こんにちは、YAMA-GO編集部のりょうです。関西を拠点に、北アルプスを中心にULスタイルで山を楽しんでいます。このブログ「YAMA-GO」では、実際に使ったギアのレビューや選び方、山のノウハウなんかを発信しています。
岩場のある山に行くためにヘルメットを買うと、次に迷うのが運び方ですよね。カラビナで吊るせば済む気もするし、ザックに入れればいい気もする。調べても出てくるのはヘルメットのおすすめ記事が中心で、「ホルダーは本当に必要か」に正面から答えてくれる情報は意外と少ないんです。
僕は2017年に初めて奥穂高岳へ登ったとき、ヘルメットを持たずにザイテングラートを歩きました。下山の途中、涸沢ヒュッテで滑落した人のヘルメットの傷跡の展示を見て、考えを改めた一人です。
この記事では、ヘルメットを持っていくこと自体は削らない前提で、運び方を3つの方法で比べます。そのうえで、ヘルメットホルダーが必要な人・いらない人の線引きを、できるだけ具体的に整理しました。
- ヘルメットホルダーが必要な人・いらない人を分ける2つの判断軸
- カラビナ吊るし・ザック内収納・ホルダーの揺れや落下リスクの違い
- ネット型と袋型の違いと、買う前に確かめたいザックの固定位置
- 外れにくい付け方と、使わない日のアウター置き場としての使い道
結論|ヘルメットホルダーが必要な人・いらない人
結論から言うと、ヘルメットを被る区間の前後で脱着があり、しかもヘルメットがザックの中に入らない人には、ホルダーは必要です。逆に、登山口から下山まで被り続ける人や、大きめのザックにすっきり収まる人には要りません。

判断の軸は2つだけです。1つめは「山行中に被る・外すの切り替えがあるか」。2つめは「ヘルメットがザックの中に入るか」です。この2つを掛け合わせると、自分がどこに当てはまるかが見えてきます。
| ザックに入らない(日帰りの小型ザックなど) | ザックに入る(容量と開口部に余裕あり) | |
|---|---|---|
| 被る・外すの切り替えがある | 必要度が高い(ホルダー推奨) | あれば便利(中に入れても可) |
| 最初から最後まで被る | 不要寄り | 不要 |
切り替えが発生する典型は、涸沢からザイテングラートを経て奥穂高岳へ向かうような行程です。岩場の取付までは長い登山道を歩き、岩場に入ってから被ります。被らない区間がある以上、その間の運び方が必ず問題になるわけです。
ザック側の目安は、日帰りの20〜25L級だとヘルメットが入らないか、入れると他の荷物が入らなくなることがある点です。小屋泊の30〜40L以上で余裕があれば、中に入れるのが追加費用ゼロの選択肢になります。
ホルダーがいらないケース
①登山口から下山まで被り続けるルート ②ザックに容量と開口部の余裕があり、中に収まる ③山小屋でレンタルし、小屋より先の区間だけで使う。この3つのどれかに当てはまるなら、無理に買わなくて大丈夫です。
もう1つ大事なのは、ホルダーを買っても付けられないザックがあることです。前面にループやベルトが4か所確保できないと固定できません。「買ったのに使えなかった」を避ける確認方法は、後半の選び方の章で詳しく触れますね。
前提|ヘルメット自体が要る山域と被るタイミング
ホルダーの話の前に、僕の立場をはっきりさせておきます。ヘルメットを持っていくかどうかは、運び方が面倒という理由で削らない。必要な山域で被ることが先にあり、運び方はそのあとに考える順番です。
長野県は岩稜帯・活火山・積雪期の危険山域を「山岳ヘルメット着用奨励山域」に指定しています。行き先がここに入るなら、ホルダーの要否より先に「どこで被るか」を決めておくと迷いません。
長野県のヘルメット着用推奨山域はどこか
長野県山岳遭難防止対策協会(県遭対協)が2013年に指定し、2023年8月25日付で改正したのが着用奨励山域です。指定の背景には、遭難者の4人に1人が頭部を負傷しているという実態があります。(出典:長野県『ヘルメット着用奨励山域』)
| 山域 | 区分 | 主な指定範囲 |
|---|---|---|
| 北アルプス南部(無雪期) | 岩稜帯 | 北穂高岳〜涸沢岳、前穂高岳一帯、西穂高岳〜奥穂高岳、大キレット、槍ヶ岳北鎌尾根・東鎌尾根など |
