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雪山にサングラスは必要?雪目の原因と透過率の選び方

雪山登山でサングラスが必要な理由と、雪目を防ぐ透過率の選び方

こんにちは、YAMA-GO編集部のりょうです。関西を拠点に、北アルプスを中心にULスタイルで山を楽しんでいます。このブログ「YAMA-GO」では、実際に使ったギアのレビューや選び方、山のノウハウなんかを発信しています。

雪山に行くとき、サングラスって本当にいるのかなと迷いますよね。曇りの日や樹林帯なら外していてもよさそうですし、ゴーグルとどっちを持つべきかも悩みどころです。

先に結論を言うと、雪山では晴れでも曇りでもサングラスは必須装備だと僕は考えています。雪面の照り返しは足元や横からも目に入ります。しかも雪目は浴びてから6〜12時間ほどたって、山小屋やテントで過ごす夕方〜夜に痛み出すことが多いからです。

僕自身、GWの残雪期に涸沢へ上がったときは、樹林帯でも涸沢でもサングラスをかけて歩いていました。この記事では雪目の仕組みと対処、透過率の選び方、ゴーグルやメガネとの組み合わせまで、雪山登山の行程に沿って整理します。

  • 雪山でサングラスが晴れでも曇りでも必要な理由
  • 雪目の症状が出るまでの時間と山での対処法
  • 天気と場所で決める可視光線透過率の目安
  • 偏光・調光・ゴーグル・メガネ対応の使い分け

雪山にサングラスは必要?晴れでも曇りでも必須

青空と太陽の下、両岸を雪壁に囲まれた広い雪の谷を登る登山者の後ろ姿
残雪期の涸沢へ向かう雪の谷(2021年5月・筆者撮影)

結論から言うと、雪山ではサングラスは天気に関係なく必須です。雪の上では空からの紫外線に加えて、雪面で跳ね返った紫外線が下からも目に入ります。曇りでも照り返しは止まらないので、「今日は晴れていないから」は外す理由になりません。

雪面で反射した紫外線が、上からだけでなく足元や横からも目に届く様子を示した図
ゴウ
ゴウ

曇ってる日の雪山なら、まぶしくないしサングラスはいらないんじゃない?

僕も最初はそう思っていました。でも雪の上は、空より足元からの光が厄介みたいなんです。一緒に確かめてみましょう。

りょう
りょう

新雪は紫外線を約80%反射し下からも目に届く

環境省の『紫外線環境保健マニュアル2020』によると、新雪の紫外線反射率は約80%です。草地や土の地面は10%以下とされています。雪面は、ふだんの登山道の8倍以上も紫外線を跳ね返す計算です。(出典:環境省『紫外線環境保健マニュアル2020』)

地面の種類紫外線の反射率
新雪約80%
砂浜10〜20%
水面10〜20%
コンクリート・アスファルト10%
草地・芝生・土10%以下

夏山の登山道と雪山では、同じ標高・同じ天気でも目に入る量がまるで違うわけです。上から降る光と、足元から返ってくる光。雪山ではこの両方を浴び続けます。

しかも屋外では、太陽から直接届く紫外線と、空気中で散らばって届く紫外線がほぼ同じ量だとされています。帽子のつばは上からの光には効きます。ただ、雪面からの照り返しや横からの散乱光までは防げません。

標高の影響もあります。同じマニュアルでは、標高が1,000m上がるごとに紫外線量は10〜12%増えるとされています。北アルプスの稜線のような高い場所の雪原は、反射と標高が重なる場所。目にとっては、かなり過酷な環境かなと思います。

2021年のGWに涸沢へ向かったときも、涸沢の手前は快晴の青空の下、広い雪の谷を登っていく行程でした。夏道は完全に雪に埋まっていて、見渡す限り白い斜面。日差しと照り返しの両方を浴び続ける、まさにこの章の状況です。

