こんにちは、YAMA-GO編集部のりょうです。関西を拠点に、北アルプスを中心にULスタイルで山を楽しんでいます。このブログ「YAMA-GO」では、実際に使ったギアのレビューや選び方、山のノウハウなんかを発信しています。
高機能なマウンテンパーカー選びって正直迷いますよね。今回は僕が実際に使った経験から、アークテリクスのサイズ感に関する選び方や失敗しないコツを整理してみました。
お店で試着しても、アトムやベータなどの人気モデルはメンズやレディースでフィット感が違うので、どれが自分に合うか悩む人も多いですよね。レイヤリングを重ねるとさらに分からなくなったりします。
今回は、サイズ選びの疑問や不安に寄り添い、山でも街でも快適に着こなせる最適な一着を見つけるお手伝いができればかなと思います。
- 北米仕様のサイズ規格と日本人体型に合わせた選び方の基準
- トリムフィットやレギュラーフィットなど形状の具体的な違い
- アトムやベータなど人気モデルのサイズ比較と着用レビュー
- レイヤリングを前提とした失敗を防ぐためのサイズ検討手順
アークテリクスのサイズ感の基本と選び方
アークテリクスのウェアは、カナダの過酷な山岳地帯をテストフィールドとして作られています。そのため、日本のブランドと同じ感覚で選んでしまうと、大きすぎたり袖が長すぎたりして失敗しやすいんですよね。ここでは、失敗しないための基本的な選び方から、立体裁断のフィット感の違いについて詳しく解説していきます。
「ワンサイズダウン」の話を自分の身体に当てはめるには、基準になる公式サイズ表を数字で押さえておくのが近道です。アークテリクスのサイズ表はヌード寸法、つまり自分の身体を測った数値が基準になります。手持ちの服の実寸と混同しないように気をつけてください。
メンズ・トップス(ジャケット/シャツ/Tシャツ)
| サイズ | 胸囲(cm) | ウエスト(cm) | ヒップ(cm) | 袖丈(cm) |
|---|---|---|---|---|
| XXS | 84 | 69 | 83 | 78 |
| XS | 89 | 74 | 88 | 81 |
| S | 94 | 79 | 93 | 83 |
| M | 102 | 86 | 100 | 86 |
| L | 109 | 94 | 108 | 89 |
| XL | 119 | 104 | 118 | 91 |
| XXL | 129 | 114 | 128 | 94 |
メンズ・ボトムス(パンツ)
| サイズ | ウエスト(cm) | ヒップ(cm) | 股下(cm) |
|---|---|---|---|
| XS | 74 | 88 | 79 |
| S | 79 | 93 | 80 |
| M | 86 | 100 | 81 |
| L | 94 | 108 | 82 |
| XL | 104 | 118 | 83 |
パンツには数字表記(28〜38)のモデルもあり、考え方は同じです。たとえば「32」はウエスト86cm・ヒップ100cm・股下(レギュラー)81cmで、アルファベットのMとまったく同じ数値です。ウエストの数字だけで選ぶとヒップが張ってしまうことがあるので、両方の欄を見比べるのがおすすめです。
上の表は、公式サイトに載っている現行の「新しいフィット」の数値です。アークテリクスはメンズのフィットを改定していて、公式サイトには改定前の「以前のフィット」の表(Sの胸囲97cmなど)も併記されています。旧シーズンの製品は以前のフィットで作られているので、購入前にはアークテリクス公式サイトの最新サイズチャートと、各製品ページの表記をあわせてご確認ください。
基本はワンサイズダウンがおすすめ

日本のドメスティックブランドに慣れていると、グローバル規格であるアークテリクスのアパレルは、全体的に一回り大きく感じます。特に身幅や肩幅はもちろん、袖丈や着丈がかなり長めに設定されているのが特徴ですね。
普段、日本のブランドで「Lサイズ」を着ている人が、そのままの感覚でアークテリクスの「Lサイズ」を選ぶと、「全体的にダボついて袖が余る」という事態になりがちです。
ポイント
日本人向けの基本的な選び方としては、普段着ているサイズから「ワンサイズダウン」を基準にして検討するのがおすすめです。
つまり、日本のLサイズを着ているならアークテリクスではMサイズを選ぶ、ということですね。ただし、冬山で極端に厚手のフリースやインナーダウンを着込むことを前提とするなら、あえてサイズを下げずにゆとりを持たせる戦略もありますよ。
公式サイズ表の見方とヌード寸法