| 北アルプス南部(無雪期) | 活火山 | 焼岳、乗鞍岳 |
| 北アルプス北部(無雪期) | 岩稜帯 | 不帰の嶮周辺、八峰キレット周辺 |
| 南アルプス(無雪期) | 岩稜帯 | 甲斐駒ケ岳、鋸岳 |
| 中央アルプス(無雪期) | 岩稜帯 | 宝剣岳 |
| その他(無雪期) | 岩稜帯・活火山 | 戸隠山・西岳、御嶽山、浅間山 |
| 積雪期 | — | 滑落・転落・落石等の危険のあるすべての山域 |
見落としやすいのが、指定文書の注記です。「他の山域においてヘルメットが不要という主旨ではない」と明記されています。リストに無い山だから要らない、とは読まないでください。
たとえば八ヶ岳は奨励山域に入っていません。それでも山小屋関係者は、鎖場やハシゴが続く地蔵尾根、文三郎尾根、人の多い赤岳周辺での着用を勧めています。指定範囲は改正されることもあるので、正確な情報は県遭対協など公式サイトで確認してくださいね。
落石より転倒・滑落|涸沢で見た傷跡が語ること
ヘルメットというと落石対策のイメージが強いですよね。ところが長野県の令和6年の統計では、「転落・滑落、転倒」が163件で全体の50.8%を占めます。一方、落石は3件で0.9%でした。(出典:長野県警察本部山岳安全対策課・長野県山岳遭難防止対策協会『令和6年中 山岳遭難統計』)

つまり遭難の原因で多いのは、落石よりも自分自身の転倒や滑落ということです。落石が少ない山だから要らない、という理屈は成り立ちにくいと僕は考えています。
僕がそれを実感したのは、2017年8月に奥穂高岳から下山したときでした。涸沢ヒュッテに、マムートのヘルメットが展示されていたんです。添えられた札には「ザイテングラート滑落遭難者用ヘルメット 頭を守った際のキズ跡」とありました。
そのときの僕はヘルメット無しで、前日にザイテングラートを登ったばかり。事故があったと聞いた場所でもありました。実物の傷を目の前にすると、他人の落石も自分の足元のミスも、自分では完全にはコントロールできないと思い知らされます。
運び方が面倒なら、ホルダーやレンタルで手間を減らす。ヘルメットそのものを置いていく方向には削らないのがおすすめです。
被るタイミングはどこから?ザイテングラートの線引き
目安は、岩場・ハシゴ・鎖場の取付に入る手前で被ることです。危険な区間に入ってから被ろうとすると、足場の悪い場所でザックを下ろす羽目になります。
県遭対協の山岳通信(2016年)は、ザイテングラートで8月25日以降に6件の遭難が続いたと報じました。亡くなった3名は、いずれもヘルメットを着用していなかったそうです。数字だけ見ると遠い話ですが、多くの人が歩く一般ルートでの出来事なんですよね。
僕が2017年に歩いたザイテングラートも、岩場に鉄ハシゴが架かる区間がありました。道自体はそこまで厳しくない印象です。ただ、上高地から7時間以上歩いたあとで、疲労がかなりたまっていました。疲れた体で岩場に入る、ここが気を抜けないポイントだと感じます。
長野県山岳総合センター所長のコラムは、「ここ一番のときはヘルメットを被って気合いを入れて通過する」と書いています。逆に、不帰キレットでザックにヘルメットを付けたまま歩く登山者を、意識が足りない例として挙げていました。
ここが線引きのポイントです。ホルダーは被らない区間の運び方の道具で、危険区間で付けたまま歩くための道具ではありません。同じ山岳通信は岩場でストックをしまうよう求めているので、取付では「ヘルメットを出してストックをしまう」作業がまとめて発生します。
2021年10月に岳沢から前穂高岳・奥穂高岳へ歩いたときは、稜線でヘルメットを被った自撮りが残っています。翌日の涸沢周辺の写真には、ザックの外側にヘルメットを付けて歩く場面も写っていました。被る区間と運ぶ区間が1つの山行で入れ替わるのが、北アルプスの岩場らしさかなと思います。
カラビナ吊るし・ザック内・ホルダーの3択比較
揺れ・傷・落下を抑えたいならホルダー、追加費用ゼロで一番安心なのはザック内収納、出し入れの速さだけならカラビナが向いています。手で持つ方法は、鎖場やハシゴで両手が必要になるため岩場では成り立ちません。

ねえりょう、ヘルメットってカラビナでザックにぶら下げれば十分なんじゃないの?