曇りや低山の雪でもいる?外したまま歩く失敗

曇りの日も、標高の低い山の雪でも、サングラスは必要です。薄い雲は紫外線(UV-B)の80〜90%を通すとされています。雲があっても、雪面での反射はそのまま起きるからです。

減り方は雲の厚さによって変わりますが、曇天の雪上でも目に入る紫外線はゼロにはなりません。まぶしさを感じにくいぶん、油断しやすいのが曇りの日。曇り空の下を裸眼で長く歩いて、雪目になる例もあります。

低山についても考え方は同じです。標高差による紫外線の増え方より、雪があるかないかの差のほうがはるかに大きいんですよね。低い山でも雪の上を長く歩くなら、サングラスは持っていきたいところです。

樹林帯は日陰が多く、日陰の紫外線は日向の半分ほどに減ります。ただ、樹林が切れた雪原や林道に出たとたん、照り返しは一気に増えます。雪山でありがちな失敗は、次のようなパターンです。

  • 晴れていない・樹林帯だからと、ザックにしまったまま雪原や稜線に出る
  • 休憩中に外したまま、雪の上で長く過ごす(休憩中も照り返しは浴びている)
  • 1本しか持たず、紛失・破損・曇りで使えなくなる

残雪期の涸沢へ向かったとき、僕は木漏れ日の樹林帯でもサングラスをかけて歩いていました。雪がある間はかけっぱなし、くらいの感覚でちょうどいいかなと思います。

雪目の症状は何時間後に出る?山での治し方

雪目は、紫外線を浴びてから6〜12時間後に、強い目の痛みとして出るのが特徴です。山で発症したら、まず紫外線を避けて目を冷やし、コンタクトレンズを外します。数日で治ることが多いものの、下山後は眼科で診てもらうのが安心です。

浴びてから6〜12時間後に痛み出す雪目の流れと、山での対処の手順を示した図

雪目(雪眼炎)は、医学的には「紫外線角膜炎」の一つです。雪面で反射した紫外線が、目の表面の角膜を傷つける病気。目が強く日焼けして、やけどのような状態になっているとイメージすると近いです。

浴びて6〜12時間後、小屋やテントで痛み出す

雪目のやっかいな点は、紫外線を浴びている最中には自覚症状がほとんど出ないことです。発症までの時間は、資料によって少し幅があります。

資料発症までの時間
MSDマニュアル(プロフェッショナル版)曝露後8〜12時間は現れない
英国 College of Optometrists のガイドライン曝露後6〜12時間
日本医事新報の解説8〜10時間の潜伏期
ウェザーニュースの解説6〜8時間後が多い

総合すると、目安は浴びてから6〜12時間後。日中に雪の上を歩くと、その日の夕方から夜、山小屋やテントに入ったあとに急に痛み出すのが典型です。行動中に痛くないことは、大丈夫だという根拠になりません。(出典:英国 College of Optometrists『Photokeratitis(Clinical Management Guidelines)』)

症状は、強い目の痛み、ゴロゴロした異物感、止まらない涙、まぶしさなどです。ひどいと目が痛くて開けられず、頭痛やかすみ目が出ることも。まぶたの皮膚が、日焼けのように赤くなる場合もあります。

縦走で怖いのは、翌日の行動に響くことです。1日目に裸眼で歩いた結果、2日目の朝に目が開けられないまま下山しなければならない。そんな状況も起こりえます。

日帰りでも油断はできません。帰宅後の夜に発症して、車の運転や翌日の仕事に影響するかもしれないからです。

雪目になったら冷やしてコンタクトを外す

山で雪目が疑われたら、まずはそれ以上紫外線を浴びないことが先決です。山の中でできる応急処置は、次のとおりです。

  • サングラスやゴーグルをかけ、できれば暗い場所で目を閉じて休む
  • 冷たいタオルや、雪を包んだ布で冷やす(雪を直接当てない)
  • コンタクトレンズは外し、治るまで使わない
  • 目をこすらない
  • 人工涙液の点眼や市販の鎮痛薬で症状を和らげる

