こんにちは、YAMA-GO編集部のりょうです。関西を拠点に、北アルプスを中心にULスタイルで山を楽しんでいます。このブログ「YAMA-GO」では、実際に使ったギアのレビューや選び方、山のノウハウなんかを発信しています。
チェーンスパイクを買ったものの、付け方がこれで合っているのか不安。歩いているうちに片方がずれてきた。そんな経験、ありますよね。僕も2021年のGWに、残雪期の涸沢へチェーンスパイクを持って歩きました。
そのときは装着自体はスムーズでした。ただ、シャバ雪では思いのほか進みにくく、道具の得意・不得意を身をもって知った山行です。
この記事では、外れる原因を3つに絞り、メーカーの装着手順を確認ポイントに分けて解説します。サイズの合わせ方、山で外れた時の対処、ゴムの劣化サインまでまとめました。山に行く前の準備に役立ててもらえたらうれしいです。
- チェーンスパイクが外れる3つの原因と見分け方
- つま先からかかとへ進める正しい付け方の手順
- トレランシューズを含む靴とサイズの合わせ方
- 山で外れた・切れた時の対処とゴムの劣化サイン
チェーンスパイクが外れる原因はほぼ3つ
付け方とサイズに由来する外れる原因の大半は、「靴に対してサイズが大きい」「かかとのゴムが掛かり切っていない」「チェーンが靴底の中央からずれている」の3つです。どれも付け方の手順と、家での試着でかなり防げます。

歩いてたら外れちゃうって、もともとそういう道具なの?
僕も最初はそう思っていました。でも原因を見ていくと、付け方とサイズで防げる部分が大きいんです。一緒に確かめてみましょう。
症状ごとに原因と対策を整理すると、次のようになります。
| 症状 | 主な原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 片側にずれる・チェーンが靴の横にはみ出す | サイズが大きい/装着時にチェーンが中央に来ていない | 家で実際の靴に付け、チェーンの張りを確認 |
| かかとから抜ける | かかとのゴムが出っ張りに掛かり切っていない | 装着の最後にタブをもう一度上へ引く |
| 下りでつま先が前から抜ける | つま先の入れ方が浅い/サイズ不適合 | つま先を前部に深く入れる |
| バンドが靴底側に回り込む | サイズ不適合 | サイズや靴との相性を見直す |
| 急斜面・ねじれる動きで外れる | ゴムで被せるだけの構造上の限界 | ストラップ付きモデル、急斜面はアイゼンへ |
| 突然切れて外れる | バンドとチェーンの接続部の断裂 | 使用前点検、接続部を補強したモデル |
モンベルの取扱説明書でも、チェーンがたるむサイズは危険とされています。バンドが靴底に当たるような不適切なサイズも同じで、破損や脱落の恐れがあるとのこと。逆に言えば、サイズと装着が合っていれば、多くのトラブルは事前に潰せるわけです。(出典:モンベル『チェーンスパイク 取扱説明書』)
一方、急斜面やねじれる動きで外れるのは、構造からくる限界です。ここは付け方だけでは解決しきれません。後の章で、モデル選びと使い分けの話をします。
専門メディアでは、ゴムが伸びて静かに脱落し、片方を紛失した体験も紹介されています。外れたことに気づかないケースもあるんですよね。休憩のたびに、足元を目で見る習慣をつけておくと安心です。
チェーンスパイクの付け方はつま先からかかとへ
付け方の基本は、つま先を深く入れる→かかとにゴムを掛け切る→タブを引き上げて底のチェーンを張るの3ステップです。慣れれば靴下を履くような感覚で、数十秒で脱着できるとされています。

付ける前の準備として、靴底の雪や土を落としておきます。雪が噛んだまま付けると、靴底との間に隙間ができてしまうからです。モンベルの取扱説明書も、装着前に雪や土をよく取り除くよう求めています。
向きの確認も大事なポイント。ガイドやロゴのある側を前・甲側にします。爪が靴底の方を向く表裏逆の付け方は、公式が示すNG例のひとつです。左右の区別がない製品が多く、モンベルも「左右はありません」と明記しています。
- 靴底の雪や土を落とす
- ガイド・ロゴの側を前・甲側にして向きを確かめる
- つま先を前部に深く入れ、ガイドを靴先に合わせる
- つま先を地面につけて踏み込み、タブを両手で引いてかかとに被せる