オンラインで購入する際などに頼りになるのが公式のサイズ表ですが、ここで一つ注意点があります。アークテリクスのサイズ表に記載されている数値(センチメートル)は、ウェアの実寸ではなく、自分の身体の寸法(ヌード寸法)を基準にしているということです。
例えば、メンズのMサイズであれば、胸囲102cm、ウエスト86cm、ヒップ100cm、袖丈86cmといった具合に設定されています。自分の身体をメジャーで正確に測って、このデータと照らし合わせることが大切ですね。
注意
ここに記載している数値は、あくまで一般的な目安です。シーズンやモデルチェンジによっても変動することがあるため、正確な情報は必ずアークテリクスの公式サイトをご確認ください。
ウィメンズモデルは肩周りやウェストラインの絞りがメンズとは異なり、より身体に追従するカッティングになっています。自分の体型をしっかり把握することが、最適な一着への近道かなと思います。
関連記事:モンベルのサイズ感は大きめ?小さめ?失敗しない選び方を解説
レディースモデルをメンズが着る技

アークテリクスはデザインが洗練されていてミニマルなので、性別による見た目の違いが少ないのも魅力です。そこで僕がおすすめしたい裏技が、男性がインナー(ミッドレイヤー)として、あえてウィメンズモデルを選ぶという方法です。
例えば、男性が「メンズのSサイズ」と「ウィメンズのMサイズ」で迷ったとします。純粋なミッドレイヤーとして着るなら、ウィメンズのMサイズを選ぶと驚くほどスッキリ着られることがあります。公式のサイズ表で比べると、ウィメンズのMは胸囲91cm・ウエスト75cm、メンズのSは胸囲94cm・ウエスト79cmなので、胴回りは確かに一回り細身なんですよね。ただし袖丈はメンズSの83cmに対してウィメンズMは80cmと3cmほど短く、ヒップは逆に大きめの設定です。腕の長い方は袖丈だけ必ず確認してください。
ウィメンズモデルはメンズに比べて肩からウェストにかけてタイトに裁断されています。そのため、上にタイトなハードシェルを重ねても、余った生地が脇下でモタつきにくいんです。中綿が抱え込む空気の層は保温に効くので潰さず、外側でダブつく余白だけを削るイメージですね。
メモ
ただし、この方法はあくまで「インナーに特化」した場合です。春や秋に単体のアウターとして羽織って、下にスウェットなどを着込みたいなら、定石通り「メンズのSサイズ」を選ぶのが正解ですね。
パンツのサイズ選びは股下丈も重要

ジャケットばかりに目が行きがちですが、登山などのアクティビティにおいて、パンツのサイズ選びは機動力に直結するとても重要なポイントです。ウェストやヒップのサイズだけでなく、「股下(インシーム)」の長さが選べるモデルがあるのをご存知ですか?
アークテリクスのパンツには、同じウェストサイズでも股下の長さが「Short(ショート)」「Regular(レギュラー)」「Tall(トール)」の3種類展開されているものがあります。
公式サイズ表の股下もヌード寸法で、メンズMならレギュラーが81cm、ショートが76cmです。自分の股下を測って近いほうを選ぶのが確実で、日本で売られているパンツより長めの設定なので、迷ったら「Short」のほうが丈直し不要で収まりやすいですね。ただ、雪山など足首をしっかり覆う必要があるウィンターアクティビティでは、あえて「Regular」を選ぶのが適している場合もあります。
パンツはウエストと股下丈を別々に決めるので、ジャケットの「ワンサイズ下げる」をそのまま当てはめると丈で失敗しやすい。公式表の数字表記やショート/レギュラーの選び分けは、パンツ専用の記事で詳しく整理した。
関連記事:アークテリクスのパンツのサイズ感|ウエストと股下丈の選び方
サイズ選びで失敗を防ぐポイント