人工涙液は、防腐剤の入っていないものが望ましいとされています。コンタクトを使っている人は、予備のメガネを持っていくと外したあとも行動しやすいですよ。

視界が確保できないときは、無理に歩かないことが大切です。どうしても移動が必要なら、同行者に誘導してもらいながら慎重に進みましょう。状況によっては、救助要請も選択肢の一つです。

症状が軽く見えても自己判断はせず、下山後は眼科を受診してください。

眼科では、細菌の二次感染を防ぐ点眼薬や眼軟膏、角膜を守る点眼薬、痛み止めが処方されるのが一般的です。ここで紹介した対処はあくまで応急処置。最終的な判断は眼科医にご相談ください。

数日で治っても繰り返すと白内障などのリスク

雪目そのものは、自然に治ることが多い病気です。角膜の表面は通常24〜48時間で再生し、軽症なら2〜3日で治るとする解説もあります。永久的な視力障害は、非常にまれとされています。

ただ、急性期を過ぎても、軽いかすみやまぶしさが1週間以上残ることがあるとするガイドラインもあります。痛みが引いたから終わり、とはいかない場合もあるわけです。

もっと気をつけたいのは、紫外線を繰り返し浴びると目の病気のリスクが上がる点です。瞼裂斑(けんれつはん)や翼状片(よくじょうへん)、白内障などがそれにあたります。翼状片は進むと手術が必要になったり、乱視や視力低下の原因になったりすることもあります。

毎年冬の雪山に通う人ほど、サングラスを常にかける価値は大きいですよね。一度の雪目を防ぐためだけでなく、目に入る紫外線の積み重ねを減らす意味もあるからです。

雪山サングラスはUVカットと顔に沿う形が最優先

雪山のサングラス選びで、最優先にしたいのはUVカット性能と、顔に沿う形です。レンズの色の濃さは、その次に考えれば十分。色が濃いからといって、紫外線をしっかり防げるとは限らないからです。

国内で売られるサングラス(度付きなど視力補正用を除く)は、家庭用品品質表示法で「可視光線透過率」と「紫外線透過率」を別々に表示するよう決められています。前者はレンズの暗さ、後者は紫外線をどれだけ通すかの数字。まず紫外線透過率を確認し、そのあとで暗さを選ぶ順番がおすすめです。(出典:消費者庁『家庭用品品質表示法 サングラス』)

品名の表示も見ておきたいポイントです。「サングラス」「偏光サングラス」と並んで、「ファッション用グラス」という区分があります。ファッション用グラスは、屈折力や平行度といったレンズの光学的な基準が「サングラス」に届かない区分で、長時間かけないよう注意書きが付きます。紫外線透過率は表示されているので、品名と合わせて数値も確認しておきましょう。

表示事項分かること雪山での見方
品名サングラス/偏光サングラス/ファッション用グラスの区分ファッション用グラスは長時間の雪上行動に向かない
紫外線透過率紫外線をどれだけ通すか最初に確認する(低いほど通さない)
可視光線透過率レンズの暗さ天気と場所に合わせて選ぶ(次の章)

環境省のマニュアルでは、紫外線防止効果のあるサングラスは目に入る紫外線を最大90%カットできるとされています。ただ雪山では、この効果を生かせるかどうかが形で変わってきます。

かけていても顔との隙間から紫外線は入る

雪山では「かけているかどうか」より「隙間がないかどうか」が効いてきます。サングラスの形によっては、顔との隙間から照り返しの紫外線が入り込むからです。

金沢医科大学との共同研究では、石川県白山市の雪上と夏の沖縄のビーチで、目に入る紫外線量が比べられました。結果は、形によってはサングラスをかけていても、サングラスなしの夏の沖縄のビーチと同レベルの紫外線を浴びていたと報じられています。