- もう一度タブを上に引き、底のチェーンを張る
- 左右とも、爪が前足部とかかとの下に均等に並んでいるか見る
つま先を深く入れてガイドを靴先に合わせる
最初に、本体の前部(ガイドが付いている側)に靴のつま先を入れます。ここで浅く入れると、かかとを掛けた後に前が抜けやすくなります。つま先は「これ以上入らない」ところまで深く押し込むのがコツです。
入れたら、ガイドを靴のつま先部に合わせます。そのまま親指を左右にずらしながら、バンドを靴の側面に沿わせていきます。片側だけ先に伸ばすと全体が斜めになるので、左右均等に進めてください。
下りでつま先が前から突き抜ける症状は、この入れ方の浅さが原因になりやすいところ。カフトゥーラのマイクロスパイクは、対策としてつま先に金属ワイヤー(トゥーベイル)を設けています。メーカー側も気にしている弱点なんですよね。
かかとのタブを引いてゴムを掛け切る
次に、つま先側を地面につけて踏み込みます。その状態で、ずらしてきた親指をかかとまで動かします。最後にバンド後ろのタブを両手で引き、かかとに被せるように掛けます。
ここで確認したいのは、ゴムがかかとの出っ張りより上まで掛かっているかです。出っ張りの下で止まっていると、歩くうちにかかとから抜けてきます。外れる原因の2つ目が、まさにこれ。
片足立ちで作業するとバランスを崩しやすいので、つま先を地面につけて踏み込む姿勢を守るとやりやすいですよ。斜面の途中で付けるなら、平らで安全な場所を選んでから作業してください。
最後にタブを引き上げて底のチェーンを張る
かかとに掛けたら、後ろのタブをもう一度上方向に引きます。これで靴底のチェーンがピンと張り、たるみが取れます。この「2回目の引き上げ」を省かないことが、外れにくさを大きく左右します。
チェーンがたるんだ状態も、公式が示すNG例のひとつ。張りがないと制動力が落ちるうえ、木の根や枝に引っかかる恐れがあります。たるみは転倒にもつながるので、ここは丁寧に済ませたいところです。
歩き出す前に、左右とも爪が前足部とかかとの下に均等に並んでいるか見てください。チェーンが靴底の中央から片側に寄っていたら、一度タブを緩めて位置を直します。外れる原因の3つ目「中央からのずれ」は、ここで防げます。
トレランシューズでも外れないサイズの選び方
サイズは、足のサイズ表で「入るか」だけで決めないのがポイントです。実際に履く靴に付けて、底のチェーンが張っているか・バンドが靴底に当たっていないかで判断するのが、いちばん失敗しにくい方法です。同じサイズでも、靴によってぴったりにも緩くにもなるからです。
目安として、モンベル チェーンスパイクの公式サイズ表を載せておきます。(出典:モンベル公式オンラインショップ『チェーンスパイク』)
| サイズ | 対応靴サイズ | 重量(ペア) |
|---|---|---|
| S | 20.5〜23.5cm | 242g |
| M | 23.0〜26.0cm | 263g |
| L | 25.5〜28.5cm | 287g |
| XL | 28.0〜31.0cm | 316g |
見てのとおり、隣のサイズと対応範囲が0.5cmずつ重なっています。たとえば25.5〜26.0cmの人は、MとLのどちらにも入る計算です。こうした境目の人は、靴のボリュームで決めることになります。
カフトゥーラは、靴のタイプでサイズ表を2つに分けています。中綿入りの冬靴用の表では、足のサイズによってはハイキング用の表より一段大きい区分になります(EU40〜41のように、どちらの表でもMのままの範囲もあります)。かさばる靴ほど大きめに寄せる、という考え方です。
トレランシューズのような柔らかい靴は、特に注意が必要です。海外のレビューでは、トレランシューズだとサイズ表の位置しだいでやや緩くなる、という評価がありました。同じ製品・同じサイズでも、靴によって「チェーンが揺れる」「ぴったり」と分かれる報告もあります。
モンベルは「底の柔らかいランニングシューズから固い靴まで」対応としています。ただし靴の形状しだいでは、対応サイズ内でも付けられない場合があるそうです。伸びて入ることと、張りが足りることは別の問題なので、境目なら靴を持って試すのが安心です。
「伸びるから大丈夫」は要注意
