こんにちは、YAMA-GO編集部のりょうです。関西を拠点に、北アルプスを中心にULスタイルで山を楽しんでいます。このブログ「YAMA-GO」では、実際に使ったギアのレビューや選び方、山のノウハウなんかを発信しています。
登山用のヘッドライトを選ぶとき、充電式と電池式のどちらにするかは迷いますよね。調べると「今は充電式が主流」という声が目立ちます。でも山行の中身によっては、電池式のほうが安心な場面もあります。
僕自身、富士山や奥穂高岳のご来光登山で、暗い登山道や岩場をヘッドライト頼りに歩いてきました。今は単3電池1本で点くジェントスのCP-095Dを持っていて、電池交換の手軽さを気に入っています。
この記事では、商品名より先に「自分の山行ならどの方式か」を決められるように整理します。寒さ・電池切れ・予備の持ち方まで含めて、一緒に確かめていきましょう。
- 充電式・電池式・ハイブリッド式の違いと向いている山行
- 寒さで点灯時間が落ちる理由と電池切れへの備え方
- 予備電池の本数とモバイルバッテリーまで含めた総重量
- 方式ごとのおすすめモデルと選ぶときの注意点
結論:毎回充電できるなら充電式、できない山行は電池式
結論から言うと、山行の前に毎回充電できるなら充電式、充電できない山行が混じるなら電池式かハイブリッド式が選びやすいです。分かれ目は明るさではなく、山の中で電源をどう戻すかにあります。

充電式は、明るさを一定に保つ制御の機種なら明るさが安定し、乾電池を買い足す手間もありません。一方で山の中で空になると、モバイルバッテリーとケーブルが無い限り戻せません。電池式なら、予備の乾電池に替えればその場で元どおりに点きます。
メーカー自身も、どちらか一方を正解とはしていません。ペツルは乾電池の利点に「定格の点灯時間が長い・自己放電がほぼ無い・充電がいらない」を挙げています。充電池の利点は「明るさがほぼ一定・繰り返し使える」です。
方式は好みより「山行中に電源を戻す手段があるか」で決めると失敗しにくいです
充電式のほうが新しくて便利そうだけど、電池式ってまだ選ぶ意味あるの?
僕も最初はそう思ってました。でも山の中で電池が切れたときの戻し方を考えると、話が変わってくるんですよね。
そっか、山の上にはコンセントがないもんね。一緒に比べてみよう!
重さ・費用・寒さで3方式の違いを一覧比較
まずは3つの方式を並べてみます。ここでの充電式は、本体にリチウムイオン電池を内蔵してUSBで充電するタイプ。電池式は単3や単4の乾電池で点くタイプで、ハイブリッド式はその両方で点くタイプです。
| 観点 | 充電式(内蔵型) | 電池式(乾電池) | ハイブリッド式 |
|---|---|---|---|
| 明るさ | 一定に保つ制御の機種なら定格時間内はほぼ一定 | 使うにつれ徐々に暗くなる | 専用充電池なら一定、乾電池なら徐々に暗くなる |
| 電池切れのとき | 充電が必要で、その場では戻しにくい | 予備電池に替えてすぐ復旧 | 予備の乾電池ですぐ復旧 |
| 寒さ | 0℃以下で点灯時間が減る。充電は0℃以上が条件の機種も | 0℃以下で点灯時間が減る。寒さに強い電池に替えられる機種も | 寒いときは対応する乾電池に替えられる |
| 保管 | 放っておくと自己放電で減る | アルカリは自己放電がごく小さい | 乾電池なら自己放電が小さく減りにくい |
| 費用 | 電池代はかからない。電池の劣化で本体ごと替える機種も | 本体は安め。電池代がその都度かかる | 本体+専用充電池で高くなりがち |
| 重さ | 本体だけで完結。モバイルバッテリーを持つと重くなる | 予備電池の重さが乗る | 本体がやや重めのこともある |
表で見ると、充電式の強みは「明るさの安定」と「電池代がかからない点」です。電池式の強みは「切れてもすぐ戻せる点」。どちらが上というより、得意な場面が違うと考えると分かりやすいかなと思います。
同じ本体でも、電源で点灯時間が大きく変わる例もあります。モンベルのマルチパワー ヘッドランプは、スポットモードの点灯時間を単4電池で20時間、専用充電池で3時間と公表しています。
充電池のときは明るさを一定に保つ制御が入るので、単純な性能差ではありません。それでも「明るさの安定」と「長く点くこと」は引き換えになりやすい、という目安にはなりますね。
価格は各社の公式価格で、乾電池式が2,000円台〜4,000円台です。ハイブリッド式や充電式は、3,000円弱〜1万円台まで幅があります。あくまで一般的な目安なので、購入前に公式サイトで最新の価格を確認してください。