僕も最初はそう思ってました。でも揺れや引っかけのリスクがあるみたいなんですよ。3つの方法を並べて、一緒に確かめてみましょう。
| 比較の軸 | カラビナで吊るす | ザックの中に入れる | ホルダーで外付け |
|---|---|---|---|
| 揺れ | 大きい(点で固定し振られる) | なし | 小さい(四隅で面を押さえる) |
| 引っかけ・ぶつけ | 枝・岩・人に当たりやすい | なし | 出っ張る分、当たることはある |
| ヘルメットの傷 | つきやすい | つきにくい | 吊るすよりつきにくい |
| 落下 | カラビナが外れれば落ちる | なし | テンション不足だと抜ける |
| ザック容量 | 使わない | 大きく使う | 使わない |
| 出し入れの速さ | 速い | 遅い | 中くらい |
表を見ると、どの方法にも弱点があると分かります。大事なのは、自分の山行で一番困る弱点を避けることです。それぞれ詳しく見ていきますね。
カラビナでぶら下げるのが危険と言われる理由
カラビナ吊るしが危険と言われる一番の理由は、1点で留めるので歩くたびにヘルメットが振られることです。揺れは体の重心をわずかに乱します。足場の悪い場所ほど、その小さな揺れが気になってきます。
次に引っかけです。ぶら下がったヘルメットは、枝や岩、すれ違う登山者に当たりやすくなります。狭い登山道で人とすれ違うとき、後ろで揺れる物は自分から見えないのが厄介なところ。
傷と落下の問題もあります。岩や枝に直接こすれるので、表面の傷が増えます。カラビナのゲートが何かに押されて開けば、そのまま落ちることもありえます。紹介記事の筆者も、以前はカラビナで吊るしていて、傷や揺れが気になったと書いていました。
長野県山岳総合センター所長のコラムによると、かつてのクライマーはヘルメットをザックにぶら下げて歩くのが一般的だったそうです。慣れた人がやっていた方法なので、絶対ダメとまでは言いません。ただ、岩場に慣れていない人ほど避けたほうが無難かなと思います。
ザックに入れる|20Lで入るか・出し入れの手間
20〜25L級の日帰りザックだと、ヘルメットが入らないか、入れると他の荷物が入らなくなることがあります。容量だけでなく、開口部がヘルメットの幅より狭いと物理的に入りません。
反対に、小屋泊用の30〜40L以上で余裕があるなら、ザック内収納はかなり優秀です。揺れも引っかけも落下もなく、ホルダー代もかかりません。他の荷物と当たる程度で、傷もつきにくいです。
弱点は出し入れの手間です。岩場の取付でヘルメットを出すたび、ザックを下ろして荷物をかき分けることになります。休憩のたびに付け外しする行程だと、この手間がじわじわ効いてきます。
容量表記にも注意が必要です。ザックの容量には国内の統一規格がなく、メーカーごとに測り方が違います。同じ30Lでも、メイン気室に実際に入る量は変わります。手持ちのザックに入るかは、出発前に実物を入れて確かめるのが確実ですよ。
小屋泊なら、もう1つの手もあります。槍ヶ岳山荘の公式FAQは、穂先へ向かうときは大きなザックを小屋に置き、サブザックで登るよう勧めています。小屋から先だけ被る行程なら、大きなザックの中に入れておく運用でも困りにくいです。
ホルダーでも外付けのリスクはゼロにならない
ホルダーは面で押さえるので、カラビナより揺れも傷もぐっと減ります。ただし外付けである以上、リスクはゼロにはならない点は知っておきたいところです。

ドイター公式のパッキング解説は、ザックの外に装備を付けるのは「無しか、ごくわずか」にとどめるよう書いています。理由として挙げているのは、風の影響・濡れ・引っかかりの3つ。ホルダーも外付けの一種なので、この3つは避けきれません。
ヘルメットはザックの後ろに出っ張ります。振り返るとき、すれ違うとき、狭い岩の間を抜けるときは、いつもより一呼吸置いて周りを見てください。シート型は張りが弱いと、隙間からヘルメットが抜けることもあります。
ULの考え方で言えば、外付けは最小限が基本です。そのうえで、被る区間の前後に脱着が必要で、ザックにも入らないなら、ホルダーは「外付けの中ではいちばんマシな選択肢」と僕は捉えています。
買うならどのヘルメットホルダー?選び方と付け方