レンタル店の説明には、靴のサイズより約3cm大きいサイズまで伸縮で装着できるとする例もあります。ただ、公式はチェーンのたるみをNGとしています。入っても張りが弱ければ、ずれや脱落の原因になります。
正しく付けても外れる構造上の限界と選び方
正しく付けても、急斜面やねじれる動きでは外れることがあるのがチェーンスパイクの限界です。ゴムで靴に被せているだけなので、固定力はそれほど高くありません。外れにくさを重視するなら、構造の違うモデルを選ぶのもひとつの手です。
専門メディアでも「激しく動くと外れることがある」「過度な屈曲やねじれで外れる」と書かれています。製品は大きく3タイプに分かれ、外れにくさへの工夫がそれぞれ違います。
| タイプ | 例 | 外れにくさに関わる特徴 |
|---|---|---|
| ゴムバンドのみ(標準) | モンベル チェーンスパイク、カフトゥーラ マイクロスパイク | つま先ガイドやトゥーベイル、ヒールタブで装着しやすさを確保 |
| ゴム+脱落防止ストラップ | スノーライン チェーンセンプロ | 甲をストラップで押さえ、意図しない着脱を防ぐ |
| 超軽量ループ型 | エバニュー U.L.Chain cleat | ゴムに大小2つの輪。急傾斜では外れることがある |
脱落防止ストラップや接続部補強のモデル
外れにくさを優先するなら、ストラップ付きのモデルが候補になります。スノーラインのチェーンセンプロは、付属のベルクロストラップで固定する構造。意図しない着脱を防げると紹介されていて、収納ケースも付いています。
スノーライン チェーンセンプロ
付属のベルクロストラップで固定でき、意図しない着脱を防げるタイプ
もうひとつ見ておきたいのが、バンドとチェーンの接続部(アイレット)の作りです。専門メディアによると、故障の多くはゴム部分の断裂。強い力が加わると、アイレットがちぎれることがあるそうです。
安価な製品では、この部分が早く切れる例もあるとされています。そのため各社は、硬いプラスチックのリングなどで接続部を補強したモデルを出しています。チェーンセンプロやエバニューの新モデルが、その例です。
カフトゥーラのマイクロスパイクも、補強アイレットで接続部の強度を上げています。つま先のトゥーベイルや立ち上がったヒールタブなど、外れにくさと付けやすさの工夫が多いモデルです。「突然切れて外れる」リスクを下げたいなら、接続部の作りは要チェックですね。(出典:Kahtoola公式『MICROspikes』製品ページ)
カフトゥーラ マイクロスパイク
トゥーベイル・ヒールタブ・補強アイレットで、外れにくさと付けやすさに配慮したモデル
ただ、ストラップは付け外しの手間が1つ増えます。どこまで外れにくさを求めるかは、歩く道の傾斜や雪の状態で考えたいところです。
超軽量モデルは軽さと外れにくさの兼ね合い
UL志向の僕としては、軽さはやっぱり気になるポイントです。エバニューのU.L.Chain cleatは、SMが68g、MLが72gの超軽量モデル。サイズは靴のサイズ約23〜25cmのSMと、約25〜28cmのMLの2展開です。
コバのない靴や普段履きのスニーカー、トレランシューズにも付けられると紹介されています。荷物を軽くしたい人には、かなり魅力的に映りますよね。
一方で、急傾斜では外れることがあるとされ、外れて紛失しないようにロープを通して足の甲で結ぶ方法が紹介されています。爪の高さも約5mmと控えめ。急傾斜での外れにくさには期待しすぎないモデルと考えておきましょう。そう割り切れば、選び方を間違えにくくなります。
エバニュー U.L.Chain cleat
大小2つの輪で靴に掛ける超軽量タイプ。傾斜のゆるい道が中心の人向き
僕の考えでは、傾斜のゆるい凍結路が中心なら軽量モデル、傾斜が出てくるならストラップ付きや標準タイプ、という選び方が現実的です。軽さだけで決めず、必要な安全性を残すのがULの基本だと思っています。
家で付けて歩き、ずれと手袋装着を確認する

山に行く前に、実際に履く靴に付けて家で歩いてみる。これが外れるトラブルを防ぐ、いちばん効果的な準備だと僕は考えています。サイズのずれも、手袋での付けにくさも、山に着く前に分かるからです。
お店でサイズを合わせるだけじゃダメなの?