山行タイプ別に充電式と電池式どっちが向くか
山行タイプで分けると、日帰りと1〜2泊の小屋泊は充電式で足りることが多く、テント泊の連泊や冬山は電池を替えられる方式が向きます。違いを生むのは、出発前に充電できるかと、夜にどれだけ点けるかの2点です。
| 山行タイプ | 夜に点ける場面 | 充電の機会 | 向く方式 |
|---|---|---|---|
| 日帰り(夏の低山など) | 下山が遅れたときの数時間 | 前夜に自宅で充電できる | 充電式 |
| 秋冬の日帰り | 日没が早く、点ける時間が延びやすい | 前夜に自宅で充電できる | 充電式(点灯時間に余裕を) |
| 小屋泊1〜2泊 | 早朝の出発や小屋の中の移動 | 小屋ごとに条件が違う | 充電式でも足りやすい |
| テント泊・連泊 | 設営・炊事・トイレで毎晩 | ほぼ無い | 電池式・ハイブリッド式 |
| 冬山・残雪期・早出 | 寒い中で長い時間 | 無い/寒さで充電しにくい | 電池式・ハイブリッド式 |
日帰り・小屋泊は充電式で足りるが充電忘れに注意
日帰りなら、前の晩に自宅で満充電にしてから出かけられます。明るさが落ちにくく、乾電池を買い足す手間もありません。充電式の良さがいちばん出る使い方ですね。
ただし、日帰りでもヘッドライトは必携です。長野県警は例年秋に、日帰りの予定で日没を迎えてヘッドライトが無く行動不能になる遭難が起きているとして、携行を呼びかけています。(出典:長野県警山岳安全対策課『山岳通信』(2023年10月20日号))
秋は暗くなるのが早い季節です。モンベルの秋山装備ガイドも、10月半ばには夕方5時に日没を迎えるとしています。西側に尾根がある谷筋などでは、暦の日の入りより前に日が隠れて暗くなります。
充電式でいちばん怖いのは、充電を忘れて残量が少ないまま山に入る失敗です。内蔵型は、山の中で戻す手段がモバイルバッテリーしかありません。出発前に残量表示を確かめるのを習慣にすると安心です。
1〜2泊の小屋泊も、基本は充電式で足ります。1泊2日程度ならヘッドランプの充電は不要、という整理が一般的です。満充電で出発すれば、持つことが多いと思います。
気をつけたいのは「小屋で充電できるはず」という思い込みです。2026年シーズンは、燕山荘のコンセントが1回100円。槍ヶ岳山荘グループは、客室での充電を遠慮してほしいと案内しています。
双六小屋グループは、2026年から小屋内へのモバイルバッテリー持ち込みを禁止しました。PSEマーク付きのヘッドランプ本体なら、小屋で充電できるとしています。小屋ごとにルールがかなり違いますね。
僕が2018年に槍ヶ岳山荘に泊まったときは、宿泊者はコンセントを30分無料で使えました。ホワイトボードに名前と時間を書く方式で、口数は少なめでした。条件は年によって変わるので、泊まる小屋の公式案内を事前に確認してください。
テント泊の連泊や冬山は電池を替えられる方式を
テント泊の連泊では、設営・炊事・夜のトイレと、毎晩点ける時間が積み上がります。しかも途中で充電できる場所はほぼありません。予備の乾電池を日数分持てばその場で戻せる電池式のほうが、計画を立てやすいです。
充電式でも、モバイルバッテリーを持てば回せます。ただ、その容量はスマホなど他の機器と取り合いになります。ヘッドライトに回せる分を考えると、思ったより余裕は無いかもしれません。
冬山や残雪期の早出では、ここに寒さが加わります。0℃を下回ると、方式を問わず点灯時間が落ちます。さらに充電式には、充電そのものを0℃以上で行う条件の機種もあります。
寒さに強いリチウム乾電池に替えられる電池式やハイブリッド式は、こうした山行で対応しやすい方式です。詳しい理由は、次の寒さと電池切れの章で整理します。
僕が10月に穂高岳山荘でテント泊したときは、テント場の周りでヘッドライトの光を天の川に向けて写真を撮りました。テントの中にはカイロも持ち込んでいました。秋の稜線のテント泊は、明かりも寒さとセットで考えておきたいところです。
両方使えるハイブリッド式は買い?向く人・向かない人
ハイブリッド式は、普段は日帰りで充電運用しつつ、ときどきテント泊や冬山にも行く人なら買いです。逆に、どちらか一方の使い方しかしない人には、両用の利点があまり出ません。
両方で点くなら、みんなハイブリッドにすればいいんじゃないの?
