パタゴニア ブランド

パタゴニア トレントシェル 3Lの魅力と選び方

こんにちは、YAMA-GO編集部のりょうです。関西を拠点に、北アルプスを中心にULスタイルで山を楽しんでいます。このブログ「YAMA-GO」では、実際に使ったギアのレビューや選び方、山のノウハウなんかを発信しています。

レインウェア選びって正直迷いますよね。今回は気になっている方も多いパタゴニアのトレントシェル3Lについて、徹底的にリサーチして情報を整理してみました。

ネットで検索すると、旧モデルの剥離問題やゴアテックス製品との違い、日本人に合うサイズ感、レディースの展開、正しい洗濯方法、そして街着としてのコーデなど、色々な疑問が出てきますよね。僕自身も次に買うならどれがいいかと詳しく調べてみたので、これからステップアップしたい方や、長く使える相棒を探している方の参考になれば嬉しいです。

  • 旧モデルから進化した3層構造のメリットと剥離問題への対策
  • ゴアテックスとの違いや街着から冬山までの幅広い使い勝手
  • 日本人の体型に合わせたサイズ感とレディースモデルの特徴
  • 長く愛用するための正しい洗濯方法と撥水性の復活テクニック

パタゴニアのトレントシェル3Lの魅力と特徴

耐久性、デザイン、コストパフォーマンスの3つの魅力を示すアイコン

まずは、パタゴニアの定番レインウェアであるトレントシェル3Lが、なぜここまで多くのハイカーに支持されているのか、その理由を構造やデザイン面から紐解いていきますね。

旧モデルの剥離問題と構造の違い

旧モデルの剥離問題と現在の3層構造による汗ガードを比較した図解

パタゴニアのトレントシェルといえば、以前のモデル(2.5層構造)で起きていた「内側の生地がボロボロと剥がれ落ちる問題」を気にする方が多いのではないでしょうか。要するに、汗や皮脂が内側のコーティングに直接触れることで劣化(加水分解)が進んでしまう、通称「剥離(デラミネーション)」という現象ですね。

しかし、2020年のアップデートで名称もトレントシェル3Lとなり、生地が3層(3L)構造に進化しました。内側にトリコットなどの裏地が全面的に貼られたことで、肌からの汗や皮脂が直接メンブレン(防水透湿膜)に触れるのを完全に防いでくれるようになりました。

3層構造のメリット

剥離のリスクが劇的に軽減され、耐久性がアップした ・半袖の上から着ても、汗で肌に張り付くような不快感がない

このアップデートによって、過去最大の弱点が見事に克服され、数年にわたってガシガシ使えるタフなウェアへと生まれ変わったんです。

ゴアテックス製品との性能の違い

ゴアテックス等の高級品とトレントシェル3Lの価格や換気方法の比較表

レインウェアを探していると、必ずと言っていいほど比較対象になるのが「ゴアテックス(GORE-TEX)」を採用した他社製品ですよね。ノースフェイスのクライムライトジャケットや、モンベルのストームクルーザーなどが代表的です。

ネットの口コミなんかを見ても、「やっぱり一番いいのはゴアテックスなんでしょ?」という声をよく見かけます。確かに、ゴアテックスが世界最高水準の透湿性(ウェア内の蒸れを外に逃がす機能)と防水性を誇るのは間違いありません。ただ、ゴア社が定める非常に厳しい製造基準をクリアし、ライセンス費用もかかるため、どうしても製品の価格が3万円〜4万円以上と高騰しがちなんですよね。

一方、パタゴニアのトレントシェル3Lは、自社開発の防水透湿規格である「H2Noパフォーマンス・スタンダード」を採用しています。「自社規格だからゴアテックスより劣るんじゃないの?」と僕も最初は疑っていたのですが、色々調べてみてその考えは変わりました。

H2No規格の過酷なテスト

実は「H2No」というのは単なる素材の名前ではなく、パタゴニアが独自に設けた超厳格なテスト基準のことなんです。中でも「キラーウォッシュ」と呼ばれるテストでは、生地を24時間連続で激しく摩擦・洗浄し、何年も過酷に使ってボロボロになった状態を意図的に作り出します。その状態になってから防水性テストを行い、基準をクリアしたものだけが「H2No」を名乗れるという、かなりストイックな規格なんですよ。

つまり、ゴアテックスのライセンス費用を抑えつつ、同等レベルの過酷なテストを自社でクリアした素材を使っているからこそ、2万円台半ばという手に取りやすい価格帯を実現できているわけです。

脇下ジッパー(ベンチレーション)による直接的な換気機能の解説

また、個人的にすごく推したいポイントが「脇下のベンチレーション(ピットジッパー)」の存在です。どんなに高級で透湿性の高いゴアテックスウェアでも、夏の低山や急登で大量に汗をかけば、物理的に蒸れの処理が追いつかなくなります。そんな時、トレントシェルなら脇のジッパーをガバッと開けることで、一気にウェア内の熱気と湿気を物理的に換気できるんです。正直、生地の透湿性に頼るよりも、ジッパーを開けて直接風を入れる方が圧倒的に涼しくて快適だったりします。

どっちを選ぶべき?