サイズ表で合っていても、靴によっては緩いことがあるんです。当日の靴と手袋で、一度試しておきたいですよね。
モンベルの取扱説明書も、フィールドで使う前に手早く装着脱できるよう練習することを求めています。専門メディアでも、着脱は寒い屋外で、冬は手袋をしたまま行うため事前の練習が勧められています。
最初は付け方が分かりにくくても、数回で身に付くという声が多いですよ。家で試すときは、次の4つを見てみてください。
| チェック項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 山で履く靴と靴下で付ける | 冬用の厚手ソックス込みで、チェーンが張るか |
| 山で使う手袋をしたまま付ける | 手袋のままタブをつまめるか、引き上げられるか |
| 室内やベランダで数歩歩く | チェーンが中央に留まるか、かかとが浮かないか |
| 一度外して付け直す | 自分が付けるのにかかる時間を把握する |
手袋での装着は、製品の設計側も意識しているポイントです。カフトゥーラは、ヒールタブが手袋をしたままでも着脱の手がかりになると説明しています。エバニューの新モデルは、かかとに大きな輪を引っかける構造です。
室内で歩くときは、床を傷つけないよう気をつけてください。傷がついても困らないベランダなどで試すのがおすすめです。
僕が残雪期の涸沢で使ったときは、装着自体はスムーズでした。その日は本谷橋の手前で、雪渓の縁にかがんで滑り止めを付ける登山者たちも見かけています。雪の上で寒い中の作業になるので、家で一度練習しておく価値は大きいと感じます。
関連記事:テムレスは登山で使える?冬山での実力と弱点・モデルの選び方
歩き方のコツと岩場・シャバ雪で脱ぐタイミング
チェーンスパイクは、凍結した道で力を発揮する一方、深い雪や凍った岩場は苦手です。緩んだシャバ雪も、僕が歩いたときは思いのほか進みにくく感じました。雪のない岩や土の区間に入ったら一度外し、急斜面や凍った岩場ではアイゼンに切り替えるのが基本の使い分けになります。
チェーンスパイクって、雪ならどこでも歩けるの?
2021年の涸沢では、僕もシャバ雪にかなり手こずりました。得意な雪と苦手な雪があるんですよね。
チェーンスパイクを付けると、爪を引っ掛けて転倒しやすくなります。モンベルも十分な歩行練習を求めています。一方で爪が小さく短いので、雪面から爪を引き抜く脚力はあまり要らないとされています。
底に付いた雪の固まりは、こまめに落としてください。放置すると爪が効かなくなると、モンベルも注意しています。
外すタイミングの目安は、凍結区間を抜けたとき。再び凍結区間に入ったら付け直す使い方ができ、爪の消耗も抑えられます。氷雪以外で使うと爪の曲がりやバンドの損傷が起きやすいので、雪のない岩や土の区間が続くなら外すのがおすすめです。
涸沢の残雪期シャバ雪で感じた進みにくさ
2021年5月のGW、上高地から涸沢ヒュッテへ2人で歩きました。12本爪までは要らないかなと考えて、足元はチェーンスパイク。ピッケルは使っていません。
装着自体はスムーズで、涸沢の道標に着いたときも登山靴にちゃんと付いていました。ただ、残雪期のシャバ雪を歩くのは正直かなり大変で、思いのほか進みにくかったのが本音です。雪道は見た目が白い状況が長く、進んでいる実感を持ちにくいのもつらかったですね。
振り返ると、専門メディアの「深い雪は苦手」という説明とも合っています。爪が小さく短いぶん、緩んだ雪には深く刺さりにくいのだと思います。これは「外れた」話ではなく、チェーンスパイクという道具の得意・不得意の話です。
もうひとつ忘れられないのが、涸沢ヒュッテに着いたときに聞いた話です。別のパーティが雪崩に巻き込まれ、捜索されていると山小屋で聞きました。残雪期は足元の道具だけでなく、雪崩のリスクも現実にあると実感した山行です。残雪期に出かけるなら、出発前に山小屋や現地の最新の積雪・雪崩情報を確認しておきましょう。
凍った岩場や急斜面はアイゼンに切り替える

凍結した岩場や急傾斜は、本格的なアイゼンの領域とされています。モンベルもチェーンスパイクを簡易アイゼンと位置づけ、本格的な雪山登山には使わないよう明記しています。傾斜が増して不安を感じたら、アイゼンを考えるサインと受け止めておきましょう。