僕もそう思いかけたんですけど、値段や点灯時間に引き換えもあるみたいなんですよね。一緒に見てみましょう。
ハイブリッド式は、乾電池と専用の充電池パックを同じ本体で入れ替えて使えます。ペツルの「コア」やブラックダイヤモンドの「BD 1500」、モンベル マルチパワー用の専用充電池が代表例です。
ハイブリッド式で得られること
専用充電池なら明るさが一定です。切れても予備の乾電池ですぐ戻せます。寒いときは対応する乾電池に替えられ、充電池が劣化しても電池パックだけ買い替えられます。
引き換えになること
専用充電池のときは、定格の点灯時間が乾電池より短いことがあります。専用充電池が別売の機種も多く、本体と合わせると価格が積み上がります。
たとえばペツルのティキナは本体4,180円で、コアは別売の5,060円です。足しても、コア付属のアクティック コア(13,530円)より安く済みます。ただし最大の明るさは、ティキナが300ルーメン、アクティック コアが625ルーメンと差があります。
向く人・向かない人を整理すると、次のようになります。
| あなたの使い方 | ハイブリッド式は? |
|---|---|
| 日帰り中心で、ときどきテント泊・冬山・電源の無い山行にも行く | 向く(普段は充電池、長い山行や寒い日は乾電池) |
| 毎回日帰りで、充電を欠かさない | 内蔵の充電式で足りる |
| 充電は一切したくない | 乾電池専用の電池式で足りる |
| 単4×3本のペツル機をすでに持っている | 本体はそのままでコアを足す手もある(対応機種のみ) |
ULで荷物を絞りたい人にとっても、予備を何で持つかを山行ごとに選べるのは魅力です。普段は充電池で軽く、長い山行では乾電池で確実に。そんな使い分けができるのが、ハイブリッド式のいちばんの価値かなと思います。
寒さと電池切れで差が出るのは電池を替えられるか

寒さで点灯時間が落ちるのは、充電式も電池式も同じです。差が出るのは、寒さに強い電池に替えたり、切れた電池をその場で入れ替えたりできるかどうかです。

氷点下は方式を問わず点灯時間が最大半減する
ペツルは、乾電池も充電池のコアも0℃以下の低温に弱いと説明しています。0℃〜−20℃では、点灯時間が最大50%短くなるそうです。「充電式だから寒さに弱い」とは一律に言えないんですね。(出典:ペツル『HYBRID CONCEPT』)
方式ごとの差は、使える電池の種類から生まれます。メーカーが公表している温度範囲を並べると、次のとおりです。
| 電池 | メーカー公表の温度範囲など |
|---|---|
| アルカリ乾電池(パナソニック) | 推奨使用温度 5℃〜45℃ |
| アルカリ乾電池(エナジャイザー) | 動作範囲 −18℃〜55℃ |
| リチウム乾電池(パナソニック・エナジャイザー) | −40℃〜60℃ |
| エネループ | −20℃でも使える低温特性をうたう |
| ペツル コア(専用充電池) | 充電は0℃〜40℃で行う |
冬の稜線では、アルカリ乾電池の推奨範囲を外れることがあります。電池式やハイブリッド式なら、寒い山行だけリチウム乾電池に替える選択肢があります。
ただし、使えるのは対応している機種に限られます。ペツルは、非対応の機種にリチウム乾電池を使うとオーバーヒートや故障のおそれがあると注意しています。
内蔵型の充電式は、電池を替えられません。さらにペツルの取扱説明書は、コアの充電を0℃〜40℃で行うよう求めています。氷点下のテントの中では、その場での充電そのものが条件から外れることもあります。
現場でできる対策は、使わないときに本体や電池を温めておくことです。ペツルも、ポケットなどで温めておくよう勧めています。予備電池も、体に近い内ポケットに入れておくと安心ですね。
温めると残量表示が戻ることもあります。ただ、寒い中で実際に使った分の電気が戻るわけではありません。表示が回復しても、余裕を見て早めに交換するのが無難です。