同じ研究グループは、目の横(耳側)から入った紫外線が、目の鼻側に集まる現象を「コロネオ現象」と呼んでいます。正面からの紫外線より、強いダメージを与える可能性があるという説明です。

前は覆っていても、横や下が大きく開いた平らなフレームは、雪面からの照り返しが入りやすいんですよね。雪山向けには、次のような形を優先して選ぶのがおすすめです。

  • 顔に沿ってカーブした形(ラップアラウンド形状)
  • レンズが大きく、目の下側まで覆える
  • 側面が覆える、またはサイドシールド付き

高所や氷河向けの「グレイシャーグラス」には、取り外しできるサイドシールド付きのモデルが多くあります。見た目は少しごついですが、横からの光を防ぐ考え方としては理にかなっていますね。

購入するときは、実際にかけて顔との隙間を確かめるのが確実です。正確な性能は、各メーカーの公式サイトや製品の表示で確認してください。

雪山サングラスの透過率は天気と場所で選ぶ

可視光線透過率は、晴天の雪原や稜線なら10〜15%前後、曇天や樹林帯なら25〜30%前後がひとつの目安です。数字が小さいほど、レンズは暗くなります。歩く天気と場所に合わせて、暗さを選ぶイメージですね。

晴天の雪原・稜線は透過率10〜15%、曇天・樹林帯は25〜30%という目安を左右で比べた図

暗さの区分には、視感透過率(可視光線透過率)で分ける国際規格ISO 12312-1のカテゴリー0〜4があります。海外メーカーの製品ページやタグには「Cat.3」「Category 4」のように書かれていることが多く、選ぶときの手がかりになります。

カテゴリー色の濃さ可視光線透過率雪山での主な場面
0無色〜ごく薄い80%超〜100%—
1薄い43%超〜80%霧・降雪・夕方・暗い樹林帯
2中間18%超〜43%曇天・薄曇りの雪上、樹林帯と雪原が交互
3濃い8%超〜18%快晴の雪原・森林限界より上の稜線
4非常に濃い3%超〜8%快晴の高所・氷河・長時間の雪上

1本で済ませたいなら、カテゴリー2と3の境目あたりか、調光レンズが選択肢になります。調光レンズには雪山ならではの注意点もあるので、次の章で詳しく触れますね。

カテゴリー4のレンズは、下山後の車の運転には使えません。帰りの運転では、運転用のメガネやサングラスに掛け替えましょう。

晴天の雪原や稜線は透過率10〜15%が目安

快晴の雪原や、森林限界より上の稜線は、雪面の照り返しが最も強くなる場面です。ここでは透過率10〜15%前後、カテゴリー3にあたる濃いめのレンズが目安になります。

濃いめのレンズに、側面まで覆える形を組み合わせると安心感が違います。まぶしさを我慢しながら歩くのは、それだけで消耗しますよね。

まぶしさを抑える効果は、景色の見え方にも出ます。初めての富士山で、友人のサングラス越しに雲海を見せてもらったことがあります。裸眼では太陽の光で見えなかった雲海の凹凸が見えて、まるで別物の景色でした。

さらに条件の厳しい高所や氷河、長時間の雪上行動では、カテゴリー4という選択肢もあります。ただ、曇りや樹林帯では暗すぎるのが難点。日本の雪山登山なら、まずはカテゴリー3を基準に考えるのが現実的かなと思います。

曇天や樹林帯は25〜30%で掛けっぱなしに

曇天や薄曇りの雪上、樹林帯と雪原が交互に出てくるルートでは、透過率25〜30%前後のカテゴリー2が使いやすいです。暗すぎないので、外さずに掛けっぱなしで歩けるのが一番のメリット。

雪目の予防で大事なのは、レンズの濃さより「外さないこと」なんですよね。暗いレンズだと樹林帯で足元が見えにくくなり、つい外したくなります。その外したまま雪原に出るのが、さきほど触れた失敗のパターンです。