使い分けの例として、「序盤の樹林帯はチェーンスパイク、後半の急傾斜はアイゼン」という組み合わせが紹介されています。急斜面は外れやすさの面でも不利。二重の意味で切り替えたい場面です。
斜面での経験として、傾斜が増すにつれて流されることが多くなった、という使用者の声もあります。判断に迷ったら、山小屋や現地の最新情報を確認してください。無理せず引き返すことも、立派な選択肢です。
関連記事:アイゼン10本爪と12本爪の違い|残雪期・厳冬期の選び方
山で外れた・切れた時のその場の対処
外れただけなら、雪や土を落として、つま先→かかと→タブの引き上げの順で付け直すのが基本です。付け直しても外れるならサイズ不適合や破損を疑います。ゴムが切れたときは、無理に使い続けない判断が大事です。

| 状況 | その場の対応 |
|---|---|
| 外れただけ | 安全な場所で雪や土を落とし、手順どおり付け直す |
| 付け直してもすぐ外れる | サイズ不適合や破損を疑い、傾斜のある区間に入らない |
| 軽量ループ型が急傾斜で外れやすい | 紛失防止にロープを通して足の甲で結ぶ方法が紹介されている(急傾斜に対応できるわけではないので、アイゼンへの切り替えか引き返しを判断) |
| ストラップ付きモデル | 付属ストラップで固定し、意図しない着脱を防ぐ |
| ゴムが切れた・損傷が疑わしい | 直ちに使用を中止し、対応できない区間に入らない |
モンベルは、老朽化や損傷が認められる、または疑わしい場合は直ちに使用を中止するよう求めています。製品の改造や分解もNGです。
結束バンドや紐でゴムを補修する、という工夫を考える人もいるかもしれません。ただ、これはメーカーが案内している方法ではありません。あくまでその場しのぎで、本来の性能は期待しないほうがいいと僕は考えています。
片方を失ったり壊したりしたら、急斜面や凍った岩場には入らないこと。引き返す判断が前提です。休憩のたびに足元を見て外れていないか確かめる習慣も、紛失を防ぐ小さな対策になります。
片方が使えない状態で急斜面や凍った岩場に入らず、引き返す判断を優先してください。
ゴムの劣化サインと使用後の手入れ・収納
交換や修理相談の目安は、点検でバンドに傷や亀裂が見えた時点です。メーカーは年数での交換時期を公表していません。毎回の点検で状態を見るのが基本になります。
モンベルの使用前点検は、スパイクやチェーンのひび・変形と、バンドの破損の2点。特に切れやすいのは、バンドとチェーンの接続部(アイレット)です。出発前と使用後は、次の場所を見ておきましょう。
- バンドとチェーンの接続部(アイレット)周りに亀裂やちぎれかけがないか
- バンドの表面に傷や破れがないか
- スパイクやチェーンにひびや変形がないか
ひとつでも当てはまる、または疑わしいときは使用を中止します。そのうえで、購入店や公式窓口に修理や交換を相談してください。
| 項目 | モンベル | カフトゥーラ |
|---|---|---|
| 使用後 | 水洗いで泥を落として乾燥、バンドの傷を確認 | ぬるま湯で洗って自然乾燥(熱で乾かさない) |
| 保管 | 高温の場所と直射日光を避け、風通しの良い所に | 清潔で乾いた状態で。使わない時は靴から外す |
| 携行 | 付属の収納袋に入れる | 記載なし |
劣化を早める要因として、高温と紫外線が挙げられます。モンベルは、火や暖房器具のそばなど高温になる所に置かないよう指示しています。熱で乾かすのも避けたいところです。
一般論として、TPEは紫外線で伸びの限界が下がるとする材料研究があります。伸ばされた状態で光を受けると、低下が大きいそうです。靴に付けたまま日の当たる場所に置かないのが、ゴムを長持ちさせるコツです。
寒さについては、カフトゥーラのTPEは-30℃まで弾性を保つと公表されています。
収納は付属の袋やケースが基本。爪がザックの中のほかの装備を傷つけないためです。モンベルの収納サイズは9×9.5×6cmで、容積にすると約0.5Lになります。
保証の面では、モンベルは経年変化による素材劣化を保証の対象外としています。カフトゥーラも、通常使用による摩耗は保証外です。モンベルは修理できるものは有償修理に応じるので、気になったら公式窓口に相談してみてください。
チェーンスパイクの付け方に関するよくある質問
手袋をしたままでもチェーンスパイクは付けられますか?