迷ったら、軽くて安いネット型(シート型)が汎用的です。落下や傷が特に心配な人は、ヘルメット全体を包む袋型が候補になります。どちらを選ぶにしても、自分のザックに固定場所が4か所あるかを先に確かめるのが失敗しないコツです。

なお、ここで挙げる製品は僕が使い比べたものではありません。各ブランドの公式情報をもとに整理しています。価格や仕様は変わることがあるので、購入前に公式サイトで最新情報を確認してください。
ネット型が汎用・袋型は落下に強い
ネット型は、伸びる布やメッシュ1枚でヘルメットの頭頂側を覆い、四隅をザックに留めるタイプです。袋型は、ヘルメット全体を袋で包んでジッパーやボタンで閉じます。
| 形状 | 重さの目安 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|---|
| ネット型(シート型) | 25〜77g程度 | 軽い・安い・畳むと小さい | 袋型より抜けやすい。あご紐での二段固定が必要 |
| 袋型(フルクローズド) | 110〜136g程度 | 閉じれば落下の心配が少ない・傷がつきにくい | 重く、価格が高くなりやすい |
ネット型は重さも価格も控えめで、たいていのザックに合わせやすいのが強みです。一方、落下の不安を減らしたいなら袋型。中身が完全に覆われるので、抜け落ちの心配はぐっと小さくなります。
主なブランドの公式価格と重さを並べると、次のとおりです(2026年9〜10月に公式ストアで確認・税込)。
| 製品 | 公式価格 | 重さ | 形状・固定 |
|---|---|---|---|
| モンベル ヘルメットホルダー | 2,000円 | 77g | シート型・サイドテープ4か所 |
| ザ・ノース・フェイス ヘルメットホルダー(NM91603) | 2,750円 | 約60g | シート型・アルミフック付きウェビング4本 |
| マムート ヘルメット ホルダー | 3,960円 | 公式記載なし | シート型・伸縮素材 |
| マムート ヘルメット ホルダー プロ | 7,700円 | 136g | 袋型・ジッパーで閉じる |
表の4製品の中では、価格だけならモンベルが最も手頃です。ザ・ノース・フェイスは長いウェビングを雨蓋やサイドベルトに巻けるので、ループが少ないザックでも付けやすいのが特徴。マムートは僕も普段から愛用しているブランドで、シート型と袋型の両方がそろっています。(出典:ゴールドウイン公式『ザ・ノース・フェイス ヘルメットホルダー(NM91603)』)
ザ・ノース・フェイス ヘルメットホルダー(NM91603)
アルミフック付きの長いウェビングで、雨蓋やサイドコンプレッションベルトに巻いて固定できるシート型。スタッフサック付き。
価格目安:2,750円(公式価格・税込)
マムート ヘルメット ホルダー
伸縮素材で容量の違うザックに合わせやすいシート型。PFCフリー撥水。
価格目安:3,960円(公式価格・税込)
マムート ヘルメット ホルダー プロ
ジッパーで完全に閉じる袋型。4つのフックに加え、底部のデイジーチェーンにも追加固定できる。
価格目安:7,700円(公式価格・税込)
ザックのループ位置・デイジーチェーンを先に確認
ホルダー選びで一番多い失敗は、自分のザックに付けられないものを買ってしまうことです。ホルダーは固定方式がバラバラで、ザック側の受け口と合わないと使えません。
| 固定方式 | ザック側で必要なもの | 例 |
|---|---|---|
| フックをコンプレッションベルトに掛ける | 側面・前面のコンプレッションベルト | モンベル、ミレー |
| フック付きウェビングを巻く | 雨蓋やサイドベルト | ザ・ノース・フェイス |
| 前面のループにフックを掛ける | フロントのギアループ | ドイター、パーゴワークス |
| デイジーチェーンに掛ける | 前面の縦のデイジーチェーン | エクスペド、マムート |
どの方式でも、固定場所が4か所そろわないと付けられません。特に、前面がフラットでループの無い小型ザックは要注意です。ベルトが太すぎるとフックが掛からず、細すぎると外れやすくなります。