霧や降雪、夕方の暗い樹林帯では、さらに明るいカテゴリー1も選択肢になります。コントラストを重視した、イエロー系などの明るい色が向いている場面です。

雪山で偏光は必須ではない、調光は戻りが遅い

結論から言うと、雪山で偏光レンズは必須ではありません。必須なのは、あくまでUVカットと顔に沿う形です。調光レンズは便利な一方、寒さで薄く戻るのが遅くなる点を知っておくと安心ですよ。

レンズ向いている場面雪山での注意点
偏光晴天が続き、ギラつきと目の疲れを減らしたいアイスバーンや起伏、スマホの画面が見えにくくなることがある
調光明暗差の大きい行程を1本で済ませたい低温ほど濃くなり、薄く戻るのが遅い

偏光レンズは、雪面や水面で反射したギラつきをカットしてくれます。晴天が続く日に、目の疲れを減らしたい場面では心強い存在です。

ただ、雪山ならではのデメリットもあります。サングラスメーカーのJulboは、偏光レンズが雪面を読み取る手がかりの反射まで消してしまうと説明しています。その結果、アイスバーンやコブ、斜面のわずかな起伏が見えにくくなることがあるそうです。(出典:Julbo公式『Disadvantages of polarized sunglasses』)

曇天で空と雪面の境目がなくなる「フラットライト」では、地形の判断がさらに難しくなります。スマホやGPSの画面が、角度によって暗く見えにくくなるのも気になるところ。登山アプリで地図を見る機会が多い人ほど、影響を感じやすいかもしれません。

アイゼン歩行やトラバースのように、凍った箇所の見極めが大事な場面では、偏光なしのほうが地形を読みやすいことがあります。偏光は「あればうれしい機能」くらいの位置づけで十分だと、僕は考えています。

調光レンズは、紫外線で色が濃くなり、熱で薄く戻る仕組みです。この戻る反応は、温度が低いほど遅くなります。つまり寒い場所ほど濃くなりやすく、明るく戻るまでに時間がかかるわけです。

冬の稜線から樹林帯へ下りても、すぐには明るくなりません。非常に寒い条件では濃くなりすぎて、スキーなど一部の用途に向かない場合があるとも言われています。もっとも、新しい世代の製品ほど温度による差は小さいそうです。

表示の見方にも注意が必要です。調光レンズの可視光線透過率は、「最も濃くなったとき」の値で表示されます。明るい状態での透過率は、メーカーの資料で別に確認しておきましょう。

ちなみに、車のフロントガラスは紫外線を遮ります。そのため一般的な調光レンズは、車内では濃くなりにくい点も覚えておくと便利です(可視光にも反応して車内で濃くなるタイプもあるので、製品の仕様で確認してください)。

軽量化してもゴーグルは持つ、稜線の風雪で切替

UL志向の僕でも、雪山ではサングラスとゴーグルの両方を持っていくのが基本だと考えています。晴天・弱風の行動はサングラス、稜線の強風や降雪、地吹雪ではゴーグルに切り替える使い分けです。晴れの予報でも、ゴーグルは置いていかないのがおすすめ。

樹林帯や晴天はサングラス、稜線の風雪ではゴーグルに切り替える使い分けを示した図
ゴウ
ゴウ

稜線で風が強くなると、雪が顔に当たって前が見えにくくなるよね。

ですよね。荷物は軽くしたいけど、そこで目を守れないと困ります。サングラスとゴーグルの違いから確かめてみましょう。

りょう
りょう
項目サングラスゴーグル
重さ・携行性軽量コンパクトで着脱が早い大きくかさばり、着けるのに時間がかかる
通気・曇り通気がよく曇りにくい登りの汗や呼気で曇りやすい
風雪顔との隙間から雪が入る顔に密着し、雪の侵入を防ぎやすい
紫外線の隙間形によって横・下から入る顔全体を覆うので隙間が少ない
主な出番晴天・弱風の行動中、登り悪天・強風の稜線、視界不良時