製品によっては、手袋のままでも付けやすいよう配慮されています。カフトゥーラは立ち上がったヒールタブを、エバニューの新モデルはかかとの大きな輪を手がかりにしています。家で山用の手袋をして試し、タブがつまめないなら、こうしたつかみやすい形のモデルを検討するのも手です。
ゴムが伸びた・古くなった時の交換の目安は?
メーカーは年数での交換時期を公表していません。接続部(アイレット)やバンドに傷・亀裂が見えたら使用を中止し、修理や交換を検討するのが目安です。モンベルは修理できるものは有償修理に応じますが、経年変化による素材劣化は保証の対象外。気になる場合は公式窓口に相談してください。
チェーンスパイクを付けたまま岩や土の道を歩いても大丈夫ですか?
おすすめしません。モンベルは、氷雪以外で使うと爪が曲がったりバンドが傷ついたりしやすいと明記しています。雪のない区間が続くなら一度外しましょう。再び凍結区間に入ったら、雪や土を落としてから、つま先→かかと→タブの引き上げの順で付け直せばOKです。
チェーンスパイクとアイゼン、どちらを持っていけばいいですか?
傾斜のゆるい凍結路や踏み固められた樹林帯の道が中心ならチェーンスパイク、凍った岩場や急傾斜があるならアイゼンが目安です。チェーンスパイクはあくまで簡易アイゼンで、本格的な雪山には向きません。序盤の樹林帯はチェーンスパイク、後半の急傾斜はアイゼン、という組み合わせ方もあります。ルートの状況は山小屋などの最新情報で確認してください。
サイズの境目にいる場合、大きい方と小さい方のどちらを選べばいいですか?
靴のボリュームで考えるのが目安です。冬靴のようにかさばる靴なら大きめ、トレランシューズのように細く柔らかい靴なら、緩くなりすぎないかを重視します。最終的には実際の靴に付けて、底のチェーンが張っているかで判断してください。
まとめ:チェーンスパイクの付け方と外れないコツ

付け方とサイズ、それに家での練習が大事なんだね。
そうですね。山に行く前のひと手間で、足元の不安はかなり減らせそうです。
付け方とサイズに由来する外れる原因は、サイズ・かかとの掛け方・チェーンの位置の3つが中心です。付け方の手順を守り、家で試しておけば、多くのトラブルは山に着く前に防げます。
- 付け方はつま先を深く→かかとに掛け切る→タブを引き上げてチェーンを張る
- サイズは実際の靴に付けて、チェーンの張りとバンドの位置で判断する
- 山に行く前に、山の靴と手袋で家で付けて歩いてみる
- 深い雪は苦手でシャバ雪も進みにくいことがある。凍った岩場や急斜面はアイゼンへ切り替える
- 切れた・損傷が疑わしいときは使用を中止し、引き返す判断を優先する
- 使用後は洗って自然乾燥させ、高温と直射日光を避けて保管する
この記事の数値やサイズは、あくまで一般的な目安です。正確な情報は、各メーカーの公式サイトや取扱説明書をご確認ください。
雪の状態やルートの判断に迷うときは、山小屋や登山の専門家に相談したうえで、最終的にはご自身の責任で判断してくださいね。無理をせず、安全第一で冬や残雪期の山を楽しみましょう。
