こんにちは、YAMA-GO編集部のりょうです。関西を拠点に、北アルプスを中心にULスタイルで山を楽しんでいます。このブログ「YAMA-GO」では、実際に使ったギアのレビューや選び方、山のノウハウなんかを発信しています。
登山の靴擦れって、ほんとにテンションが下がりますよね。一歩ごとにかかとがヒリヒリして、下山が苦行になってしまう。実は僕も初めての富士山で、下りの砂利道でブレーキをかけ続けた結果、両足で5か所も水ぶくれを作った苦い経験があります。でも、あれから色々調べて分かったのは、靴擦れは根性で我慢するものではなく、出発前のひと手間でほとんど防げるということでした。この記事では、出発前の予防から山行中の応急処置、そして「毎回同じ場所が擦れる」根本原因までを、順を追って整理します。
- 靴擦れは根性で我慢するものではなく出発前の予防でほぼ防げる
- 予防の柱は乾いた皮膚へのテーピング・紐でのかかと固定・ウール靴下の3つ
- 山行中は違和感の段階で摩擦を止め水ぶくれは基本潰さず保護する
- 毎回同じ場所が擦れるならフィット不良を疑い試着や買い替えを検討する
靴擦れは出発前の予防でほぼ防げる
いきなり結論から言うと、登山の靴擦れは出発前の予防でほぼ防げます。ポイントは「乾いた皮膚に摩擦対策をしておく」「かかとを紐で固定する」「汗を逃がすウール系の靴下を選ぶ」の3本柱。靴擦れは痛くなってから慌てて対処するより、痛くなる前に先回りして手当てしておくのが、いちばん効くんですよね。

というのも、靴擦れができる場所って毎回ほとんど決まっているんです。かかと、親指、小指の外側。過去に擦れた場所は次も擦れるので、そこをあらかじめ保護しておけば被害を大きく減らせます。僕が富士山で水ぶくれを作ったのも、まさに親指と小指でした。あのとき先回りしてテープを貼っておけば、下山があんなに辛くはならなかったよなと、今でも思います。
- 乾いた皮膚に摩擦対策(テーピングやワセリン)をしておく
- 靴紐でかかとを固定して、かかとの上下動を止める
- 汗を逃がすウール系の靴下を選び、皮膚のふやけを防ぐ
この記事は「出発前の予防 → 山行中の初期対応 → 帰宅後のケア」という時系列で読めるようにしています。まずは予防から押さえるのが近道です。
登山で靴擦れが起きる仕組み
靴擦れ(マメ・水ぶくれ)は、ひとことで言うと「摩擦」で起きます。皮膚が靴の内側と繰り返しこすれて、皮膚の浅い層(表皮の内部)がずれて裂け、そこに体液がたまると水ぶくれになる、という仕組みです。原因が摩擦だと分かれば話は早くて、摩擦が増える条件を出発前につぶしておけば、靴擦れは大幅に減らせます。

そして登山は、街歩きに比べて摩擦の総量が段違いに多い運動です。歩行時間が長く、下りでは足が靴の中で前後に動き、荷物も重い。だからこそ普段は平気な靴でも、山だと擦れてしまうことがあるんですよね。
摩擦を増やす主な要因
摩擦を増やす要因はいくつかありますが、最大の要因はサイズ・フィットの不一致です。とくに登山では厚手の靴下を履く前提でサイズを合わせる必要があり、その分を見込まないと小さすぎたり大きすぎたりします。大きすぎれば靴の中で足が動いて摩擦が増え、小さすぎれば当たりが痛みとして出ます。主な要因を整理しておきます。
| 要因 | なぜ摩擦が増えるか |
|---|---|
| サイズ・フィットの不一致(最大要因) | 大きすぎると靴内で足が動いて擦れ、小さすぎると当たりが痛みになる |
| かかとの浮き | かかとが一歩ごとに上下してヒールカップとこすれる。かかと靴擦れの典型 |
| 足の湿り・濡れ | 汗や雨で皮膚がふやけると摩擦係数が上がり、皮がむけやすくなる |
| 靴下のシワ・素材 | シワが寄るとその一点に摩擦が集中。綿は汗を抱えてふやけを助長する |
| 靴の慣らし不足 | 新品の硬い靴が足になじむ前に長距離を歩くと局所的に強く当たる |
| 歩き方・足の個体差 | 左右差や骨の出っ張り、歩行のクセで左右非対称にこすれる |
こうして並べてみると、どれも出発前や山行中に手を打てるものばかりだと分かります。だから靴擦れは「体質だから仕方ない」とあきらめる話ではなく、条件を整えれば十分にコントロールできるんですね。
すれやすいのはかかと親指小指
靴擦れができやすい場所は、多くの場合かかと、次いで親指と小指の外側です。これはたまたまではなく、その部位が靴の内側と強く当たる構造になっているサイン。かかとは一歩ごとに上下しやすく、親指・小指は横幅の当たりを受けやすい場所です。
僕が富士山の下りで水ぶくれを作ったのも、まさに親指と小指でした。8合目からずっと階段のない砂利の急坂で、自分の足でブレーキをかけ続けるしかなくて。あのときは両足で5か所もやられて、下山中ずっと痛みと戦っていました。トレッキングポールを持っていかなかったのも後悔ポイントで、足への負担を分散できていれば、あそこまでひどくはならなかったかもなと思います。
裏を返せば、擦れる場所は毎回ほぼ同じということ。だから過去に擦れた部位は先回りして保護しておくのが、いちばん効率のいい予防になります。自分の「擦れやすいクセ」を知っておくと、対策のねらいを絞れますよ。
出発前にできる靴擦れ予防
靴擦れって山で急にできる気がするけど、家を出る前にできることなんてあるの?