夏でも油断はできません。僕が富士山の吉田ルートを登ったときは、8合目あたりでも5度を下回るほど冷えました。ご来光待ちは本当に寒く、夏山でもヘッドライトは冷えた状態で使うものだと感じました。
僕のCP-095Dは電池カバーが一回ひねりで開く
電池切れのときに効くのは、交換のしやすさです。僕が持っているジェントスのCP-095Dは、単3電池1本で点くヘッドライト。2018年に、槍ヶ岳の山頂アタック用として1,300円程度で買いました。
気に入っているのは、電池カバーが一回ひねるだけで開くところです。製品によっては、カバーを何周も回して開けるものもあります。CP-095Dはひとひねりで外れ、電池も1本だけなので入れる向きで迷いません。
暗がりや手袋をした手での作業を考えると、この手軽さは大きいです。単4×3本の機種は、3本の向きをそろえて入れる必要があります。指がかじかむ場面では、本数が少ないほど扱いやすいはずです。
もうひとつ便利なのが消灯のしやすさ。点灯して5秒たてば、どのモードからでもボタン1回で消せます。順送りで消灯まで回す必要が無いので、小屋やテント場で周りを照らさずに済みます。
CP-095Dの公式ページで使える電池として載っているのはアルカリ単3だけです。エネループやリチウム乾電池を使いたい場合は、メーカーに対応可否を確認してください
予備電池は何本?ULでも削れない予備と総重量
予備電池は、本体に入る本数の1セットを最低限とし、山行の長さと寒さで増やすのが目安です。ULで荷物を削るときも、僕はヘッドライトと予備電池を削らない側に置いています。
モンベルの登山装備ガイドも、日帰り登山からヘッドランプを必携に挙げています。削るなら、着替えの枚数や重複する装備から。軽さと安全のバランスを取るのがULの考え方なので、照明の予備は最後まで残しておきたいですよね。
| 構成 | 予備1セットの重さ | メモ |
|---|---|---|
| 単3×1本機(CP-095Dなど)+アルカリ単3 | 23.0g | 1本で1セット |
| 単4×3本機(ティキナなど)+アルカリ単4 | 34.5g | 11.5g×3本 |
| 単4×3本機(リチウム対応)+リチウム単4 | 22.8g | 7.6g×3本。寒いときに有利 |
| ペツルのハイブリッド機+予備のコア | 23g | 予備のコアも事前の充電が必要 |
| 内蔵の充電式+モバイルバッテリー5,000mAh級 | 約102〜112g+ケーブル | スマホと共用する前提 |
単3×1本機は、予備が1本で済むので持ち方がいちばんシンプルです。単4×3本機でも、対応機でリチウム乾電池にすればアルカリ単3の1本とほぼ同じ重さに収まります。重さを気にするなら、電池の種類まで含めて考えるのがおすすめです。
点灯時間の表記から予備の本数を見積もる
予備の本数は、カタログの点灯時間から逆算します。注意したいのは、ANSI/PLATO FL1という規格の点灯時間の意味です。これは「最大出力の10%まで落ちるまで」の時間で、終盤はカタログどおりの明るさは出ていません。(出典:ペツル・ジャパン『ANSI/PLATO FL1』)
ペツルの公式スペックは、充電池付属モデルなどを除いてアルカリ乾電池での数値です。モンベルのように、FL1とは別の基準で表示するメーカーもあります。数字は「その条件での目安」として読むのがいいかなと思います。
見積もりは、次の3ステップで考えると整理しやすいです。
- 夜に点けそうな時間を、山行の日数分ざっくり足す
- よく使うモード(強ではなく中間やエコ)の点灯時間で割る
- 寒い時期は点灯時間が最大で半分になるとみて、そのぶん上乗せする
たとえばCP-095Dは、強95ルーメンで7.5時間、エコ20ルーメンで20時間が公表値です。氷点下で最大半減するとみると、強モードなら1本あたり4時間弱が目安になります。
ティキナは、中間100ルーメンで10時間、強300ルーメンで2.5時間です。「最大◯ルーメン」と「◯時間」は同時に成り立つ数字ではないので、明るさを上げるほど予備は多く要ります。