  • 何日も雨の中を歩き続ける縦走登山や、少しでもウェア内の結露を減らしたいシビアな環境なら「ゴアテックス製品」
  • 日帰り登山、キャンプ、フェス、街着がメインで、脇下ジッパーを活用して賢く体温調整ができるなら「トレントシェル3L」

「絶対に最高峰のスペックが必要!」という一部の極限環境でない限り、この価格で脇下ベンチレーションを備え、十分すぎる防水性を持ったトレントシェル3Lのコストパフォーマンスは、他の追随を許さないほど優秀だなと思います。

街着にも最適なデザインとコーデ

冬は防寒着になり、つや消し生地で街着にも合うという解説

このジャケット、山だけでなく普段使いの街着としてもすごく人気があるんです。

その秘密は、50デニールという少し厚手のリサイクル・ナイロン生地がもたらす「マットな質感」にあります。最近の超軽量レインウェアによくあるテカテカとした強い光沢感や、シャカシャカ鳴る擦過音が抑えられているため、デニムやスラックスなどの日常着と合わせても違和感がありません。

人気のカラーについて

ブラックやネイビーといったベーシックなカラーは、通勤時のスーツの上からでも羽織りやすいため、年間を通じてとても人気が高いようです。コーディネートのしやすさを重視するなら、落ち着いた色がおすすめですね。

冬の防寒対策と重ね着のポイント

本来は雨具ですが、防風性も非常に高いため、冬場の防寒アウター(ハードシェル)としての役割も十分にこなしてくれます。

先ほど触れた50デニールという生地の厚みがあるおかげで、冷たい強風をしっかり受け流し、生地のバタつきも抑えてくれます。冬山や寒い時期のキャンプでは、ベースレイヤーの上にフリースやダウン(インサレーション)を着込み、一番外側にこのジャケットを羽織る「レイヤリング」をすることで、しっかりと体温をキープできますよ。

極限の軽さを求めるUL(ウルトラライト)スタイル特化というよりは、どんな状況でも身を守ってくれる安心感があるのが魅力ですね。

上下揃えたいパンツの機能性

ジャケットだけでなく、セットアップで使えるパンツも展開されています。

パンツも同様に3層構造で耐久性が高く、価格は17,600円(税込)と、上下揃えても手が届きやすい設定になっています。面白いのが、通常の丈(レギュラー)だけでなく、股下が少し短めに設計されたショート丈モデルも展開されている点です。

海外ブランドのパンツは裾が長すぎて引きずってしまうことが多いので、足元をすっきり見せたい方や、小柄な方にとっては嬉しいポイントですよね。

パタゴニアのトレントシェル3Lの選び方と手入れ

魅力がわかったところで、次は実際に購入する際に一番悩むサイズ感や、買った後のメンテナンスについて、詳しく調べてまとめた情報をお伝えします。

日本人に合うサイズ感の選び方

普段の日本サイズからマイナス1を選ぶというサイズ選びの鉄則

ネット通販でパタゴニアのウェアを買うとき、一番悩むのが「サイズ選び」ですよね。「普段LサイズだからLでいいかな?」とポチってしまうと、届いて着てみて「あれ、デカすぎる…」と失敗するケースが本当に多いんです。

というのも、パタゴニアの製品は基本的に「USサイズ(米国規格)」で作られています。しかも、トレントシェル3Lは同ブランドの中でも「レギュラー・フィット」という、少しゆとりのあるシルエットに分類されているんですよね。

サイズ選びの基本ルールとしては、「普段着ている日本のサイズから、1サイズダウン」を選ぶのが鉄則になります。普段の服がLサイズなら、トレントシェルはMサイズを選ぶといった具合ですね。

身長別サイズの目安(リサーチ情報まとめ)

  • 165〜170cm(普通体型):Sサイズ(スッキリ着たいならXSも視野に)
  • 170〜175cm(普通体型):Sサイズ(中に厚手のフリースを着込むならM)
  • 175〜180cm(普通体型):Mサイズ(ゆとりを持たせるならL)

ただ、これはあくまで「中にベースレイヤーと防寒着を着込む(レイヤリングする)」ことを想定した山基準のサイズ感です。もし「春や秋に、薄手のロンTの上から街着としてだけ羽織りたい」という方なら、ダボつきを抑えるために思い切ってさらに小さいサイズを選ぶのもひとつの手かなと思います。

注意袖が長いのは不良品じゃありません!