それが、出発前のひと手間がいちばん効くんですよ。テーピング・ワセリン・靴下・靴紐に分けて、順番に見ていきましょう。
出発前の予防は、乾いた皮膚への摩擦対策と、かかとを固定する紐の締め方が二本柱です。ここをやっておくと、山でのトラブルが本当に減ります。それぞれ具体的に見ていきましょう。

かかとの予防テーピングの貼り方
テーピングは、痛くなる前からあらかじめ貼っておくのが正解です。擦れやすいかかと・親指・小指の外側に、当たる範囲より少し広めに保護テープを貼っておきます。かかとは面積が広いので、幅広のテープで全体を覆うイメージですね。
テーピングの貼り方のコツ
当たる範囲より広めに貼る/シワを作らない(シワがあるとそこに摩擦が集中して逆効果)/テープの端が足裏側に回り込まないようにする/当たりが強い箇所はテープを2重にして皮膚を補強する。これらを守るだけで、保護の効果がぐっと安定します。
道具は、非伸縮タイプのテーピングテープ(25mm幅・50mm幅など。かかとには幅広が向きます)が扱いやすいです。厚手のテープほど皮膚を保護する力が強くなります。クッション性のあるマメ・靴ずれ用パッドを貼り、その上からテープで固定して剥がれを防ぐ、という二段構えも定番ですよ。山行中に「当たるな」と感じたら、まず靴下のシワを直し、それでも当たるなら大きめのテープでかかと全体を覆って摩擦を止めましょう。
ワセリンで摩擦を下げる塗り方
白色ワセリンを皮膚に薄く塗ると摩擦係数が下がり、皮膚と靴・靴下のこすれが滑って靴擦れが起きにくくなります。長時間歩行や雨の日など、皮膚がふやけて摩擦が増える条件でとくに効果的です。塗る部位は、かかと(靴縁が当たる)、親指と小指、土踏まずのあたりなど、こすれやすいところ。
塗る量は、ごく薄くがコツです。塗りすぎると靴の中がヌルついて逆に足が滑って動き、かえって摩擦が増えてしまいます。少量をサッと伸ばす程度でOK。汗や水に比較的強いのは利点ですが、摩擦を下げる効果そのものは時間とともに弱まっていくので、朝に塗って終わりにはしないほうが安心です。気になる箇所があれば休憩時にごく少量だけ重ねる程度にしておきましょう。
最大の注意点は、ワセリンを塗った箇所にはテーピングや絆創膏がくっつかない(すぐ剥がれる)こと。予防にワセリンを使うか、テープを使うかは、同じ部位での併用を避けて使い分けてください。
ウール靴下と二枚履きの選び方
靴下は、メリノウールなどのウール系を選ぶのが靴擦れ対策の基本です。ウールは汗を吸って湿気を発散してくれるので、皮膚がふやけにくく、防臭性も高い。逆に綿は汗を抱えてふやけを招くので、靴擦れ対策では避けたいところです。化繊は速乾性に優れます。
さらに一歩進めるなら、インナーソックスとアウターソックスを重ねる「二枚履き」も有効です。仕組みはシンプルで、摩擦が靴下と靴下のあいだで起きるので、皮膚と靴下の直接摩擦が減るんですね。間に空気の層ができてクッション性も増します。組み合わせは、肌側=速乾性の高い薄手(化繊など)、外側=クッション性の高い厚手のウール、が定番です。
| 用途 | 価格帯の目安 | 傾向 |
|---|---|---|
| 普段使い・軽ハイキング | 1,000〜2,000円 | 薄手中心 |
| しっかり登山(日帰り〜) | 2,000〜3,000円 | 中厚手・クッションあり |
| 縦走・長時間・冬 | 3,000円以上 | 厚手・立体編み・上質ウール |
メリノウール靴下は価格差が大きく、安いもので数百円〜高いものだと4,000円台超まであります。あくまで一般的な目安ですが、上の表くらいの相場感で選ぶと迷いにくいです。モンベルは国内大手で品質のわりに手頃、ダーンタフは高密度メリノで摩耗に強く生涯保証が特徴、スマートウールは丈夫で履きやすく最初の一足向け、といった傾向があります。
二枚履きはインナー分だけ厚みが増えるので、普段のサイズのアウターだと締め付けが強くなり血行不良の原因になります。二枚履き前提で靴を合わせるか、対応した厚み設計で選んでください。