アークテリクスのウェアには、用途に応じて意図的に異なるゆとり(ボリューム)が設定されています。この「フィットの種類」を知っておくことが、サイズ選びの失敗を防ぐ最大の鍵ですね。
主に身体に密着する順から「ぴったりフィット」「トリムフィット」「レギュラーフィット」「リラックスフィット」の4つがあります。トリムフィットは身体に沿う細身の裁断のことで、ベースレイヤー専用というわけではなく、中間着のアトム ジャケットやシェルのベータ SL ジャケットにも採用されています。レギュラーフィットは重ね着を前提とした標準的なゆとりですね。
注意
アークテリクスはメンズのフィットを改定していて、公式サイトによるとMサイズは変更なし、小さいサイズはよりタイトに、大きいサイズはよりルーズになりました。同じ「レギュラーフィット」表記でも年式によって体感が変わる点には注意が必要です。
例えば、パンツなどでレギュラー表記でも、実際にはかなり細身に感じるモデル(Levonパンツなど)があります。メーカーの表記だけに頼らず、実際の着用感や詳細な寸法データを調べたりすることが欠かせません。迷った際の最終的な判断は、直営店の専門家にご相談くださいね。
Tシャツはフィット区分と胸囲で選ぶ
「アークテリクスのTシャツのサイズ感」も、検索でよく見かけるテーマです。Tシャツもジャケットと同じく、メンズ・トップスのサイズ表(胸囲基準)で選びます。
ただし、Tシャツは一律でワンサイズ下げる選び方が当てはまりません。中に重ね着をしないぶん、ゆとりの取り方がジャケットとは変わるからです。下げるか据え置くかは、モデルのフィット区分と自分の胸囲で決まります。
モデル別の製品実寸や、下げてよい人・下げてはいけない人の線引きは、Tシャツ専用の記事にまとめました。
関連記事:アークテリクスTシャツのサイズ感|実寸とワンサイズ下げる基準
アークテリクスのサイズ感を人気モデルで解説
ここからは、皆さんが特に気になっているであろう人気モデルに絞って、さらに深掘りしてみますね。インサレーション(保温着)の定番アトムシリーズと、ハードシェルの大本命ベータシリーズを中心に、レイヤリングや実践的なサイズ感の違いをご紹介します。
アトムシリーズの最適なサイズ選び

アークテリクスの中綿ジャケットといえば「アトム(Atom)」シリーズですよね。水濡れに強い化繊中綿「コアロフト」を使っていて、汗抜けも良いので、僕は行動着として使いやすいと感じています。でも、モデルによってフィット感が違うので注意してください。
例えば、軽量で通気性に特化した「アトム ジャケット」はトリムフィットで細身の作りです。上にシェルを重ねても滑りが良く、コンパクトに着られます。一方、保温性が高い「アトム ヘビーウェイト フーディ」はレギュラーフィットで、内側に厚手のフリースを着込めるようなゆとりがあります。どちらも2023年秋冬の名称整理でリネームされていて、公式サイトでは前者が旧「アトム LT ジャケット」、後者が旧「アトム AR フーディ」と案内されています。中古やレビュー記事で旧名を見かけたら読み替えてください。
ポイント
アトムフーディを中間着にする場合、「フード渋滞」に気をつけましょう。
アトム フーディの上からベータジャケットなどのフード付きシェルを着ると、首回りにフードが2つ重なってしまい、圧迫感で疲れてしまうんですよね。重ね着メインなら、あえてフードの無い「アトム ジャケット」(スタンドカラー)を選ぶのも賢い選択かなと思います。
ちなみに、首周りや顎が当たる部分はヒゲなどの摩擦で毛玉(ピリング)ができやすいというデメリットもあります。重いリュックを背負ってハードに使うなら、より摩擦に強い「プロトン(Proton)」シリーズも検討してみてください。
マウンテンパーカーのレイヤリング

