティップを勧めています。
2021年10月に穂高のパノラマコースを歩いたときは、手書きの看板に「ストック使用禁」と書かれていました。崩落箇所があり、健脚者・熟達者のみ通行可という注意書きと一緒です。
北アルプスの岩稜では、こうした現地の表示にも必ず従ってください。岩場に入る前にポールを縮めてしまう準備をしておくと、慌てずに済みますよ。
キャップなしの6割が登山道を削る?マナーと装着ルール
先ゴムを付ける一番の理由は、登山道を守ることです。雪のない登山道では先ゴムを付けるのがマナーで、長野県や利尻山のようにルールとして明文化している山域もあります。(出典:環境省『利尻礼文サロベツ国立公園 利用のマナー』)

ポールの先っぽくらいで、山の道ってそんなに傷むの?
僕も小さな穴くらいだと思っていました。でも、実際に路面を測った研究があるみたいですよ。
ネパールのサガルマータ国立公園で行われた研究(2025年発表)では、訪問者の53.6%がトレッキングポールを使っていました。そのうち59.2%がキャップなしで、金属の先端がむき出しだったそうです。(出典:Wang & Watanabe (2025) Environmental Challenges)
ポールを使う人の約6割が、何もかぶせずに歩いていた計算です。研究チームはスマートフォンの3Dスキャンで路面を計測し、キャップなしのポールが多数の小穴をあけて侵食を進めていたことを示しました。
特に影響が大きかったのは、モンスーン後に路面が緩んだ時期だそうです。雨のあとの柔らかい道ほど、先端の穴が崩れのきっかけになりやすいということですね。
日本でも、2024年の日本地球惑星科学連合の大会で、靴とポールによる登山道の侵食を比べた発表がありました。ポールを加えると、土の表面が横に広がりやすくなったと報告されています。
侵食への影響が一番大きいのは、靴の硬さと重さだそうです。ポールはそこに上乗せされる形なので、先ゴム一つで減らせる分は減らしておきたいところです。
こうした背景から、国内でも先ゴムの装着を呼びかける動きが広がっています。主なものを整理しておきます。
| 主体 | 内容 |
|---|---|
| 環境省(国立公園の利用上のマナー) | 登山道の浸食を防ぐため、保護キャップを付けるよう呼びかけ(法的規制ではなくマナー) |
| 長野県「山岳の適正利用に関する12の基本ルール」 | ⑦「雪のない登山道ではストックに保護キャップを付ける」 |
| 利尻山「利尻ルール」 | ルール②「ストックにキャップをつける」。もろい火山土壌の侵食を防ぐため |
| 立山(富山森林管理署など) | 2025年度は13名のパトロール員が、ストックキャップ装着を呼びかけ |
長野県のルールが「雪のない登山道では」と条件付きで書いている点は、付け外しの境目を考えるうえで参考になります。雪の上は外してよく、雪が消えたら付ける。公的な資料も、早見表と同じ線を引いているわけです。(出典:長野県『山岳の環境保全と適正利用の方針』)
利尻山の協議会は、ツアー登山の企画者にも参加者へキャップを用意させるよう求めています。グループやツアーで山に行くなら、先ゴムは事前の持ち物に入るものと考えておきましょう。
国立公園や長野県・立山・利尻山などでは、雪がない限り先ゴムを付けるのが基準と考えておきましょう
マナーは罰則のある決まりではないものの、登山道はみんなで使う共有の道ですよね。山域ごとの正確なルールは、各自治体や管理団体の公式サイトでご確認ください。
先ゴムが外れる・すぐ削れる時の原因と対処