ちなみに僕が最初に買ったキャラバンの登山靴は、普段25cmのアディダスと同じ25cmで、厚めの靴下を履いてちょうどよく収まりました。靴下の厚みは緩い靴のフィット微調整にも使えるので、かかとがわずかに浮くようなときは、厚手にして容積を詰めると浮きを軽減できますよ。
靴紐でかかとの浮きを止める
かかとの靴擦れは「かかとが浮いて上下する」ことが直接の原因なので、紐でかかとを固定するのが最重要の対策です。お金もかからず、その場でできるのに効果が大きい。締め方の基本から見ていきましょう。
- 腰を下ろし、かかとを床にトントンと3回ほど当ててヒールカップの奥までかかとを収める
- つま先を浮かせた状態で、つま先側から足首側へ順に、緩まないよう一つ下の交差を押さえながら締め上げる
- 意外と忘れがちな最上段のフックまで、きちんと紐を通す(ここを通すだけでホールド感が変わる)
- 最後にヒールロック(かかと固定)を作って足首まわりを締める
ヒールロックの作り方は、最上段は左右を交差させず、片側の紐を同じ側の穴(フック)に戻して縦のループを作り、反対側の紐をそのループに通してから締めます。左右で作った輪に互いの紐を通す形になり、足首まわりがキュッと締まってかかとが固定されます。ランニングシューズの「レースロック」と同じ原理ですね。
甲が当たって痛い箇所があれば、その1〜2段だけ紐を交差させず同じ側にまっすぐ縦に通すと、その部分の締め付けだけを緩められます(全体のホールドは保ったまま)。左右で通し方を変えてもOKなので、足の左右差に合わせて調整してみてください。
関連記事:登山靴の靴紐の締め方と登り下りの締め分け
山行中の応急処置と水ぶくれケア
歩いてる途中で靴が当たる感じがしても、ゴールまで我慢して歩いちゃダメなの?
そこは我慢しないほうがいいんですよ。違和感の段階で止まって処置するかどうかで、被害の大きさが全然変わるんです。
山行中の靴擦れは、悪化する前の早め早めの対応で被害が決まります。「靴が当たる」「ヒリヒリする」と感じたら、我慢して歩き続けず、その場で止まって処置するのが鉄則。放置して水ぶくれが潰れ、皮がめくれると、痛みと感染リスクが一気に跳ね上がります。

違和感の段階で摩擦を止める
赤み・ヒリヒリの段階でやることは、とにかく摩擦を止めること。まだ皮が破れていないうちに保護するのが、いちばん効果が高いです。次の順番で対応しましょう。
- まず靴下のシワ・よれを直す。ちょっとしたシワが原因のことが多い
- 紐を締め直してかかとの浮きを止める。緩んで足が動いているだけのこともある
- こすれている箇所に絆創膏や幅広テープを貼って摩擦を止める(シワを残さず、足裏に回り込まないように)
- 湿潤療法用(ハイドロコロイド)の絆創膏があれば、貼った上から靴を履いても痛みが和らぎ、山行を続けやすい
実は僕が富士山でやってしまったのが、この初期対応をサボったパターンでした。下りで「当たるな」と感じつつも、早く降りたい一心で我慢して歩き続けた結果、水ぶくれ5か所です。あのとき一度止まって、シワを直してテープを貼るだけの数分をケチらなければ、と今も反省しています。違和感は体からのサインだと思って、面倒でも立ち止まってくださいね。
水ぶくれは潰す潰さない
水ぶくれができてしまったら、基本は潰さないのが正解です。水ぶくれの中の体液と皮膚が傷口を保護してくれているので、潰さず放置したほうが早くきれいに治ります。自分で潰すと雑菌が入り、化膿・跡残りのリスクが上がってしまいます。
守り方のコツは、患部を清潔にして、水ぶくれより大きいガーゼや絆創膏で潰れないように覆うこと。ここで注意したいのが、絆創膏の粘着部が水ぶくれの上に来ると、剥がすときに一緒に破れてしまう点です。粘着部が患部に当たらないサイズを選ぶか、ガーゼを当ててからテープで固定すると安心。この用途では、傷口を湿った環境で治す湿潤療法用の絆創膏が向いています。(出典:バンドエイド®キズパワーパッド™公式「モイストヒーリング(湿潤療法)」)
キズパワーパッド 靴ずれ用(ハイドロコロイド絆創膏)