たとえばモンベルのヘルメットホルダーは、対応条件を「左右2本ずつのサイドテープ(幅2cm以下)がある中〜大型ザック」と明示しています。こうした条件が書かれている製品は、自分のザックと見比べやすいですね。
- ザックの前面・側面に、フックを掛けられるループやベルトが4か所あるか
- ベルトの幅がホルダーのフックに合うか(太すぎ・細すぎはNG)
- デイジーチェーン専用・前面ループ専用など、方式の指定が無いか
ザックによっては、純正のヘルメット固定機構が付いているものもあります。ただ、登山用ヘルメットに対応すると公式に書かれていないケースもあるので、付属品で代用できるかは説明書で確かめてから判断してください。
外れる不安を減らすあご紐の二段固定と点検
「ホルダーから外れて落ちないか」が一番の不安ですよね。対策の基本は、四隅をしっかり張ることと、あご紐で二段目の固定を取ることです。
まず、生地を張った状態で四隅を留め、ベルトやゴム紐を締めて張りを調整します。緩いままだと、歩く振動で隙間から抜けてきます。次に、あご紐をザックの雨蓋用コンプレッションベルトなどに通しておきます。こうすれば、ホルダーから外れても地面まで落ちにくくなります。
モンベルのホルダーには、あご紐を掛けるためのリーシュループが付いています。専用の輪が無い製品でも、あご紐を通せるベルトがあれば同じ考え方で二段にできます。
ザックの中身が少ないと前面がへこみ、張りが抜けて外れやすくなります。休憩のたびにホルダーの緩みを点検しましょう。
フック式は、激しい動きで外れることがあるという使用者の声もあります。雨蓋の上に付ける方法は抜けやすくなる場合があり、雨蓋ポケットも使いにくくなります。前面ポケットも塞がるので、そこに入れていた小物は別の場所へ移しておくとスムーズです。
使わない日はアウター置き場に|費用対効果は?
ホルダーは2,000〜7,700円ほどで、多くはヘルメット本体(大人用で7,700〜22,990円ほど)より手頃な買い物です。脱着がある山行に年に何度か行き、使わない日もアウター置き場として使えるなら、費用対効果は悪くないと僕は考えています。
ヘルメットを持っていかない日も、ホルダーを付けたままにしておけば、レインウェアやウインドシェル、脱いだフリースをザック前面に挟んでおけます。行動中に暑くなって上着を脱いだとき、ザックを開けずに仮置きできるのは地味に便利です。
ヘルメットを持っていかない日のホルダーって、ただのお荷物かと思ってたよ。
僕もそう思ってました。上着の仮置き場になるなら、付けっぱなしでもいいかなと思えてきますよね。
ただし上着はヘルメットより形が崩れやすく、抜けやすいです。挟むものに合わせて張りを調整し直してください。シート型なら重さは25〜77g程度なので、ULを意識する僕でも付けっぱなしを許せる範囲かなと感じます。
一方で、買わない選択肢も十分ありえます。費用と手間を並べると、次のようになります。
| 方法 | 費用の目安 | 向いている人・注意点 |
|---|---|---|
| ザックの中に入れる | 0円 | 30〜40L以上で容量と開口部に余裕がある人 |
| 最初から最後まで被る | 0円 | 登山口から下山まで岩場や危険箇所が続くルート |
| 山小屋でレンタル | 穂高岳山荘1回1,000円、槍ヶ岳山荘1回500円など | 小屋から先だけ被る人。小屋までは運ばずに済む |
| 100均のネット+S字フック4個 | 数百円程度 | 専用品より重く見た目もいまいちで、試した人もやめている |
| ホルダーを買う | 2,000〜7,700円 | 脱着があり、ザックに入らない人 |
レンタルは意外と使える選択肢です。2021年5月に泊まった涸沢ヒュッテでも、受付にレンタルヘルメットの貼り紙が出ていました。ただし料金や在庫、貸し出し期間は小屋によって違い、変わることもあります。利用するつもりなら、事前に各山小屋の公式情報を確認しておくと安心です。
ホルダーを付けられるループやデイジーチェーンが無いザックなら、ザック自体を見直すのも1つの手です。次にザックを買い替えるときは、前面の固定場所もチェック項目に入れておくと、ヘルメット以外の外付けにも困りにくくなりますよ。
ヘルメットホルダーは必要?登山者がよく迷う質問
富士山でもヘルメットとヘルメットホルダーは必要ですか?