軽さを優先するなら、どちらか1本に絞りたくなりますよね。ただ、両者は得意な場面がはっきり分かれていて、片方でもう片方の代わりはしにくい道具です。必要な安全性を残したうえで削るのがULの考え方。ゴーグルは削らない側に入ると、僕は思っています。

風雪の稜線でサングラスが厳しいのは、小さな雪粒が顔との隙間から入ってくるからです。ゴーグルは顔に密着してずれにくく、視界を確保しやすいのが強み。一方で密閉性が高いぶん、登りで使い続けると汗や呼気で曇りやすくなります。

曇りにくさでいうと、顔のすぐ近くにレンズがある平面タイプより、顔との距離がある球面タイプが有利です。ザックの中で冷えたゴーグルを急に着けると、曇りやすくなるので要注意。防曇コーティングが落ちてきたら、曇り止め剤で補うか買い替えを考えましょう。

雪山登山は、樹林帯の登りから稜線へと状況がどんどん変わります。行程ごとの使い分けを表にまとめると、次のようになります。

行程状況目のギア
登山口〜樹林帯の登り日陰が多く、汗をかきやすい明るめ(カテゴリー2前後)のサングラス
樹林の切れ目・雪原・林道照り返しが一気に増えるサングラスを必ずかける
森林限界より上の稜線(晴天・弱風)雪面の照り返しが最大濃いめ(カテゴリー3)で側面を覆うサングラス
稜線(強風・降雪・地吹雪)雪粒が隙間から入るゴーグルに切り替え
休憩・山頂座っていても照り返しは浴びる外さない
下山・樹林帯暗くなる・夕方明るめに戻す(調光は戻りが遅い)

サングラスが1本だけだと、紛失や破損、曇りで使えなくなったときの逃げ道がありません。ゴーグルは、その予備としての役割も果たしてくれます。

関連記事:雪山登山の初心者装備リスト

メガネの上からならオーバーグラスかOTGゴーグル

普段メガネをかけている人は、メガネの上からかけるオーバーグラスか、メガネ対応のOTGゴーグルが現実的な選択肢です。1本で完結させたいなら、度付きサングラスという手もあります。どれも曇りや圧迫感に個人差が大きいので、試着してから選ぶのが安心ですね。

方法特徴雪山での注意点
オーバーグラス普段のメガネの上からかける大きめのサングラス。横からの光も防ぎやすいかさばり、二重になって曇りやすい
クリップオン(前掛け)メガネに偏光や色付きレンズを取り付ける。軽い横・下の隙間は普段のメガネと同じで、照り返し対策には弱い
度付きサングラス1本で完結し、軽いカーブの強いフレームは作れる度数に制限が出やすい
メガネ対応ゴーグル(OTG)内部に余裕とテンプル(つる)の逃げがあり、メガネの上から着けられる相性の個人差が大きく、試着が必要
インナー度付きレンズゴーグルの内側に度付きレンズを付けられる製品もある対応しているかは製品ごとに確認が必要

雪山の照り返し対策として見ると、クリップオンは少し心もとない印象です。軽くて手軽ですが、横や下の隙間は普段のメガネと変わりません。雪面からの照り返しが入りやすい点は、知っておきたいところです。

OTGゴーグルは、防曇加工や通気構造で曇りを抑えた製品が多くあります。それでもメガネとの相性は人それぞれ。実際にメガネをかけたまま試着して、曇りやすさと圧迫感を確かめておくのがおすすめです。

度付きサングラスを作るなら、雪山で使うことを眼鏡店に伝えてみてください。カーブの強いフレームでどこまで度数を入れられるか、相談しながら決められます。

コンタクトレンズを使う人は、雪目になったらすぐ外す必要があります。外したあとも視界を確保できるよう、予備のメガネを持っていくと安心ですよ。

雪山のサングラスと雪目のよくある質問

雪目になったとき、市販の目薬を使ってもいいですか?