充電式はモバイルバッテリーとUSB-Cケーブルが要る
内蔵型の充電式で山の中の電池切れに備えるなら、モバイルバッテリーとケーブルが必要です。最近はUSB Type-Cで充電する機種が主流で、ペツルのコアもUSB-Cです。
ペツルのコアは、製品ページでケーブルが別売になっています。スマホと同じUSB-Cケーブルが使えるなら、持ち物を1本減らせますね。
モバイルバッテリーは、表示容量の5〜6割しか実際には使えないと見積もるのが目安です。5,000mAh級なら、使えるのは2,500〜3,000mAhほど。
ヘッドライトの内蔵電池は1,250〜1,800mAhほどあります。1回満たすだけで、モバイルバッテリーの使える量のかなりの割合を使う計算です。スマホの充電分と取り合いになる点は、覚えておきたいところです。
モバイルバッテリー自体も寒さに弱く、Ankerは使用温度を0〜40℃としています。小屋によっては持ち込みや充電の制限もあるので、「小屋で充電できるから充電式1台で大丈夫」とは限りません。
単3と単4どっち?エネループやリチウム電池の対応可否
単3と単4は、1本の容量を取るなら単3、1本の軽さを取るなら単4です。エネループやリチウム乾電池が使えるかは機種の対応表記しだいなので、購入前に必ず確認してください。
| 項目 | 単3 | 単4 |
|---|---|---|
| アルカリ1本の重さ | 23.0g | 11.5g |
| エネループ スタンダードの容量 | min. 2,000mAh | min. 800mAh |
| エネループ プロの容量 | min. 2,500mAh | min. 930mAh |
| 登山用の代表的な機種 | CP-095D、モンベル コンパクトヘッドランプ(単3×1本) | ティキナ、アクティック、スポット400、マルチパワー(単4×3本) |
登山用は、単4×3本の機種と、単3×1本の小型機が主流です。単3×1本機は予備が1本、単4×3本機は予備3本で1セットになります。
GPS機器など、ほかの持ち物と電池のサイズをそろえておくと予備を共用できます。荷物を減らしたいULの人には、地味に効くポイントですね。
エネループやリチウム乾電池への対応は、機種ごとに違います。公式で対応を明記している例と、そうでない例を並べてみます。
| 機種 | 公式に載っている対応電池 |
|---|---|
| ペツル ティキナ | アルカリ・リチウム・ニッケル水素(別売のコアも可) |
| モンベル マルチパワー ヘッドランプ | アルカリ・ニッケル水素・リチウム(別売の専用充電池も可) |
| モンベル コンパクトヘッドランプ | 単3(充電池・リチウム電池可) |
| ジェントス CP-095D | アルカリ単3のみ記載 |
エネループの公称電圧は1.2Vで、アルカリやリチウム乾電池の1.5Vより低めです。繰り返し使える回数は、スタンダードで約600回(JIS C8708:2019基準)とされています。(出典:パナソニック『充電池 比較』)
旧基準の表記では約2,100回でした。電池の性能が落ちたのではなく、試験の条件が厳しくなったためです。古い情報と数字が違っても、慌てなくて大丈夫ですよ。
非対応の機種にリチウム乾電池や充電池を入れると、オーバーヒートや故障の原因になるとペツルは注意しています。正確な対応電池は、各メーカーの公式サイトでご確認ください
ボタン電池(CR2032)式のワークマンのキャップライトが登山で主灯になるかも、点灯時間と電池交換の観点から別記事で検討しています。
関連記事:ワークマンのキャップライトは登山で使える?明るさと電池で判断
充電式の寿命は何年?保管と劣化で差がつく
充電式の寿命は、年数より充電回数と保管のしかたで決まると考えるのが現実的です。ヘッドランプ用電池の寿命年数を示した公式の数字は見当たらず、使い方しだいで大きく変わります。