富士山は長野県の着用奨励山域ではありませんが、ヘルメットを貸し出す仕組みがあります。吉田ルートは六合目の富士山安全指導センターで、デポジット制の無料貸し出しを行っています。富士宮ルートも五合目で無料貸し出しがあると案内されています。借りる場合は持ち運ぶ区間が短くなるので、ホルダーを新たに買う必要性は低いかなと思います。最新の貸し出し状況は公式情報で確認してください。
八ヶ岳はヘルメット着用奨励山域ではないのに、ヘルメットは要りますか?
八ヶ岳は奨励山域に入っていませんが、山小屋関係者は地蔵尾根や文三郎尾根、赤岳周辺での着用を勧めています。指定文書も「他の山域においてヘルメットが不要という主旨ではない」としています。赤岳鉱泉と行者小屋はヘルメットの相互レンタルを行っているので、運ぶのが面倒なら小屋で借りる手もあります。
ザックの外に付けていて傷がついたヘルメットは、まだ使えますか?
表面の擦り傷だけで判断するのは難しいです。UIAA/BMC の資料では、強い衝撃を受けたヘルメットは外見に損傷が見えなくても交換対象とされています。落としたりぶつけたりした覚えがあれば、メーカーの点検基準を確認してください。高温の車内に置く、上に座るといった扱いも劣化の原因になります。迷ったら購入店やメーカーに相談するのが確実です。
100均のネットでヘルメットホルダーを代用できますか?
自転車のカゴ用ネットとS字フック4個で代用している例はあります。ただ、試した人も専用品より何倍も重く、見た目もよくないとして使うのをやめていました。ネットの張りが弱いと抜け落ちの心配もあります。岩場の多い山で使うなら、四隅とあご紐でしっかり留められる専用品のほうが安心かなと思います。
雪山でもヘルメットホルダーは使えますか?
長野県では、積雪期は滑落・転落・落石などの危険があるすべての山域が着用奨励山域です。雪山では被る場面が増えるぶん、行動中ずっと被ることも多くなります。ホルダーが役立つのは、樹林帯などで外して運ぶ区間がある場合です。ただし雪や氷が付くとフックや張りの状態が変わりやすいので、こまめな点検が欠かせません。
関連記事:ヘルメットホルダーを自作する方法と代用品
まとめ:ヘルメットホルダーが必要かは脱着とザック容量で決まる

結局、ホルダーが要るかどうかは、被ったり外したりするかと、ザックに入るか次第なんだね。
そうなんです。ヘルメット自体は削らず、運び方だけ自分に合わせて選べば大丈夫そうですね。
ヘルメットホルダーが必要かどうかは、山行中の脱着とザックの容量でほぼ決まります。最後に要点を振り返っておきます。
- 被る区間の前後で脱着があり、ヘルメットがザックに入らない人にはホルダーが必要
- 最初から最後まで被る人、大きめのザックに収まる人、山小屋で借りる人には不要
- ヘルメットが守る場面の多くは自分の転倒・滑落。持っていくこと自体は削らない
- カラビナ吊るしは揺れ・傷・落下が弱点。ザック内は安心だが出し入れが遅い
- 買うなら汎用的なネット型、落下が心配なら袋型。ザックの固定場所4か所を先に確認
- あご紐の二段固定と休憩ごとの点検で、外れる不安を減らせる
ここで紹介した山域の指定やレンタル料金、製品の価格は、記事作成時点で確認した情報です。あくまで一般的な目安なので、正確な情報は公式サイトをご確認ください。ルートの難易度や装備の最終的な判断は、自分の経験と体力に合わせて行い、不安があれば山岳ガイドや登山用品店のスタッフなど専門家に相談してくださいね。