痛みを和らげる目的なら、人工涙液で目を潤すのはひとつの方法です。防腐剤の入っていないものが望ましいとされています。ただし、あくまで応急処置です。下山後は自己判断せず眼科を受診してください。眼科では二次感染を防ぐ点眼薬や、角膜を守る点眼薬が処方されるのが一般的です。

色の濃いサングラスなら、安いものでも大丈夫ですか?

色の濃さとUVカット性能は別物なので、濃いだけでは安心できません。UVカット性能が分からないまま濃いレンズをかけると、瞳孔が開いて、かえって紫外線を取り込むおそれがあります。製品表示の「紫外線透過率」を確認し、「ファッション用グラス」と表示されたものは雪山の長時間行動では避けるのが無難です。

UVカットのコンタクトレンズなら、サングラスはいりませんか?

UVカットのコンタクトレンズは、サングラスの代わりにはなりません。雪山の紫外線を調べた研究グループも、サングラスや帽子と組み合わせる前提で紹介しています。また雪目になったらコンタクトはすぐ外す必要があるので、サングラスと予備のメガネは持っていきましょう。

雪山用のサングラスをかけたまま、帰りの車を運転してもいいですか?

レンズによります。カテゴリー4(透過率3〜8%)のレンズは、道路での使用ができない区分です。また、透過率75%未満のレンズは夕暮れや夜間の運転に向かないとされています。下山が夕方以降になる日は、運転用のメガネやサングラスに掛け替えましょう。

つばの広い帽子をかぶれば、サングラスなしでも平気ですか?

帽子だけでは不十分です。環境省のマニュアルでは、つばの広い帽子で顔や首の紫外線は約20%減らせるとされています。一方、紫外線防止効果のあるサングラスは、目に入る紫外線を最大90%カットできるとされています。帽子は上からの光には効きますが、雪面からの照り返しは防げないので、サングラスとの併用がおすすめです。

まとめ:雪山のサングラスはUVカットと形、透過率で選ぶ

ゴウ
ゴウ

曇りでも樹林帯でも、雪の上ならサングラスは外さないのが大事なんだね。

そうですね。僕も残雪期の涸沢では、樹林帯でもかけて歩いていました。あとは天気と場所に合わせて選べば安心かなと思います。

りょう
りょう

雪山では、晴れでも曇りでもサングラスは必須装備です。雪目は浴びてから数時間たち、行動を終えた夕方〜夜に痛み出すことが多いので、「痛くないから大丈夫」は通用しません。最後に、この記事の要点を振り返ります。

雪山サングラス選びの要点を、必要性・雪目・UVカットと形状・透過率・ゴーグルの順にまとめた図
  • 新雪は紫外線を約80%反射し、足元や横からも目に入る
  • 雪目は浴びてから6〜12時間後、山小屋やテントで痛み出すことが多い
  • 発症したら紫外線を避けて冷やし、コンタクトを外して下山後は眼科へ
  • サングラスはUVカットと顔に沿う形を最優先で選ぶ
  • 透過率は晴天の雪原・稜線で10〜15%前後、曇天・樹林帯で25〜30%前後が目安
  • 偏光は必須ではなく、調光は低温で戻りが遅い点に注意
  • 軽量化してもゴーグルは持ち、稜線の風雪で切り替える
  • メガネの人はオーバーグラスかOTGゴーグルを試着して選ぶ

ここで紹介した数値は、あくまで一般的な目安です。正確な製品仕様は各メーカーの公式サイトで確認し、目に異常を感じたときの最終的な判断は眼科医にご相談ください。

雪山は、景色も歩き方も夏山とはまるで違う世界です。目をしっかり守って、安全に雪山を楽しんでくださいね。

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