貼った上から歩ける厚いクッション膜で、行動中の靴擦れ保護から帰宅後の治癒までカバー。防水で剥がれにくく、山の応急セットの定番。管理医療機器なので添付文書に従って使ってください。
価格目安:参考価格 6枚入で800円台前後(税込・販売店で変動)
どうしても潰さざるを得ない場合(大きくて歩行に支障が出るなど)は、患部を水と石けんで洗浄し、滅菌した針で縁を破って中の液を出し、皮は剥がさず元の位置に被せて傷口の蓋にしてから、清潔なテープ・絆創膏で覆います。処置後は感染に注意してください。皮がめくれてしまったら流水でよく洗い、めくれた皮が邪魔なら余分だけをハサミで切り、湿潤療法用の絆創膏を貼ります。
化膿している・痛みが引かない・赤く腫れて熱を持つといった場合は、無理をせず皮膚科を受診してください。治癒期間はおおむね5〜7日が目安ですが、あくまで一般的な目安で、感染するとさらに長引きます。
関連記事:登山のファーストエイドキットの中身|日帰りで最低限持つ物
繰り返す靴擦れはフィット不良
テーピングやパッドで毎回しのいでいるのに、いつも同じ場所が靴擦れするなら、それはフィット不良のサインかもしれません。毎回同じ部位が擦れるのは偶然ではなく、足の形とその靴の内部形状が一致していない、という構造的な問題を示しています。

対症療法は大事ですが、それだけで毎回しのぐより、根本にあるフィット不良を疑うのが筋です。防止グッズで抑え込めても、「足に合っていない靴で歩き続けている」状態そのものは変わりませんからね。
足型と木型が合わないサイン
足の寸法は「長さ」だけではありません。甲の高さ・足囲(周長)・かかとの幅・容積など、複数の要素があります。長さを合わせても、たとえばかかとが細い人が幅広の木型(ラスト)の靴を履くと、かかとが泳いで同じ位置がこすれやすくなります。これが「毎回同じ場所」の正体です。
とくに注意したいのが海外ブランドで、欧米メーカーと日本人の足型は木型の傾向が異なることが多く、幅・甲の設計が合わないと局所的に強く当たります。海外ブランドを買うときは、いつも以上にフィット確認が要りますね。
見極めのポイントは、緩い側はインソールや靴下の厚みで詰めて微調整できても、きつい側は痛みとして必ず表に出ること。つまり「同じ場所が痛い=そこがきつい、またはそこで足が動いている」という不一致を示しています。対症グッズを足す前に、まずは自分の足と靴のミスマッチを疑ってみてください。
関連記事:LOWA登山靴のサイズ感|レネゲードとワイドの選び分け
買い替えを判断する試着チェック
対症療法(テーピング・パッド・靴下・インソール調整)を尽くしても同じ場所が毎回擦れるなら、靴自体が合っていない可能性が高いです。買い替えや調整を判断するために、次のポイントで試着チェックをしてみましょう。
- 試着は必ず登山用の厚手ソックスで行う(普段の薄い靴下だと実使用とサイズ感がずれる)
- かかとを床にトントンと3回当ててヒールカップの奥まで収め、足首を直立と同じ90度に保って紐を締める
- つま先の捨て寸は、指1本分ほどの余裕(おおむね1〜1.5cm)が目安。過大(2cm超)だと下りで足が動く
- 傾斜台があれば登り下りでかかとの浮き・つま先の当たりを確認する
- きつい側は靴下を薄く・インソールを抜く、緩い側は厚手靴下・ヒールパッドで詰める
こうした微調整をしても、きつい側の痛みがどうしても取れない場合は、木型自体が足に合っていないサイン。別ブランド・別ラストの検討、つまり買い替えが現実的な選択になります。店舗のフィッティング担当に足を計測・触診してもらうと、自己判断より確実ですよ。
ちなみに僕が長く履いてきたキャラバンのC1_02Sは、日本ブランドで日本人の足型に合わせて作られているので、幅広・甲高でも比較的合わせやすいのが良いところでした。もちろん万人に合うわけではないので、最終判断は必ず購入時点の実機で試し履きして決めるのが安全です。合わない靴を対症療法で履き続けるより、自分の足に合う一足に出会うほうが、結局は快適で近道になります。
登山靴の靴擦れ対策でよくある質問
靴擦れ対策に、普通の絆創膏でも大丈夫ですか?