初めて試着したときに一番驚くのが「袖の長さ」だと思います。指先まですっぽり隠れてしまうくらい長く作られているんですが、これは雨の中での行動中に腕を高く上げても、手首が露出しないようにするための重要な機能なんです。

この長い袖は、手首にあるベルクロ(面ファスナー)でギュッと絞って固定するのが正しい着方です。手首で留めることで、手首から肘にかけて少し生地がたわむようなシルエットになり、これが雨風の侵入をしっかりブロックしてくれます。

もう一つ注目してほしいのが「着丈(縦の長さ)」です。少し長めに設計されていて、お尻が半分くらい隠れる仕様になっています。これも、山でしゃがんだ時やザックを背負って前かがみになった時に、腰周りが濡れたり冷えたりするのを防ぐための工夫なんですよね。

「街着メインだから丈が長すぎるのはちょっと…」と気になる方は、裾についているドローコードを絞って内側に少し折り返すように整えると、スッキリとしたシルエットになって着こなしやすくなりますよ。ご自身のメインの用途(山登りか、タウンユースか)をイメージしながら、最適なサイズを探してみてくださいね。

レディースモデルの特徴と展開

手首と裾を絞って雨をブロックする着こなしと、女性用モデルのシルエット

女性のハイカーさんには、ウィメンズ(レディース)モデルが用意されています。

単にメンズサイズを小さくしただけではなく、女性の骨格に合わせたカッティングが施されているため、シルエットが非常に綺麗に出るのが特徴です。また、カラーバリエーションもメンズとは異なる明るいトーンの色味が展開されていることが多く、山での視認性を高めつつ、おしゃれを楽しみたい方にもぴったりです。

長持ちさせるための正しい洗濯方法

専用洗剤で洗うことと、乾燥機で熱して撥水力を復活させる手入れのルール

実は、近年のパタゴニア製品は環境配慮のために「PFCフリー(フッ素化合物不使用)」の撥水加工へと移行しています。これに伴い、「こまめに洗濯して汚れを落とすこと」が、機能を維持する上で絶対に欠かせないルールになりました。

皮脂や泥、日焼け止めなどの汚れが付着したままだと、すぐに水を弾かなくなってしまいます。ただし、市販の家庭用洗濯洗剤を使うのはNGです。一般的な洗剤に含まれる柔軟剤や漂白剤成分が生地に残ると、逆に撥水性を落としてしまうからです。

洗う時は、必ず「NIKWAX(ニクワックス)」などのような成分残留のないアウトドアウェア専用の洗剤を使って、しっかり汚れを落とし切りましょう。

乾燥機を使った撥水性の復活方法

洗濯して汚れを落とした後、もう一つ重要なステップがあります。それが「熱を加えること」です。

生地表面の水を弾く微細なポリマーは、摩擦などで倒れてしまうと効果がなくなりますが、熱を与えることで再び綺麗に立ち上がり、撥水機能が復活するというメカニズムを持っています。

撥水復活の手順

専用洗剤で洗濯し、完全に乾かした後、乾燥機に入れて中温で15〜20分ほど熱を加えます。自宅に乾燥機がない場合は、コインランドリーの利用が推奨されています。

何度熱を加えても水弾きが悪い場合は、撥水コーティング自体が摩耗しているサインなので、その時は専用の撥水剤(スプレーやウォッシュインタイプ)で再コーティングしてあげてくださいね。

パタゴニアのトレントシェル3Lの総括

トレントシェル3Lのジャケットイラストと、長く付き合える名作というメッセージ

色々と調べてみて改めて感じたのは、パタゴニアのトレントシェル3Lは、ただの雨具という枠を超えた、非常にバランスの取れた名作ギアだということです。

3層構造による高い耐久性、環境に配慮したものづくり、街着にも使いやすいデザイン、そして何より適切なメンテナンスを行えば何年も一線で活躍してくれるという長寿命設計。初期投資はかかりますが、長い目で見れば間違いなくコストパフォーマンスに優れた選択肢になると言えます。

これから本格的に登山を始める方や、買い替えを検討している方は、ぜひこの記事で紹介した選び方やお手入れ方法を参考にしてみてくださいね。

注意

※本記事で紹介している価格や仕様、サイズ感等の数値データは、あくまで執筆時点でのリサーチに基づく一般的な目安です。正確な最新情報や製品の詳細については、パタゴニアの公式サイトを必ずご確認ください。また、過酷な環境下での使用など最終的な装備の判断は、専門のショップスタッフ等にご相談ください。

-パタゴニア, ブランド
-, ,