先ゴムが外れるのは、径が合っていないか、ゴムがすり減って保持力が落ちているケースが多いです。すぐ削れるのも消耗品だからで、減ったら交換すれば大丈夫ですよ。

先ゴムは基本的に、石突きに押し込んで摩擦で留まる構造です。そのため登山中に緩んで落ちやすく、シナノも「紛失してしまう方も多い」と書いています。
しかも、山に落ちた先ゴムは自然に還りません。シナノは環境破壊の要因になるとも説明しています。登山道を守るための先ゴムがごみになってしまっては、本末転倒ですよね。
外れる原因と山での対処、テープ固定と目視点検
外れる原因は、大きく4つに分けられます。原因ごとに対処が違うので、まずは自分がどれに当てはまるかを確かめてみてください。
| 原因 | 対処 |
|---|---|
| 径が合っていない(社外品・他メーカー品) | 純正品や適合品番に戻す |
| ゴムの摩耗・劣化で保持力が落ちた | 新しい先ゴムに交換する |
| 押し込み式で抜けやすい構造 | ストッパー付きなど抜けにくい構造の品に替える |
| 外したあとの置き忘れ | しまう場所を決めておく |
抜けにくい構造の品としては、シナノがストッパー付きの「落ちにくい先ゴム」(PP-25 など)を勧めています。DABADA の新型も、キャップ内側にスクリュー状の溝を設けて抜けにくくしたと販売説明にあります。
山の上ですぐできる対処が、テープでの固定です。利尻山の協議会は「キャップは外れやすいので、ガムテープで巻いたり、接着剤でつけておくと良い」と案内しています。
接着剤で留めると簡単には外せなくなります。雪の上で外す可能性がある山行なら、テープのほうが扱いやすいかなと思います。
もう一つ効くのが、こまめな目視点検です。休憩のたびと、路面が変わるタイミングで先端を見る習慣をつけると、落としてもすぐ気づけます。AMC も、ラバーティップがしっかりはまっているか確かめるよう勧めています。
山での外れ対策
出発前に純正・適合品か確かめる。テープで巻いて固定する。休憩ごとに先端を目で確かめる。外した先ゴムはポケットなど決めた場所へしまう。
すぐ削れるのは消耗品だから、交換の目安
先ゴムは、岩場や砂利の道を歩くと削れていく消耗品です。モンベルもポイントプロテクターを消耗品と位置付けていて、すり減ったら交換する前提になっています。
交換の目安は、すり減って薄くなったときや、ゆるくなって抜けやすくなったとき。距離のはっきりした基準はないので、見た目と付け心地で判断するのが現実的です。
注意したいのは、石突き(カーバイド)そのものも減ることです。長距離ハイカーの報告では、約800〜1,200kmで交換という例もあれば、約240kmで2本とも壊れた例もあります。
幅がかなり大きいので、距離より状態で見るほうが確実ですね。壊れるのはカーバイドより周りのアルミや樹脂部分で、抜け落ちる前か、小さな突起状に削れた時点で交換するのがよいとされています。
石突きごと減っている場合は、先ゴムの交換ではなくメーカー修理の領域です。たとえばシナノは、石突ジョイント交換を1,100円(税込・2026年9月時点)で受け付けています。
海外では、お湯で樹脂を温めて自分で石突きを交換する例もあります。ただ、熱でカーボンシャフトが変形した失敗例もあるので、無理に自分で外さないほうが無難です。国内メーカー品なら、メーカーや購入店に相談するのが安心かなと思います。
予備のゴムキャップと交換品はどう選ぶ?
予備は自分のポールに合う品番で、2本使いなら最低2個用意しておくのがおすすめです。交換品は自分のモデルに合う純正品番なら適合が確実で、汎用品を選ぶなら内径を必ず確かめます。

予備のゴムまで持つの? 荷物、軽くしたいんじゃなかった?