予防や軽い保護なら普通の絆創膏でも使えますが、行動中や水ぶくれのケアには湿潤療法用(ハイドロコロイド)の絆創膏のほうが向いています。ハイドロコロイドは厚いクッション膜で貼った上から歩いても痛みが和らぎ、防水で剥がれにくいのが強み。普通の絆創膏は安価ですが薄く、汗や摩擦で剥がれやすく、粘着部が水ぶくれに当たると破ってしまうことがあります。
ワセリンとテーピングは一緒に使えますか?
同じ部位での併用は避けてください。ワセリンを塗った箇所にはテープや絆創膏がくっつかず、すぐ剥がれてしまいます。予防としてはワセリン(乾いた皮膚に薄く)か、テープ・パッドか、どちらかを部位ごとに使い分けるのがコツです。すでに赤みや水ぶくれがある箇所はテープ・パッドで保護しましょう。
新品の登山靴は、いきなり本番の山に履いていっていいですか?
できれば避けたいです。新品の硬い靴は足になじむまで時間がかかるので、近場の低山や平地を1〜2時間ほど歩いて足慣らしをしてから本番に使うと、当たりの出る箇所を事前に把握でき、靴擦れを減らせます。せっかくサイズが合っていても、慣らし無しでいきなり長時間歩くとトラブルが出やすいです。
インソールやヒールパッドで、かかとの靴擦れは防げますか?
緩い靴・かかとが泳ぐ靴なら、インソールやヒールパッドで容積を詰めてフィットを上げると、かかとの浮き=靴擦れを減らせます。ただし、きつい側の痛みはインソールでは解決しません。グッズを足す前に、まず靴下の厚み変更や紐(ヒールロック)、慣らし歩きで解決することも多いので、そちらから試すのがおすすめです。
靴擦れ対策として、最低限ザックに入れておくものは何ですか?
絆創膏(普通のものと湿潤療法用の両方)、かかと全体を覆える幅広のテーピングテープ、マメ・靴ずれ用のクッションパッド、この3点があると安心です。長い山行なら、ガーゼ・小さなハサミを加えておくと水ぶくれや皮めくれにも対応できます。「痛くなってから」ではなく、当たると感じた最初の段階で使えるよう、あらかじめ入れておくのがポイントです。
繰り返す靴擦れの根本原因が靴のフィットにあるなら、カット・ソール・サイズの基準から選び直すのが近道です。
関連記事:初心者向けの登山靴の選び方
登山の靴擦れは出発前の予防で決まる
なるほど、靴擦れって我慢するものじゃなくて、出発前に防いでおくものなんだね。
そうなんです。乾いた皮膚に摩擦対策、紐でかかとを固定、ウール靴下。この3つを押さえておくだけで、山での靴擦れはぐっと減りますよ。
登山の靴擦れは、根性で我慢するものではなく、出発前のひと手間でほぼ防げます。最後に要点を振り返っておきます。

- 靴擦れは摩擦が原因。乾いた皮膚へのテーピング・ワセリン、紐でのかかと固定、ウール靴下で先回りする
- 擦れやすいのはかかと・親指・小指。過去に擦れた場所はあらかじめ保護しておく
- 山行中は違和感の段階で止まり、シワ直し・紐締め直し・テープ保護で摩擦を止める
- 水ぶくれは基本潰さず保護する。行動中や治癒には湿潤療法用の絆創膏が向く
- 毎回同じ場所が擦れるならフィット不良を疑い、試着チェックや買い替えを検討する
ここで挙げた数値や日数は、あくまで一般的な目安です。皮膚の状態や足の形には個人差が大きいので、傷が化膿する・痛みが長引くといったときは無理をせず皮膚科を受診し、靴選びで迷うときは登山用品専門店のスタッフに足を見てもらってください。最終的な判断はご自身の足で試し履きして、無理をせず安全に山を楽しみましょう。
テーピングと合わせて、靴擦れしにくい靴下を選ぶことも予防の近道です。
関連記事:靴擦れ予防にもつながる登山用靴下の選び方とおすすめ8選