マウンテンパーカー(アウターシェル)のサイズを選ぶとき、一番考えなければいけないのが「レイヤリング(重ね着)」の構造です。アーティキュレーション(要するに人間の体の動きを極限まで計算した立体裁断ってことです)が優れているアークテリクスでも、中に着る服のボリュームを間違えると動きにくくなってしまいます。
春から秋にかけて薄手のベースレイヤーの上に直接羽織るだけなら、ジャストサイズで問題ありません。しかし、冬山などでベースレイヤー、フリース、さらにアトムのようなインサレーションを着込む予定なら、それらの「容積」を包み込める余裕が必要です。
肌に触れるベースレイヤーは身体に沿わせ、中間着は空気を抱え込むふくらみを潰さない程度に収める。そのうえで一番外側のアウターシェルは、中に着込む最大ボリュームを想定して少しゆとりのあるサイズを選ぶ。これがレイヤリングの基本ですね。
ベータジャケットのサイズ徹底比較

防風・防水・透湿性に優れたGORE-TEX搭載のハードシェルで、代表的なのが「ベータ(Beta)」シリーズです。特に「ベータ ジャケット」と軽量な「ベータ SL ジャケット」は見た目が似ていますが、想定シーンと作りが明確に違います。
軽量な「ベータ SL」は山岳環境向けで、ヘルメット対応の大きなストームフードや、ベンチレーション用のジッパーが付いています。かつての「ベータ LT」に近い立ち位置の一着で、公式サイトでは「ベータ ライトウェイト ジャケット」から名称が変わったと案内されていますね。一方、標準の「ベータ ジャケット」はピットジップを省いて、街着やハイキング向けにミニマルに作られています。
メモ
この2着はフィットが違います。公式サイトの表記では「ベータ ジャケット」がレギュラーフィット、「ベータ SL ジャケット」がトリムフィットです。中に厚手のフリースや中綿を着込む前提なら前者、身体に沿わせて軽快に動きたいなら後者、という選び分けになりますね。
裾やフードにはドローコードが付いているので、骨格に合わせて絞ることで、着丈やフィット感を微調整することができます。袖丈が長い場合も、手首のベルクロ(マジックテープ)でしっかり固定すれば、腕の動きに追従してくれますよ。
身長別の着用レビューとフィット感
ハードシェルは機動力が命です。ここで、実際の体格に合わせたSサイズとMサイズの実証的な違いをご紹介します。
【ケース1:身長177cm / 体重70kg の場合】
この体型で薄手のTシャツの上にSサイズを着ると、身幅はジャストで都会的でスマートなシルエットになります。ただ、袖丈が手首ぴったりになるため、腕を上に伸ばした時に前腕が露出し、雨雪が侵入するリスクがあります。Mサイズなら適度なゆとりがあり、袖丈も十分。冬にアトムARを着込む余裕もあり、機能的にMサイズが一番バランスが良いですね。
【ケース2:身長168cm / 体重70kg の場合】
少しがっしりしたこの体型でSサイズを着ると、肩周りや胸囲がジャストフィットします。袖丈は長めですが、ベルクロで絞めれば問題ありません。一方、Mサイズを着ると全体的に明確なダボつき(オーバーサイズ感)が出ます。
注意
街着としてオーバーサイズを楽しむならアリですが、登山では余った生地が岩や木の枝に引っかかるリスクがあり危険です。安全に関わるため、アクティビティ目的での過度なサイズアップは推奨しません。
アークテリクスのサイズ感まとめ

最後に、今回お伝えしたアークテリクスのサイズ感に関する選び方を振り返ってみましょう。単に身長や体重の数字を当てはめるのではなく、自分が「どんな環境で」「どんな重ね着(レイヤリング)をして」使うのかから逆算することが大切です。
まずは日本のブランドのサイズから「ワンサイズダウン」を基準にすること。そして、そのモデルが「トリムフィット」なのか「レギュラーフィット」なのかを確認すること。インナーとして着るならフィット感を高め、アウターとして着るなら着込む余裕を考慮して選んでみてください。
アークテリクスのウェアは立体裁断が本当に素晴らしいので、適切なサイズさえ選べば、体を動かした時のストレスが全く違います。個人的には、この機能美を一度味わうと手放せなくなるくらい好きです。
高価な買い物になると思うので、ぜひ今回の基準を参考にしつつ、最終的な判断や安全に関わる装備の選択は、アウトドア専門店のスタッフさんにも相談してみてくださいね。それでは、安全で快適な山旅を楽しんでいきましょう!