軽さは大事ですけど、削らないほうがいい物もあるかなと思っていて。ここは一緒に考えてみましょう。
ULでも予備は削らない、2本なら2個が最低単位
ULの考え方でも、先ゴムの予備は削らなくていい装備だと僕は考えています。小さくて軽いわりに、無くしたときの困り方が大きいからです。
モンベルのポイントプロテクターは1個10g。ブラックダイヤモンドのテックティップラバーは2個で8gです。ザックの中では、ほとんど気にならない重さですよね。
一方で、装着を求められる山域で先ゴムを無くすと、ルールに沿って歩けなくなります。片方だけ金属むき出しのまま下山するのは、気持ちのいいものではありません。
先ゴムは1本に1個必要なので、2本使いなら2個が最低単位です。シナノは1個単位、ブラックダイヤモンドは1ペア単位で販売しているので、買うときの数にも気をつけましょう。
予備は1〜2個を小物入れに入れておけば十分かなと思います。利尻山の協議会が求めているように、予備も自分のポールのメーカーに合うものを選んでおくと安心です。
そもそも1本で使うか2本で使うかは、グリップの型と山行で決まります。型ごとの選び方はこちらで解説しています。
関連記事:トレッキングポールのT型とI型の違い
互換は品番と内径で確かめる、付属キャップ付きも
交換品を選ぶときは、まず自分のポールのメーカーと品番、次に先端の径を確かめるのが近道です。ブランドによって先端径が違い、社外品が合わない例は珍しくありません。
たとえば、ブラックダイヤモンドのティップが Fizan に付かない、LEKI の汎用ティップが CMT には小さい、といった例が報告されています。社外ティップに替えたら、下段シャフトが約3.75cm長くなった例もあるそうです。
| 比較軸 | 違い |
|---|---|
| 純正か汎用か | 自分のモデルに合う純正品番なら適合が確実。汎用は内径10mm・11mm・11.8mm・12mmなどがあり、径が合わないと抜けやすい |
| 形状 | 石突きにかぶせる筒型と、底が斜めに広く接地するブーツ型(舗装路向け) |
| 抜けにくさ | ストッパー付きや内側に溝がある構造は外れにくい |
| 入数 | 1個入り〜12個入りまで幅がある |
| 付け替え方式 | ブラックダイヤモンドは先端ユニットごと付け替える方式もある |
シナノのポールなら、公式FAQの判別方法が分かりやすいです。バスケット下部のジョイントがアルミ材なら PP-07-08、黒いプラスチックなら PP-25 が適合します。ただし公式の先ゴム一覧ページでは、黒いプラスチックのジョイントがある場合は「PP-25-10mmまたはPP-F2-10mmが適合します」とされています。黒いジョイントだけでは PP-25 と決めきれません。
旧品の PP-15・PP-16・PP-20 を使っていた場合も、直径の合う後継品として PP-25 を使えるそうです。落ちにくい先ゴムなので、外れやすさに悩んでいる方にも向いています。
ただし、折りたたみ系の一部モデル(ロングトレイル等)は PP-F2(10mm)と仕様表に書かれています。同じメーカーでもモデルで型番が変わるので、手持ちのポールの仕様表を一度見ておくと安心です。
シナノ 落ちにくい先ゴム PP-25
ストッパー付きで抜けにくい先ゴム。ジョイントが黒いプラスチックのシナノ製ポール向け。PP-F2 が合うモデルもあるので、購入前に仕様表で品番を確認(1個単位の販売)
ブラックダイヤモンドのポールなら、純正のティッププロテクターが1ペア1,870円(税込・2026年10月時点)です。携行時の保護に加えて、木道や植生を傷つけたくないときにも有効とされています。
ただしブラックダイヤモンドは、モデルや年式で先端パーツの適合が変わります。購入前に、自分のポールが対応しているかを確認しておきましょう。
ブラックダイヤモンド ティッププロテクター
ディスタンスシリーズ以外の BD ポールに付属する純正プロテクター。携行時や木道で先端を守りたいときに
価格目安:1,870円(1ペア・税込)
モンベルのポールなら、純正のポイントプロテクター(314円)があります。旧モデルには一部対応しないパーツがあるので、適合は公式の修理・パーツ窓口で確認すると確実です。
これからポールを買う方は、先ゴム類が付属しているかも見ておくと便利です。DABADA のポールには、トレッキングキャップ・ウォーキングキャップ・バスケットなどのスタートキットが付くと販売ページに書かれています。
ウォーキングキャップは底が広く接地する形で、舗装路で安定させるためのもの。キャップ類はねじ込み式で付け替えるそうなので、登山道と舗装路で使い分けたい方には扱いやすいかもしれません。
DABADA アルミ製 トレッキングポール 2本セット(SGマーク取得)
トレッキングキャップ・ウォーキングキャップ付きのスタートキットで、先端の付け替えを試しやすい
価格や適合は変わることがあります。正確な情報は、各メーカーの公式サイトでご確認ください。
トレッキングポールの先ゴムのよくある質問
先ゴムを付けずに歩くと罰則はありますか?