目安になるのは充電回数です。ペツルのコアは保証が2年または充放電300回で、全寿命は乾電池900個分相当としています。一般的なリチウムイオン電池のサイクル寿命は、容量が80%以下になるまで300〜500回が目安です。
たとえば月2回の山行で毎回フル充電すると、年24回。サイクル寿命の目安の下限である300回に届くまで、回数だけで見れば10年以上かかる計算です。
ただし保証は「2年か300回の早いほう」です。高温にさらすと、回復しない損傷を受けることもあります。回数だけで年数は決まらない、と考えておくのが無難ですね。
内蔵型で電池を交換できない機種は、電池の劣化がそのまま本体の買い替えにつながります。モンベルのリチャージャブル パワーヘッドランプも、バッテリーは交換不可です。ハイブリッド式なら、専用充電池だけを買い替えれば済みます。
長持ちさせる保管のコツ
ペツル公式の推奨は、25℃以下の乾燥した場所での保管です。長く使わないときは電池やコアを本体から外し、コアは6か月ごとに充電します。乾電池式も、長期保管では電池を抜いておきましょう。
乾電池の保存寿命は、エナジャイザー公式でアルカリが7年、リチウムが15年(21℃)です。シーズンオフの間に空になりにくいのは、乾電池の隠れた強みと言えます。
久しぶりに出した充電式が空だった、という失敗はありがちです。山行の前日には、方式を問わず残量を確かめておくと安心かなと思います。
山行タイプ別のおすすめ:方式ごとに1〜2機種
方式ごとに選ぶなら、充電運用はアクティック コア、電池式はCP-095Dかティキナ、両用ならスポット400が候補です。CP-095D以外は僕が使ったわけではないので、公式スペックをもとに山行タイプで選んでいます。

| 方式 | 機種 | 電源 | 重さ | 防水 | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|---|
| 充電運用(コア付属) | ペツル アクティック コア | コア付属/単4×3 | 88g | IPX4 | 13,530円 |
| 電池式 | ジェントス CP-095D | 単3アルカリ×1 | 65g(電池込み) | IP64 | 公式ページに記載なし |
| 電池式(コア対応) | ペツル ティキナ | 単4×3/コア別売 | 92g | IPX4 | 4,180円 |
| ハイブリッド | ブラックダイヤモンド スポット400 | 単4×3/BD 1500別売 | 78g | IPX8 | 8,470円(販売店掲載・2026年9月) |
毎回充電して使う人には、ペツルのアクティック コアが候補です。専用充電池のコアが付属し、買ったその日から充電運用ができます。いざとなれば単4電池3本でも点くので、充電忘れの保険にもなります。
公式値は、中間100ルーメンで7時間、強625ルーメンで2時間です。注意点は13,530円という価格の高さ。日帰りや小屋泊が中心で、明るさにもこだわりたい人向けですね。
ペツル アクティック コア
コア付属で充電運用ができ、いざとなれば単4電池でも点く構成
価格目安:13,530円(税込・公式)
電池を内蔵した完全な充電式なら、モンベルのリチャージャブル パワーヘッドランプ(1,800mAh・86g・IPX6・4,290円)もあります。充電しながら点灯できる一方、バッテリーは交換できません。電池の寿命が本体の寿命になる点は、理解しておきたいところです。
電池式なら、僕が持っているジェントスのCP-095Dです。単3電池1本で電池込み65g、防塵・防水はIP64。強95ルーメンで7.5時間点きます。電池交換と消灯が手軽で、予備も単3を1本足すだけで済みます。
注意点は、公式に載っている対応電池がアルカリ単3だけなこと。冬山でリチウム乾電池に替える使い方を考えている人は、対応を確かめてからにしてください。
ジェントス CP-095D
単3電池1本で点き、電池カバーが一回ひねりで開く小型ヘッドライト