環境省の呼びかけは「国立公園の利用上のマナー」で、法的な規制ではありません。ただ、長野県や利尻山のようにルールとして装着を求めている山域があり、立山ではパトロール員が装着を呼びかけています。罰則の有無に関係なく、雪のない登山道では付けて歩くのがおすすめです。山域ごとの正確なルールは、自治体や管理団体の公式サイトでご確認ください。
山の途中で先ゴムを無くしたら、どうすればいいですか?
予備があれば、その場で付け直すのが一番です。予備がない場合は、人の近くや木道では先端の扱いにいつも以上に気をつけて歩きましょう。利尻山のように、島内の宿泊施設やキャンプ場でシナノ製キャップを販売している例もあります。次の山行からは、予備を小物入れに入れておくと安心ですよ。
先ゴムを付けているとき、バスケットは外してもいいですか?
バスケットの扱いはメーカーで考え方が分かれます。LEKI は必ずバスケットを付けて使うよう求めていて、外すと固定ピンが外れたり、シャフトが岩や木道の隙間に挟まったりする原因になるとしています。一方で AMC は、密な植生の中では植物に引っかかるので外すことも検討するよう勧めています。自分のポールの取扱説明書に従うのが確実です。
電車やバスで持ち運ぶとき、先ゴム以外に気をつけることはありますか?
ポールを縮めて先ゴムを付け、周りの人に先端が当たらないようにするのが基本です。JR東日本・JR東海では、無料で持ち込める手回り品は3辺の合計250cm以内(長さ2mまで)・30kg以内を2個までで、縮めたポールは寸法内に収まります。ケースや袋に入れておくと、混んだ車内でも安心です。正確な規定は各鉄道会社の公式サイトでご確認ください。
まとめ:トレッキングポールの先ゴムは基本付けて雪で外す

付けるか外すかって、二択じゃなかったんだね。
そうなんです。基本は付けて、雪や凍結路で外す。外したら付け直す、までがセットみたいですね。
トレッキングポールの先ゴムは、必要か不要かの二択ではなく、路面と周りの人に合わせて付け外しする道具です。最後に要点を振り返っておきます。
- 雪のない登山道・木道・舗装路では先ゴムを付けたまま歩く
- すれ違い・電車やバスでの移動・ザックへの外付けでは必ず付ける
- 積雪・凍結路では外して石突きを効かせ、濡れた急斜面やザレ場は状況で判断する
- 岩場・鎖場・岩稜では、先ゴム以前にポールをしまう
- 外れる原因は径の不一致と摩耗が多く、テープ固定と休憩ごとの点検が効く
- 予備は自分のポールに合う品番で、2本使いなら最低2個
先ゴムは小さなパーツですが、登山道と周りの人を守る大事な役目を持っています。付ける・外す・付け直すをセットで考えるだけで、ポールはぐっと気持ちよく使えるはずです。
紹介した内容は、メーカーや公的機関の情報をもとにした一般的な目安です。山域ごとのルールや最新の適合情報は、各メーカー・自治体の公式サイトでご確認ください。判断に迷う山行では、山岳ガイドなど専門家に相談するのもおすすめです。