単4×3本の電池式なら、ペツルのティキナです。アルカリ・リチウム・ニッケル水素に対応し、92g・IPX4・4,180円。あとから別売のコアを足せばハイブリッド化できるので、まず電池式で始めたい人に向きます。
ペツル ティキナ
アルカリ・リチウム・ニッケル水素に対応し、あとからコアを足せる電池式
価格目安:4,180円(税込・公式)
両用で選ぶなら、ブラックダイヤモンドのスポット400です。単4電池3本と、別売の充電池BD 1500(1,500mAh・USB-C充電)の両方で点きます。78gでIPX8、強400ルーメンで2.5時間が公式値です。
価格は販売店の掲載で8,470円(2026年9月時点)で、BD 1500は別に買う必要があります。普段は充電池、テント泊や寒い時期は乾電池と切り替えたい人に合います。
ブラックダイヤモンド スポット400
単4電池と別売の充電池BD 1500の両方で点くハイブリッド式
価格目安:8,470円(販売店掲載・2026年9月時点)
明るさや照射距離まで細かく比べたい人は、サイト内のヘッドライト比較記事もあわせて見てみてください。価格やスペックは変わることがあるので、正確な情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。
登山ヘッドライトの充電式・電池式でよくある質問
富士山のご来光登山なら充電式で大丈夫?
山小屋に1泊するご来光登山なら、出発前に満充電にした充電式で足りることが多いと思います。点けるのは夕方の到着前後と、夜中から明け方の数時間が中心だからです。ただ、富士山の山小屋で充電できるコンセントは一部の小屋に限られます。僕が吉田ルートで登ったときは夜中の2時半に小屋を出て、山頂付近はかなり冷えました。予備電池か予備の明かりを持っておくと安心ですよ。
予備電池の代わりに2台目の小型ライトを持つのはあり?
ありです。電池の予備では、本体の故障や紛失には対応できません。2台目のライトなら、そうしたトラブルや充電忘れにも効きます。軽い小型ライトを足すか予備電池にするかは、山行の長さと荷物の重さで選ぶといいかなと思います。
充電しながら点灯できるヘッドライトはある?
あります。たとえばモンベルのリチャージャブル パワーヘッドランプは、側面の充電口から充電しながら点灯できると公式に書かれています。モバイルバッテリーとケーブルでつなげば、テント内の作業などで使えます。すべての機種が対応しているわけではないので、購入前に取扱説明書で確認してください。
初めての1台は充電式と電池式のどっちがいい?
日帰りから始める人なら、普段の充電で回せる充電式かハイブリッド式が扱いやすいと思います。テント泊や冬山にも行く予定があるなら、最初から電池を替えられる方式を選ぶと買い直しを減らせます。僕は単3電池1本のCP-095Dを選びましたが、予備がシンプルで迷いが少ないのが良かった点です。
まとめ:充電式か電池式かは山で電源を戻せるかで選ぶ

結局、充電式か電池式かは「山の中で電池をどう戻すか」で決めればいいんだね。
そうなんです。僕も調べてみて、自分の山行に合わせて選ぶのがいちばんだと感じました。
登山のヘッドライトは、充電式と電池式のどちらにも良さがあります。最後に、選ぶときのポイントを振り返っておきます。
- 毎回充電できる日帰り・小屋泊は充電式で足りることが多い。ただし充電忘れには注意
- テント泊の連泊・冬山・電源の無い山行は、電池を替えられる電池式かハイブリッド式
- 氷点下は方式を問わず点灯時間が落ちる(0〜−20℃では最大半減の例も)。寒さに強い電池に替えられるかが差になる
- 予備は本体1セット分が最低限。充電式はモバイルバッテリーとケーブルまで含めて重さを考える
- 充電式の寿命は充電回数と保管しだい。長く使わないときも定期的に充電する
絶対にこれが正解という話ではなく、自分の山行に合うかどうかが大事です。数値はあくまで一般的な目安なので、正確な情報は各メーカーの公式サイトをご確認ください。冬山など厳しい条件の装備は、登山用品店のスタッフや山岳ガイドなど専門家にも相談してみてください。
